もしも、私があなただったら (光文社文庫 し 30-4)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744427

感想・レビュー・書評

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  • 白石一史先生らしい、博多を舞台にした大人の恋愛小説でした。いつもながら白石一史の作品には良い女が出てきますね〜明朗快活で頭が良くて料理が上手な上、パシッと筋が一本通ったような性格の良い女なんですよ。
    大人になって50にもなれば最初の結婚は破綻していたり、数年単位のセックスレスなんてありがちな…と言うか、それが普通だろって言いたくなっちゃう。でも結婚した人が最愛の人である…とは簡単に決められない。結婚してから分かる事も知る事も沢山ありますよね。だから一度失敗も経験してからの方がしっくりいくような気がします。
    「誰かから愛されている」と言う実感や「誰かが自分を必要としている」と言う実感が如何に人生において大事であるか…白石先生の作品は訴えているように感じています。
    白石作品は、まだ少し残っていますが、ほとんど読破してきました。大好きな作家さんです。

  • 【あらすじ】
    会社を辞めて故郷の博多に戻り、何かに追い立てられるように暮らしてきた男、藤川啓吾。彼の前に、突然かつての同僚の妻・美奈が現れて言った。「藤川さんの子供を産みたいんです」。―啓吾は東京を離れる折にも美奈に思いを打ち明けられ、にべもなく断っていた。時を隔て再会し、やがて確かに心を通わせ共に過ごす二人。制約のない「大人の恋愛」を描く傑作。

    【感想】

  • 6年前、惹かれる気持ちを抑え、一線は越えなかった彼女が突然目の前に現れた。
    彼女の旦那は、当時最も仲の良かった元同僚。
    逮捕寸前の旦那を置いて突然やって来て、「あなたを子どもを産みたい」と言う彼女の心理とは。

    「もしも、私があなただったら…」
    女は心と身体で、男は目と頭で恋をする。
    大人の恋愛小説。

  • 心が通じ合う人と出会えて、ただ相手と自分の今の事だけを考え、色んなしがらみに縛られないこの2人は、心を解放してくれる人間的な関係だった。色んな経験をして、大人になってからの出会いの方が、心の通じ合う人を見つけ出せる気がする。好きな話だった。

  • 『誰かと関わりを持つというのは、相手と繋がった瞬間にその相手を裏切り始めることでしかないのかもしれない。人と人との関係とは本質的にそういうものなのだ。

    裏切りのない愛もなく、愛のない裏切りも恐らくない。つまりは、いつの時代も恋人や家族との関係は、人間にとって最大の生き甲斐であると同時に最大の苦痛の種でもあるのだ。

    だからこそ、人の不幸のほとんどすべてが愛すべき人や愛すべき家族たちとのあいだに生まれてくるのだろう。』

    会社人間を辞め、大都会を離れ、人生を半分降りて、〈生きる〉ことを見つめられる大人の恋愛小説。素敵な作品。
    会社人間の末路と降りた人間の〈生きる〉姿の対比が印象的。

  • 博多を舞台にした恋愛小説ということで、期待して読んでみたが…
    物語が浅薄で、登場人物たちには感情移入もできない。ついでに付け加えると、粕谷町の誤植。粕屋町でしょう。作者のミスなのか編集者のミスなのか分からないけれど、福岡県生まれの方が書いた作品で、このミスはあり得ない。

  • 白石一文の作品にしては物足りなさを感じた。

  • 今までの読んだ白石さん作品の中で、一番好きじゃなかった。

  • 【本の内容】
    会社を辞めて故郷の博多に戻り、何かに追い立てられるように暮らしてきた男、藤川啓吾。

    彼の前に、突然かつての同僚の妻・美奈が現れて言った。

    「藤川さんの子供を産みたいんです」。

    ―啓吾は東京を離れる折にも美奈に思いを打ち明けられ、にべもなく断っていた。

    時を隔て再会し、やがて確かに心を通わせ共に過ごす二人。

    制約のない「大人の恋愛」を描く傑作。

    [ 目次 ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 自分の運命を変えたい一心で出た行動なんだろうけど、美奈の行動力は絶対掴み取ってやるという、執念と恐ろしさがあり不気味だった。自分の美貌など含めて自信があるからできたことなんだろうね。そこがちょっとつまらない。ここは美貌も普通の女性が必死に掴み取るために…っていう設定で読みたいものだ。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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