沽券: 吉原裏同心 10 長編時代小説 (光文社文庫 さ 18-23 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744960

作品紹介・あらすじ

天明八年の正月早々、吉原の引手茶屋で沽券状を狙った事件が頻発した。廓の危難に奔走する吉原会所と神守幹次郎の前に、権利を売り姿を消した茶屋夫婦の刺殺体が!残る二人の娘の行方を追う幹次郎たちは、巨漢の武芸者を引き連れ、沽券状を買い集める黒幕の年寄りに辿り着く。吉原乗っ取りを策する真の狙いは何か?背後に田沼派の残党と老中首座の争いが…。

感想・レビュー・書評

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  • 吉原裏同心10巻目。
    最初のくだりは気分爽快な感じだったのに
    まさかここにきて、吉原乗っ取り計画みたいなもんが動き出していたとは…
    数日間の話とは思えない濃厚さと、なかなか今回の敵はしぶとそうだなと思ってしまう。
    あと汀女が心配。

  • 今回は吉原乗っ取りを画策する田沼派との戦い。
    田沼派のやり方がどんどん手荒く激しくものになってきたので、作品にも殺伐とした雰囲気が漂っています。
    唯一の救いは汀女さんの活躍。文武両道だったのですね。

  • 前巻の「借宅」では、吉原炎上後の仮宅営業で花魁が攫われて殺害されることが相次いだ。これは田沼意次の復権をたくらむ者の仕業であったが、更に大老の後ろ盾を得て吉原を我が物にしようと「沽券」を買いあさった。まさに吉原最大の危機を会所と幹次郎はどう乗り越えるか?

  • 今回は吉原乗っ取りという、ありそうであんまり無かった事件が立ちはだかります。
    店の乗っ取りとかは良くあるネタなんだけど、全体とは思い切ったことで。
    しかし、吉原がまだ火事の影響から復帰していないのでちょっと華々しさに欠けるのが残念ですね。
    このシリーズは吉原の華やかさが描かれているのが良かった点の一つだと思うんだけれどなぁ。
    さて、いつものどう評価すべきか微妙な感じの俳句は今回ちょっと控えめ。
    ネタが尽きたのか、評判が悪かったのか、今回の話の流れで入れづらかったのか、さて、真実はどこに。(^^;

  • ラストで

  • ★2009年2月14日 18冊目読了『沽券』吉原裏同心(十)佐伯泰英著 評価B+
    吉原炎上事件をきっかけに、吉原沽券状を買い集めるグループが出現。裏では松平定信に反対する田沼派の残党が暗躍。
    相変わらずの神守幹次郎の活躍が悪党を壊滅に追い込む。
    いつもの吉原裏同心シリーズにしては、丁寧に筋が組み立てられていて良い出来と評価できる。

  •  吉原裏同心、軽~く読めるので、ついつい読み進めてしまう。
     沽券状という言葉を初めて知りました。店の権利を売る時などの、売主から買主に出す証文らしい。
     仮宅商い中の吉原を、今のうちに買い取ろうとしている一味の話。今回は敵のバリエーションより、敵の規模のほうが目を引く。田沼派残党、頑張ってるなーと思います。

     神守幹次郎様を調査剣術の両面で活躍させ、周囲の人が喝采を送るという基本スタイルが潔い。話の運びがテンポ良くて、神守様のもとには手柄がころっころ舞い込んでくるので、筋の粗い部分は気になりません。
     小田原まで足を運び、北前船も出てきて、大砲も登場しての、見映えの良さがいいなぁと。さらっと読み終えて満足できるのがいいところ。

     それにしても、大晦日までシゴト(という名の殺し)をして、正月元旦も人を斬り、2日には4人を半殺し、5日にまた斬って。
     間を置かずにばさばさと斬りまくる神守様の愛刀は、めちゃめちゃ使い倒されているなあと思ったり。

  • まだ仮宅のまま吉原再建までの日は遠そうです。
    今回は仮宅なために起きる吉原乗っ取り事件。
    営業許可の沽券をうまい具合に騙し取って、いざ再建の際には乗り込む手筈だったようです。しかし、もちろんそのたくらみに途中で気づいた会所の面々が総力を挙げて阻止にかかります。
    ただの乗っ取りではなく、背後には新しく老中になった松平定信と対立する田沼派の画策だったり。
    『沽券に関わる』はここから来ていたのかと勉強になりました。
    忙しく動き回る幹次郎とは別に、汀女にも襲う輩が。意外なことに汀女も強かった!出来すぎだけどまあいいか。スカッとしました。

  • 吉原乗っ取りをたくらむ人との戦い。

  • シリーズも10作目に入りましたが、この巻は短編の連作と云うよりも長編作品って印象を受けました。今回の話もなかなか独特の事件で面白かったですね。
    話のメインじゃないけど、汀女さん強いんだ ^_^

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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