ラットマン (光文社文庫 み 31-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748074

感想・レビュー・書評

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  • 道尾作品は久しぶりに読んだ。
    綺麗に仕上がったミステリーだな、という印象。知ってしまうと…なところもまた、ミステリーの持ち味か。

  • 人生は芸術作品の模倣である。

    真似は個性を身につけるための手段

  • 本編でいうと星4.5にしたかったが、プロローグでのエレベーターの話と本編のつながりがいまいち理解できなかったので評価を下げた。しかし本編ではどんでん返しがすごく、また過去の出来事との模倣にも驚いた。ここまで複雑な出来事を過去と現在の二つで描くことがすごい。

  • 主人公の姫川が23年前の7歳のときに姉を亡くす。姫川は、その事故に疑念を抱いていた。

    現在、姫川はバンドメンバーと共にスタジオで練習をしていた。すると、姫川の彼女であるスタジオのスタッフが不審な事故死をしてしまう。犯人は誰なのか?過去とのつながりは??

  • 道尾秀介さん初読
    こんなに何度もひっくり返るの!?

    どでかい一発が最高と思ったが、このジェットコースター感はすごい!
    スピードに付いていけず頭混乱しました(笑)
    他の作品も是非読みたい!!

  • 「見る」とか「聞く」行為は、その前後の刺激に影響を受け結果を変化させてしまう。

    前半部で語られる心理学用語「ラットマン」の説明。
    それは作者道尾秀介から読者への挑戦状でもあった。

    前半から幾重にも張られた伏線と二転三転する話の展開にグイグイと引き込まれていく。

    騙されまいとすればするほど、自分の思い込みが邪魔をする。
    なるほどと思った次の瞬間、また騙される。

    最終章で全てが明かされ、自分は何を読んでいたのかと思わずページを遡る。

    作者の挑戦に気持ちよく完敗。

    何年か後、忘れた頃に再挑戦したい。
    そしてまた、気持ちよく騙されたい。

  • 本格ではないが、限りになくそれに近いミステリ。

  • 感想
    様々に異なる姿を見せる騙し絵。複数の解釈を許す現実。作者は類似性を見抜き絵画的な筆致で表現する。錯視が浮かび上がらせる人間の知覚のあり方。

  • 始めは読後感の悪い小説かなと思いましたどね。

  • 「道尾秀介」の長篇ミステリ作品『ラットマン(RATMAN)』を読みました。

    『シャドウ』、『片眼の猿』、『ソロモンの犬』に続き「道尾秀介」作品です。

    -----story-------------
    結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト「姫川亮」は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。
    次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。
    事件の真相が判明したとき、「亮」が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。
    本当の仲間とは、家族とは、愛とは――。
    いまもっとも旬な作家「道尾秀介」が思いを込めた「傑作」、ついに文庫化。
    -----------------------

    タイトルに十二支が組み込まれている「十二支シリーズ」第三弾作品、、、

    相変わらず面白い… 本作品でも騙されましたが、面白く読めたので、気持ちよく受け入れることができましたね。


    物語は、アマチュアロックバンド「サンダウナー(Sundowner)」のメンバーである「姫川亮」、「竹内耕太」、「谷尾瑛士」、「小野木桂」の4人と、元メンバーで「桂」の姉「小野木ひかり」、音楽スタジオ「ストラト・ガイ」のオーナー「野際」を中心に展開、、、

    「ストラト・ガイ」の倉庫で大きなアンプの下敷きとなり死亡した「ひかり」… 23年前、自宅の2階から落下して死亡した「亮」の姉「塔子」… 二人の死に関する真相(事件か?事故か?)がシンクロしながら明らかになります。


    ちなみに「竹内耕太」は『シャドウ』に登場した女医「竹内」の弟で、二人の死を捜査する刑事「隈島」は『シャドウ』に登場した刑事の「隈島」の父親という設定です。


    読者にとっては、真相が二転三転、、、

    「ひかり」のお腹に宿った子どもの父親は誰?
    「亮」なのか?それとも他の誰かなのか、、、

    「ひかり」の死は事故ではなく事件?
    「桂」と関係をもった「亮」の犯行か?それとも、「桂」の犯行、、、

    「塔子」の死は事故ではなく事件?
    父親の犯行か?それとも母親の犯行、、、

    うまーくミスリードさせられる展開で、真相が判明したときには、本当に衝撃でしたね。


    「亮」の家族の秘めた過去や、「ひかり」と「桂」の姉妹の秘めた過去が明らかになることが真相判明にも関係しているのですが、それも、後で読み返すと巧くミスリードさせるような表現になっていました。

    うーーーーん、さすがですね。


    ラットマンって、同じネズミの絵でも先入観により見え方が変わるという効果のことらしいのですが、、、

    どちらもネズミにしか見えませんでしたねぇ… 無理やり見ようと思えば、おっさんに見えないこともないですが。

    ラットマンという名前に命名効果があって、既にネズミにしか見えなくなっちゃったのかな。


    広い意味でミステリ作品なんでしょうが、青春小説のような(主人公が30歳なのですが… )、恋愛小説のような雰囲気も併せ持った作品でしたね。


    「サンダウナー」が演奏する「エアロスミス」の曲、、、

    読んでいると聴きたくなりました。


    それから、活字なのに、視覚的に見せる(魅せる?)プロローグと終章の"シング・イン・ジ・エレベーター"(「竹内」の作品)、、、

    なかなか印象的でしたね。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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