初恋 (光文社古典新訳文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751029

作品紹介・あらすじ

16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 読後、私より先に読み終えた父から「カルピスみたいな味やと思ったやろう、どぶろくやで。」と名言を頂いた。

  • 自身の初めての恋を回想する40代の男。没落ロシア貴族の様子も興味深かった。解説も素晴らしい

  • 貴女に恋をした日のことを、僕はずっと忘れない。

    甘酸っぱい。まさに、初恋。宝塚で舞台するというから読んでみたけれど、なんというかもう恋するウラジーミルのトキメキがむずむずする。お父さんもかっこいいし。ジナイーダも、奔放で勝手ですが魅力的。

    過去を振り返っている、という設定がまた憎い。これが現在進行形の話だったら、若造め! となりそうだけど、主人公と一緒に振り返るから、若い頃の甘美な思い出として、あの若かった頃は、と共感できる。

  • 語り口が好きでした。主人公の心情がうんうん分かる分かると痛々しくも分かってしまう。ヒロインが小悪魔的な美女で想像が膨らむ。弄ばれたい衝動に駆られる。読んですぐに再読したくなる。そんな作品でした!

  • 高校生くらいで読みたかった一冊。
    没落貴族が出てくるお話ってなんで面白いんだろう。

  • 言い回しや表現がお洒落。
    恋をしたときの感情やそのとき見える景色をこんなにも明文化することができるのかという驚きもあった。
    なんとなく昔の恋が思い出されて共感できるような、しかしこれほどの恋は未だにしたことがないと少し羨んでしまうような不思議な感覚だった。
    一人の少年の恋の始まりから終わりまでを見届け、かつ一緒に体験しているようだった。

  • 「女の一生」を思い出すな。薄くてすらすら読めた。やはり、古い本を読むの大事だな。

  • んあ~結構好きだな~!
    言い回しとか表現が好みだったんだけど、それは訳者さんのおかげかな?
    初恋のエピソードとかは目新しいのではないし、特に惹かれるものはないけれど(雰囲気はとても好き)、最後の章が良かったなぁ。そう、改めて考えるとこれって年をとってから自分の初恋を振り返ってるんだけど、何で思い出して書いたんだろう...。まだ自分の初恋に終止符を打てていないのかなぁ。うーん、もうちょっと読み込みたい!し、ツルゲーネフの他の作品読んでみたいなぁ!

  •  ブクログのTLを見て、気になって読んだ本。ツルゲーネフは初めて。
     最初は初々しさとかジタバタする主人公にニヤニヤしたりもしたけれど、だんだんと話が進んでいくうちに「どうしてそうなっちゃったんだ!」て絶望すらしてしまった。
     ジナイーダは男たちを囲んで遊ばせて、まるで毒女だなとか正直思ったりしたけど、貧乏だけど曲がりなりにも貴族として生活がしたい、人をこき使うような令嬢になりたいと思ってああなったとしたら、拗らせすぎてるのかも……。まあ、あの母親なら、そんなふうに現実逃避もしたくなるのかな。
     後半あたりから父親かなとは思ってたけど、そうであってほしくなかったなー。従僕とか言っておいて、父親の代わりとして考えてたとこもあって、それに嫌気がさしたりしたんじゃないかなー。。。それでも、ウラジーミルとの甘い記憶はどうかそのままの気持ちであってほしい。

  • ネジ読書会の課題本でした。16の初恋の甘く切なすぎるときめき。40になった主人公の人に読ませるための日記の形で綴られる。ネタバレしないで読んだ方がいいと、言われていたにもかかわらず、あらすじをつい読んでしまった。

    初恋は、他のどの作品よりも作者自身に愛された幸福な小説であるという。彼の人生そのものであり身をもって体験したものだそう。

    語り手ウラジーミル・ペトローヴィチの父と初恋相手21歳の、公爵令嬢ジナイーダがとりたてて美化されている。
    人生は短くどうしようもなく人間は悲しく惨めで、美しいと思えた。 

    どういう立場であれ一瞬のときめきがあるから人は生きていけるのかも。

    後ろのほうで、青春の魅力について語り手が語ってるのがほんとにそうだなぁと共感した。

    以外引用。
    青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密はなんでもできるというところにあるのかもしれません。持てる力を他に使いようのないまま無駄つかいしてしまう。そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思いこみ、『あぁ、時間を無駄につぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!』と本気でかんがえる、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。

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著者プロフィール

ロシア中部オリョールに、地主貴族の息子として生まれる(1818-1883)。
『猟人日記』(1847-51)で農奴制を批判し投獄される。父子の世代対立や農奴解放などの社会的テーマ、および自伝を背景にした作品を多く残す。日本では二葉亭四迷によって翻訳・紹介され、大きな影響を与えた。代表作『余計者の日記』(1850)、『貴族の巣』(1859)、『父と子』(1862)など。

「2018年 『First Love はつ恋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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