カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751067

作品紹介・あらすじ

父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 私も「バー・スメルジャコフ」(旧 全日本『カラマーゾフの兄弟』読了クラブ)の会員目指します!と読み始めました。

    率直な感想、
    えこんなにおもしろいの?ぜんぜん読みやすいンですけど!?

    です。

    もっと早く着手すべきでした。
    思った以上にエンタメ性もありドラマチック。会話文が多くて読みにくく感じる人もいるようですが、私にはそれが逆に戯曲みたいでおもしろい。

    まだ1巻です、とりあえずカラマーゾフの男たちと、彼らを嫌う男、そして魅力的な女子らがいろーんなこと引っ掻き回して去っていきましたので…
    ここからどんな風に回収されていくのか、
    もう次が読みたくて仕方ない感じ。

    ・人に嫌われてなんぼと思っているような道化もの、好色無責任親父フョードル
    ・三男、この物語の主人公、天使アリョーシャ
    ・長男、親父そっくりなんですけど?犬猿の仲 放蕩息子ドミートリー
    ・ほんとにフョードルの息子なの?インテリ無神論者の二男イワン
    ・好きですゾシマ長老
    ・美しき婚約者カテリーナ
    ・カラマーゾフ家の男たちにちょっかいかけまくるヴィッチ、グルージェニカ
    ・そして我らが…
    「いっさいの恩を感じることなく、世の中を隅っこからうかがうような人嫌いの少年に成長した」←スメルジャコフ

    なんて鮮やかなキャラクターたち。

    第2編の 場違いな会合
    はとにかく最高におもしろかった。
    アリョーシャが尊敬するゾシマ長老の祝福を求めてやってくる人々に、次々と美しい神の言葉をかけて祝福する長老の言葉は真理。
    民衆たちの哀しみを見事に解いていく姿に感動すら覚えました。
    しかし、この後カラマーゾフ家の無神論者たちの醜態に謎の行動をとり…

    アリョーシャに伝える長老の言葉にも感動。
    「さあ、いきなさい、急いで。兄さんたちのそばにいてあげるのだよ。でも、一人のそばでなく、二人のそばにだよ」

    一部始終をとこからか聞いてきた神学生ラキーチンがやって来て、カラマーゾフ家にケチを付ける。なぜかしらこの男は二男イワンを嫌っている。
    で、このセリフ吹いた↓↓↓
    「どうしてきみはそうもウブなんだ?きみだってカラマーゾフだろう?きみらの一家って、女好きが炎症起こすぐらい深刻だっていうのにさ」
    こいつがとにかくイライラさせるのよー。なんなの?

    こんな具合に、
    彼らはそれぞれの生き方の光と影、信仰と現実との狭間からそれぞれの哲学をぶつけあい傷つけあって、またそれを誰かが(主にアリョーシャが)優しさで補って行く…その繰り返しみたい。

    私の推しは今のところ天使アリョーシャと下男のスメルジャコフ。
    スメルジャコフ・コーヒー飲んでみたい

    後半は女たちが絡んできて、アリョーシャちゃんにもラブの兆し…
    この一家ここからどうなるの?
    アリョーシャがんばれ
    スメルジャコフは、誰の味方なのー?

  • 自分にはまだ早いと感じた。いつかまた読み直してみたい。

  • アリョーシャの純粋な心に、一発で心を奪われました。
    今後の展開が楽しみです。

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90182256

    (推薦者:行政政策学類 久我 和巳先生)

  • 訳者によっては読みにくいらしい。
    こちらは読みやすい、と、思う。

  • 新訳だからか思ったより読みやすかった。アリョーシャが今時の男の子っぽく、フョードルが昭和の飲んだくれ親父のように思えた。
    この先何が起こるのかワクワクする展開ですね

  • 亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟」を長い間積ん読してきたが、遂に全5巻一気に読み終わった。
    詳細を読み込むと到底一回読むだけでは理解できない膨大で難解な小説。とは言え、大まかなあらすじを追った読み方でも十分に楽しめる。完璧に読み込むととても骨が折れると思う。各巻の巻末に「読書ガイド」が付いていてあらすじをさらってくれるのと、最終巻5巻の、「ドストエフスキーの生涯」「解題」を読むと、より深く内容を理解できる。特に「解題」は良い。
    各巻のしおりに主要登場人事物名が書かれているので便利である。登場人物の名前がよく置き換わるので、このしおりで確認しながら読むと読みやすい。
    世界十大小説の一つとも世界最高の小説とも言われている。作家・村上春樹は「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ」と言い、評論家・小林秀雄は「およそ続編というものが全く考えられぬほど完璧な作品」と言う。また「論理哲学論考」の著者ヴィトゲンシュタインはカラマーゾフの兄弟を50回読んだと言われている。

    大まかなあらすじを述べる時、題名のカラマーゾフの三兄弟と父親が主要登場人物として挙げられる。まず初めに、三男アレクセイとゾシマ僧長のキリスト教的聖性とは何かということを感じながら、二人がいる修道院を舞台の中心にして話が進む。次に大審問官の場面。最後に三兄弟の父フョードル・カラマーゾフの殺害を巡るミステリー部分。大まかに言って山場はこの三つ。

    ストーリーを肉付けしている哲学的・思想的な部分はわかりづらい部分が多く、難解である。知識不足や読解力不足だけではなく、わかりようもないからわからないという感じで先へ先へと読み進めるしかないという部分も多い。多分カラマーゾフの兄弟を途中で挫折してしまうのは、このわかりようもない記述をわかろうとしてしまうことによって止まってしまうことによって起こると思う。わからないところをどんどん読み進めると、後になってわかることもあるということに加えて、残念ながらわからないままのところもある、といった諦めをもって読み進めたいところである。そしてより深く読み解きたい場合は、読み込むしかないだろう。

  • ガヤガヤしている。火鍋が煮えたぎるように、物語の舞台の上で誰かと誰かが喋りまくっている… そんな物語。という初読の印象。

    フョードル:
    愛より倫理より、オモロイことが何より大事。どうやったら1番オモロイか?が最優先、の芸人魂。
    金欲も性欲も何もかも肯定する、欲望に素直なMr.クズ人間。最高に面白いけれど、絶対に近くにいて欲しくない、こんな人。
    オモロイことを嗅ぎつけるために、意外と(?)人の話はよく聴いている。

    ドミートリー:
    わかりやすい裏表のない人?女にだらしなくて、ちょっと飲み過ぎ。1人でしゃべってる。人の話を聞いていない。
    父親のことが大嫌いだけど、1番父親に似てしまってるのがドミートリー。

    イワン:
    無神論者で、賢くて、皮肉屋のイワン。
    彼は恋をすると変わるのかしら… なんとなく応援している。彼の今後に期待。

    アリョーシャ:
    今のところ、この物語の中で、唯一「善良」に見える人。エロいお姉さんとか病弱の少女など、彼の周りには誘惑がいっぱい… 尊敬するゾシマ長老も瀕死の状態だし、彼はずっとキレイなままでいられるのだろうか…。
    この物語の主人公はアリョーシャということだし、次の展開から目が離せない。

    スメルジャコフ:
    とても気になる人物。彼の父親は誰?
    聖母マリアが天からキリストを授かったように、神がかりのリザヴェータは大地からスメルジャコフを授かったのだろうか。

    ◯当時のロシアに思いを馳せる
    広い広いロシア… その土地の大部分が肥沃とは言えないロシア。まだ今のようにウクライナの戦争が始まっていない頃、ヨーロッパに向かう飛行機の眼下にどこまでも広がるロシアの大地のことを思った。
    貴族、領主、農奴という身分の格差や、ヨーロッパから入ってきたキリスト教と自国の文化のチグハグなど、この物語の核になっているような気がする。

    冒頭でフョードルが謎の死を遂げると書いてあるが、第1巻ではまだ死なない。どうなる第2巻、楽しみ。

  • 40年ぶりの再挑戦。面白く読めているのは自分の成長と思いたい。父親フョードルの異常な道化ぶりが魅力的。教会対国会の優位論争は難解。登場人物付きのしおりは挫折ポイントを乗り越える強力な武器。次巻も楽しみ

  • 想像力が必要で疲れるが面白い

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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