カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751173

作品紹介・あらすじ

ゾシマの言葉にしたがって、アリョーシャは父の家に出かける。父と長男ミーチャとの確執は、激しさを増していくようだ。イリューシャとの出会い、スネギリョフ大尉の家で目にしたものなど、アリョーシャの心はさまざまに揺れ動き、イワンの「大審問官」で究極の衝撃を受ける。

感想・レビュー・書評

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  • ゾシマ長老がいよいよ最後の懺悔をし、聖体を受けたいと言う朝から始まる。

    アリョーシャはゾシマ長老から修道院を出るように言われているけれど、何故なのかというのがこの朝のパーイーシー神父からの言葉に現れていた。

    神父がアリョーシャにかけた言葉「さあ、お行きなさい、みなし児よ」って今思うと含みあるなぁ。

    小学生たちの喧嘩騒ぎに巻き込まれるアリョーシャは、カラマーゾフ家に恨みのある少年に指を噛まれる。こういう少年たちとアリョーシャのやりとりがYA文学っぽさがあって好き。

    リーズちゃんとアリョーシャの恋もしかり。リーズのめんどくさい女心がとぉっても可愛く?いやエキセントリックに描かれててたまりません。
    それに比べてその後のカテリーナの執着心といったら…ドストエフスキー様の女性の描写力にただただおののきます。

    2巻はこの後のイワンによる叙情詩、『大審問官』に悩まされる。。これは、教養あるイワンによる、無神論思想の言い訳的物語ですかね、それとも天使アリョーシャへのあてつけ?
    正直読んだだけで、まったく理解出来てませんのでいつか解説書的なものと共にもう一度読みたい。

    あとは、我が推しスメルジャコフちゃんのあのセリフ「つまり、賢い人とはちょっと話すだけでも面白い…最高❤︎

    そして、ゾシマ長老は大地に口づけて、神に魂をあずけました。。

  • 難しい。「大審問官」に至るまで随分と時間がかかってしまった。
    でも、「大審問官」を読んだときには、自分の内側にあった問に対する答えのヒントがありそうで、とても惹きつけられた。

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90182256

    (推薦者:行政政策学類 久我 和巳先生)

  • イワンがよく喋る。
    大審問官。

  • 2巻に無事突入。1巻を読了したときは「面白く読めているのは自分の成長と思いたい」と書きましたが、大それた考えでした。2巻には有名な「大審問官」の叙事詩が挿入され、なかなか手強い巻です。

    2巻の読みどころは

    ○禁欲の行者として知られ、ゾシマ長老と敵対するフェラポント神父の登場
    ○極貧の元軍人、スネギリョフ二等大尉と誇り高い息子、イリューシャとの出会い
    ○イワンがアリョーシャに聞かせる自作の叙事詩「大審問官」と、聞かせた後の2人の会話
    ○ゾシマ長老の生涯の記述と臨終前の説話

    2巻を単なる物語として読んだ場合、ゾシマ長老の決闘の顛末もあり、娯楽性に富んでいます。しかし、本巻では「大審問官」が最大の読みどころであり、読者にとっても最大級の挫折ポイントと思います。

    時は16世紀のスペイン。「大審問官」とはキリスト教における異端審問を担当し、異端と判断した者を次々と火炙りに送っていた者。叙事詩に登場する大審問官は90歳の老人。彼の前にキリストが現れて、子供の命を蘇らせるという奇跡を見せます。ところが、大審問官はキリストを異端者として牢に繋ぎます。そして読みどころへ大審問官がキリストに対して行う説教です。
    その内容は、
    自由がもたらす苦悩
    人々が求めるのは、奇跡と神秘と権威であり、この3つで人々を支配する教皇の正当性

    ポイントは叙事詩を作ったイワンは無神論者であり、この叙事詩を聞いて混乱状態に陥るアリョーシャは純粋な信仰者であること。叙事詩はキリストの大審問官への接吻で終わりますが、聞き終えたアリョーシャもイワンに接吻します。
    2巻巻末の「読書ガイド」に大審問官を読むための基礎知識が書かれています。大変、親切なガイドと思いますが、これを読んでも「大審問官」の章は理解できたとは思えません。全5巻を読んだ後にゾシマ長老の臨終間際の説話と合わせ再読するつもりです。

    非常に奥が深い「カラマーゾフの兄弟」。次の展開が楽しみです。

  • 2巻は哲学的なテーマについて語られることが多く、とても重厚な内容でした。引き続き3巻以降も読む!

  • イワンの物語詩「大審問官」とアリョーシャの「ゾシマ長老の談話と説教」が対を成し、神は存在するのかしないのか大きな命題を突きつけられたような壮大な第2巻。
    壮大な宗教の経典を読んでるような重苦しさもあったが、巻末の読者ガイドが親切で理解も深まった。

    「自分の苦しみは他人にはわからない」「人間誰しも全ての人に対して罪がある」など突き詰めて考えればそういうことだなと双方納得させられるものがあった。
    ゾシマ長老の少年時代の逸話がなんとも微笑ましい。さてここから物語はどう展開してゆくのか?

  • 想像力が必要で疲れるが面白い

  • 人々は心義しき人間の堕落と恥辱を好む

  • ヒットワード連発の巻でした!
    「いかがなもんです、いかがなもんです!」
    “さくらんぼのジャム”
    「一粒の・・・」
    後はゾシマさんの話が染み入ります。

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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