秘密の花園 (光文社古典新訳文庫 Aハ 1-1)

  • 光文社
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感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751289

作品紹介・あらすじ

インドで両親を亡くしたメアリは、英国ヨークシャーの大きな屋敷に住む叔父に引きとられ、そこで病弱な従兄弟のコリン、動物と話ができるディコンに出会う。3人は長いあいだ誰も足を踏み入れたことのなかった「秘密の庭」を見つけ、その再生に熱中していくのだった。

感想・レビュー・書評

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  • よい魔法とはみんなが使える魔法なのだ
    誰も彼も、大人も子どもも、老人も、キツネもカラスもこまどりも、子羊だってリスだってポニーだって使えるのだ
    そうだ自分も今日からよい魔法を唱えよう

    土屋京子さんの『秘密の花園』である
    え?原作はバーネット?フランシス・イライザ・ホジソン・バーネット?

    わーっとるわ!
    分かってて言うとるんだわ!

    それほど土屋京子さんの新訳がすんばらしかったんだわ!『秘密の花園』史上最高の日本語訳だわ!
    他の訳一切読んだことないけど言い切れます

    とっても分かりやすいのはもちろんだけど、ご自身があとがきで仰ってるんですが、まず土屋京子さん、この『秘密の花園』を児童文学ではなく大人向けのものとして向き合ったみたいなんですね
    それがまず大成功だったんじゃないかと思うんです

    そしてこの物語の重要な要素であるヨークシャー訛りの和訳もすごかった
    ヨークシャーってのはイングランドの北部地方なんだけどけっこう訛りのきつい方言らしいのね
    これがまぁ英語なんてちーとも分からんのにヨークシャー訛りにしか思えんのよね
    ヨークシャー訛りを和訳したらこうなるだろうなとしか思えないほど自然

    そして3人の子どもたちがまあ生き生きとしてるのよ
    花園の描写も素晴らしい
    まさに魔法使いですよ、土屋京子さん

    もしこれから『秘密の花園』を読もうとしてる方は絶対土屋京子さん訳で!というのはもちろんですが、過去に『秘密の花園』を読んだことある人も土屋京子さん訳で読み直してほしい!

    そのくらい素晴らしかった
    もちろん内容も(今さら)

    • 1Q84O1さん
      よい魔法…( ゚д゚)ハッ!
      ひまわりめろんパルプンテを唱えた
      しかし何もおこらなかった
      よい魔法…( ゚д゚)ハッ!
      ひまわりめろんパルプンテを唱えた
      しかし何もおこらなかった
      2024/03/22
    • ひまわりめろんさん
      誰がパルプンテ人生真っ只中やねん!( ゚д゚ )クワッ!!
      誰がパルプンテ人生真っ只中やねん!( ゚д゚ )クワッ!!
      2024/03/22
    • 1Q84O1さん
      ひまわりめろんは懲りずに再びパルプンテを唱えた
      パルプンテ…
      パルプンテ…
      パルプンテ…
      やまびこととなり虚しく響きわたった…
      ひまわりめろんは懲りずに再びパルプンテを唱えた
      パルプンテ…
      パルプンテ…
      パルプンテ…
      やまびこととなり虚しく響きわたった…
      2024/03/22
  • バーネットの描く再生の物語。
    小公女セーラのような、すでに完璧な少女の話ではなく、満たされない少女と少年が、ボーイミーツガールの型でもなく、自然の力によって芽吹き育つ話なので爽やかさが勝る。
    バーネットの、大いなる善きものと生命を愛しむ眼が感じられて良かった。

  • 文章が上手い。とても読みやすい。
    小学生でも読めるんじゃないかな

    人間、特に子供たちの生きようとする力や植物や動物を大事に思う気持ちに泣いてしまう。
    私の幼少期には秘密の花園的な経験はないはずなのに、読み進めていくうちに、心の中に秘密の花園が浮かんできて一緒に蘇らせている自分がいた。

  • 子供たちが花園と共に変化していく、成長していく様が面白かった。話がシンプルに面白い

  • 児童文学とは「児童のための文学」というだけではなく、「児童だった人のための文学」なのだと思います。

    メアリ、ディコン、コリンの3人の子どもたちがとにかくキラキラと輝き続け心の底から愛おしい。子どもたちの成長を見守る物語ではなく、子どもたちから大切なことを教えてもらう(思い出させてもらう)ような物語でした。

  • 子どもの頃から大好きだった本です。全訳を読んだのは大人になってからですが、やっぱり感動します。イギリスの地理や食生活、インド植民地など、知識が増えるとさらに楽しめる名作です。
    クレイヴン氏が旅先で亡き夫人に「花園にいるわ」と呼びかけられるシーンが今でも好き!

  • 小学生の時に1回読んだが忘れてしまい、再読。自然とふれあいながら成長していく物語。

  • 児童向けと分類されており、小公女、小公子と並ぶバーネットの作品と言われている本書。とても単純な筋でありながらも結構なページ数を備えた本書はその丁寧な登場人物達の心の洞察や出来事の表現力や自然への洞察力によるもの。サスペンスなどとは違い、読み手にはその後の展開が明らかに見通せているが、読み手の愉しみは如何にその展開が素敵に提示されるかであって、その点においては読み手の期待以上のものとなっているのでは思う。特に最終章では
    目線が主人公の一人、コリンの父親目線に切り替え、その父親もその後迎える結末について予感めいたことを考えている様子て、この章に至るまで散々説明されている「魔法」の作用について、この奇蹟を読者に納得させることに成功している。
    大人に翻弄された子供が卑屈に育ってしまうこと、環境の変化と運命の人との出会いの化学反応により正しい人の有り様に気がつくところにこの話の大筋の醍醐味があるが、子供達の劇的な変化に大人達が驚愕する様も本書の大事な要素。タイトルの「秘密」は秘密の花園とコリンの父親への秘密の掛け合わせであることは言うまでもないが、後半でやたら使われる「魔法」とは超常現象ではなく自己が未来に向けての希望を唱える呪文により実現するものだと感じさせてくれる。
    巻末の解説も深い考察で読み応えがあります。
    類似の古典作品をもっと読みたくなりました。

  • 描写が美しい。それぞれが成長していく物語

  • 三省堂の著名人フェアにて、ノラネコ軍団の作者の工藤ノリコさんが、心のバイブルとまで評して紹介しているポップをみて、気になり買ってみました。

    素晴らしい作品でした!過去読んだ本の中でも指折りの傑作だと思いました。偏屈だったメアリやコリンが、秘密の花園を通して交流を深め成長していく様は、なんだか心が温まり、これが教育ということなんだろうなぁと思わされました。ヨーロッパコマドリが頻繁に出てくるのも、イギリスを感じさせます。
    メアリやコリンが過ごしたヨークシャーのお屋敷やムーアを見てみたくなりました。とにかく素晴らしい

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著者プロフィール

フランシス・イライザ・ホジソン・バーネットは、1849年イギリス・マンチェスターに生まれたが、幼い頃父を亡くし、16歳で一家とともにアメリカへ渡る。1873年、医師のスワン・バーネットと結婚、二人の男児をもうける。1886年『小公子』を発表し大ベストセラーに。1905年『小公女』、1911年『秘密の花園』を発表し、世界的な児童文学作家としての地位を不動のものにした。ニューヨーク州で余生を送り、1924年同地にて死去。

「2021年 『小公女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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