- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752538
感想・レビュー・書評
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失脚、巫女の死は登場人物の多さで窒息する。
トンネル、故障は分かりやすく、楽しめる。
中でも故障は名作。知的で愉快で残酷。特に自分の人生に気づき、完成させるまでは滅多にない盛り上がり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書・文庫 943.7||デユ
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「トンネル」「故障」は既読(ただし、「故障」は結末が違うバージョンだった)。某国を彷彿とさせる「失脚」と、オイディプス王の物語を二転三転するミステリーのように描いた「巫女の死」はどちらも、登場人物たちが己の窮地を何とかしようとしながら、「どうしてこうなった」と頭を抱えて呻く声が文面から聞こえてきそうな展開で、まさに「笑うに笑えない皮肉な結末」といった印象。四作いずれも何かしら危ういにおいを感じる魅力的な話だが、「失脚」と「巫女の死」は、最初は登場人物についてメモを取りながら読んだほうが、後々混乱が少なくてすむと思う。
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こっちも、買ってしまったよ。
(2012年9月27日)
ちょっとだけ、読み始めています。
(2014年10月26日)
「故障」は、巨匠のワザです。
「巫女の死」ともども、21世紀の重要なテーマです。
(2014年11月3日) -
スイスの作家デュレンマットの短編集。どれも特異なシチュエーションが人間心理を照射し、物語を動かして行く。悲劇的だが、圧倒的に面白い。
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今まで全く知らなかったスイスの小説家、デュレンマット、劇作家なのでどれも映像にしたくなるような視覚に訴える作品。「失脚」はしおりを見ながらパズル感覚で読めるのが楽しい。古典新訳文庫の良さが改めて認識できた。