- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334766085
感想・レビュー・書評
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いつまでたっても現状を打破できない困った男女たちの生きるさまを描いた連作短編小説。
地下鉄駅構内で起こった通り魔事件が起点になり、各々が生き方を変えそうで変えない。その焦れったさとモヤモヤ感が朝倉節。これが読んでいる自分自身の姿なんだよなあ。
各編の終わりの一言が、次編の始まりになるという面白さ。そして、最後は「声出していこう」っていうポジティブさ。これだから朝倉かすみは癖になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
札幌のとある地下鉄駅を利用する人々の、「自分の人生、こんなはずじゃない(なかった)」を集めた連作短編集。
凡庸を拒絶しつつも、正直自分って普通の人かも、現状を打破するのめんどくさいなー、と思う登場人物たち。
妙に生々しい、ちょっとだけ胸が痛い。
私はどうやら札幌や北海道を舞台にした作品を好む傾向があるようです。
朝倉さん作品だと「田村はまだか」、そしてやっぱり大崎さん。
自然、素朴、困難、栄華、繁栄、凋落、不変、普遍。
この辺は確実に大崎さん作品の影響でしょう、あとはどうでしょう。
こんなイメージで括られてしまっては現地の方々は心外かもしれません。
私も出身地の土地柄、対応が面倒な心配をされがちです。
まぁ私も凡庸で俗っぽい人間です。 -
面白かったですが、少々苦いです。
シクシクはほんとかわいくて良かった~
就中、は、なんかそういうことはあるよね、と思いました。
耳がいたいっす。
私も鶴巻コンビみたいな人とお話ししてみたい…そして痛いとこ突かれたい… -
うーん。
一つの事件を通じて人々の生活の機微をあぶり出す…ような内容なんだろうかとは勝手に思ったているのですが、なんともモヤっとしているというか、着地点が見えなかったというか、釈然としないまま読み終わった感じ。
登場人物の会話がなぜだかテンポ悪く感じられてしまったのも、のれなかった一因かと思いました。個人的に。