刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫 た 4-46)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766443

感想・レビュー・書評

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  • マジでやられたミステリ リスト作品

    いにしえの単行本を持っていたけど通読する前にやむなく処分してしまった悲しい記憶があるタイトル
    内容についての記憶は全くない
    「イレズミ」じゃなくて「シセイ」

    高木彬光作品は「破戒-」「人形-」に次いで3作目
    読もう読もうと思っているうちに積読が角川版、扶桑社版、光文社版、の3冊になる

    読みやすそうな光文社をチョイス

    〜ざっくりあらすじ〜
    刺青を剥ぎ取られた死体が!同様に2人目の犠牲者が!

    〜感想〜
    二十章の構成
    まず第一章から、読んでいて快感を覚えるほどの文章力
    刺青への興味がそそられる

    気づいてしまったが、作中に!は出てくるけど?は無い
    筆者のこだわりか時代的なものか分からないが
    会話文か地の文かを問わず、ときどき読解力を求められる
    ?で終わる文章に慣れきっているんだなと痛感

    十四章のラストで
    「読者への挑戦」きたー!
    犯人と最初の事件の遺体が誰なのかはおぼろげに分かったけど詳細はよ

    そして十五章で神津恭介が本作初登場という完璧な流れ
    ぶっちゃけこの人忘れてました
    研三が探偵役になりそうだったし

    犯人と対峙する場面からの解決語り編
    良いです
    ラストシーンも趣きがあってお洒落感も良い

    解説で高木彬光デビュー作だと思い出す
    天才かよ

    評価点4.5点 辛めで四つ星かな

  • 3.7

  • 明智小五郎、金田一耕助と並ぶ日本三大探偵の一角、神津恭介が初登場する推理小説。

    他の二人と比べて全く知名度が高くない理由はなんとなくわかる。小さい頃から秀才で東大出身、身なりもきちんとしていて推理も論理的、いわゆる正統派すぎる探偵。

    ただ、推理物としては非常に面白かった。密室が物理的また心理的にもトリックになっていて、まさに古き良き本格ミステリー。

  • 背中に刺青がある双子と言う事でほぼ想定通りだったかな。でも、細かい部分のトリック(特に密室)は分からなかったです。逆に外部で殺害して分割して狭い窓から中に入れたパターンかと思った。

    最初、珠枝の写真を加工したかと思ったがそもそも珠枝(の脚)には刺青が無かったのね。そう言って珠枝の描写に戻って読み返すと確かに、際どいけど脚に刺青があるとまでは書いてありませんでした。

    また、絹枝な死を想定させる描写(冒頭)や銭湯のシーンも微妙にぼかして書いてありますね。

    文章は古典なのに読みやすかったです。ただ、技術が当時のものなのでリアリティラインの線引は難しいかもしれません。

  • 面白かった。久しぶりの四つ星。
    神津恭介登場。後半はテンポ良く一気読み。

  • 怪奇ものの抗いがたい危うい魅力を纏いながらも、新しい時代に向かう論理的展開を中心に据えた作品。
    密室が解けることにより、犯行現場を誤認させるという心理的トリックが見事。
    ほかにも見せつけるようで隠し、隠しているようで見せつけるといった表裏一体の仕掛けを乾板の陰画と陽画に重ね合わせた暗示も素晴らしい。

    犯罪の遺伝的側面やファイロ・ヴァンス風の心理的分析により容疑者を排除していく手法など現在の本格では好まれない部分もあるがかえって本書に時代めいた怪しさを付与するスパイスになっている。

  • 思ったより読みやすい。
    第1の事件の死体トリックが鮮やか。そして神津恭介がカッコイイ。

  • 女の背中に蠢く大蛇の刺青。元軍医の松下は誘われるまま彼女の家に行き、鍵の閉まった浴室で胴体のない女の死体を目撃する。この謎に対峙するのは名探偵・神津恭介。

    ミステリーのマストリード本なんかで必ず名前があがっているので、とうとう読みました。
    話の合間に読者に「大変な事が起こっているのですよ……っ!」と言ってくる感じ、乱歩さんぽい(偏見)。犯人はわかりやすい気がしましたが、トリックはわからず。

    戦後間もない日本の雰囲気を感じられ、雰囲気が良かったです。文章はそんなに古めかしく感じなかった。
    肝心の名探偵・神津がなかなか登場しないな。などと思っていたら、現れ、強引なところも感じるものの見事に犯人を断定していき、そんなところも含めて楽しみました。

  • 神津恭介の初めての事件。

    密室、刺青、持ち去られた胴体、と
    ミステリー好きには堪らない要素が
    たくさんありました。

    これからこのシリーズも読んでいきたい。

  • 3+

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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