雪の鉄樹 (光文社文庫 と 22-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772734

感想・レビュー・書評

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  • 贖罪、愛憎、光。

    13年前に何があったのか?
    なぜ主人公はそこまでしなければいけなかったのか?
    気になって一気読み。

    自己満足の押し付けの償いであれ、
    遼平がその中でもちゃんと愛を感じ取ることが出来たのなら間違っていなかったんだろう。

    やるせないし、もどかしく思うけど最後まで読み切れて良かった。

  • 俺は完璧な乳房を想像した。この女は全身が乳房だ。なめらかで、まろやかな乳房そのものだ。きっと中には甘い乳が満ちている。

    どんなやねん。。。ちょっとついていけなかった。

  • それぞれの立場での苦しみや葛藤が描かれていて、徐々に明かされていく過去を知るたびに胸が締め付けられる。

    自分から見えるもの全てが正しいわけではなくて、むしろ相手の全てを共有することができないからこそ、理解しようとしなければ関係は拗れたまま。
    雅雪と俊夫、俊夫と親方、舞子と郁也、過去の孤独や辛さが絡み合って起きてしまった事件で、誰が悪いともいえずやりきれなさもあり悲しい。

    そんな事件の末に償いとして関わるようになった遼平との日々は、舞子が気づいてくれた雅雪の幼い頃の孤独をやり直すようで心温まる。雅雪の立場を知った遼平が、騙されたと感じ自分の気持ちを整理できず雅雪と向き合えなくなるのは当然だし葛藤する様子も凄く苦しい。それでも二人がまた向き合えるようになって本当によかった…

    ラストに多くを語らずとも舞子と再開しご飯を食べれたところも、本当によかった、ここからまた生きてほしいと強く願えた結末だった。

  • 主人公が善人通り過ぎてイライラ、歯がゆい。
    イライラさせられながらも没入したというこは、面白かったということでしょうか。

  • 圧倒的な孤独。こんな描き方があったのか。
    結末が全くわからない段階でもう喉がヒクつくくらい胸が締め付けられる。家だったら絶対泣いてた(病院待合室で読んでた)
    どうか神様、と願うように最後まで読んだ。
    はじめの方は何があったかも語られず、ちょっとイライラしたがちょっと我慢して良かった。傑作だった。

    ドライブインまほろばでこの作者ただものではない!と勝手に目をつけてたのが間違いでなかったと証明された気分

  • 全体を通してかなり重い雰囲気の物語でしたが、最後は希望の見える終わり方で少し救われました。親にきちんと愛されることの大切さ、罪を償うとはどういうことかを教えられた気がします。個人的には、原田さんの優しさが胸に沁みました。雅雪の想いが遼平に伝わって良かったなと思います。

  • たらしの家系って…
    どんな家系やねん!
    多少、羨ましくもないではないけど^^;
    努力せんと、家系だけでモテるのなら!笑

    主人公の周り、ココロが壊れてる人ばっかり…自身も含めて。
    おじいちゃんなんか、情が分からんって、サイコパスか?
    ある殺人事件(無理心中)が原因で、自身を含め、周りの皆んな崩れていく…

    しかし、凄い空回りというか、12年もの償いは、何やったんやろ…
    自身が起こしたというより、自身も傷を負った1人とも言えるのに。
    自己解釈やけど、償いやないんやろうな。自分の居場所というか、そういうのを求めてやってた気がする。

    事件とか起こす前に防ぐとしたら、あのおじいちゃんを覚醒させんとあかんのやろな。この人が、トリガーになって色んな人の人生が台無しやもん。
    寺で修行するとかして治らんのかな。本人はする気ないけど、周りが何とかしてやらせるしかないんやろうけど…

    光が見えたような終わり方で少し安心やけど、これを起こしたのは、凄い空回りのお陰かも?
    そういう意味やと理由はともあれ、やった事は正解やったんかな。

    自分がこんな環境で育ったら、どうなってるか…


    …キツい…_| ̄|○

    • みんみんさん
      これって途中まで何でこんなに耐え忍んでるの?
      って話だよね?フンが〜って(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      これって途中まで何でこんなに耐え忍んでるの?
      って話だよね?フンが〜って(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      2024/01/05
    • ultraman719さん
      みんみんさん

      そうです。
      雅雪が、被害を受けた家族に対して、12年もの歳月を耐え忍んでますね。
      何か、空回りしてそうな感じです。
      何か、ず...
      みんみんさん

      そうです。
      雅雪が、被害を受けた家族に対して、12年もの歳月を耐え忍んでますね。
      何か、空回りしてそうな感じです。
      何か、ずっと頭下げて、おばあちゃんが「よし!」って言われるまで、頭上げないとか…

      2024/01/05
    • 1Q84O1さん
      キャラ立ち&設定が凄い!
      要チェックとφ(..)
      キャラ立ち&設定が凄い!
      要チェックとφ(..)
      2024/01/05
  • 過去をなかなか明かさない物語の展開に歯がゆさは感じるものの、ちょっと思い付かないプロットが素晴らしい植木屋の恋!

  • 何とも苦しい。罪の償いというのには何とも哀しい。母の顔も知らず父にも祖父にも関心を持たれず生きてきた青年。両親のいない少年とその祖母に献身を尽くす贖罪の日々。なぜこんなにも自分を犠牲にするのか?13年前の出来事とは?重苦しいのにグイグイ引きつけられて一気読みでした。愛を知らない青年に再生の光が差し込んできたことが良かった。

  • 『緑陰深きところ』が良かったので他の作品を読んでみたくなった。
    読み始めて、『緑陰深きところ』と構成が同じでがっかりして、テンプレかと思った。
    でも読み始めたからには読み切ろうと思い直してページを捲る。すると、1/3くらいから面白くなって、結果的に一気読みしてしまった。

    内容はかなり突飛というか、なかなか居ない立場の登場人物ばかりに思えたけど、殺人事件や事故や自殺は頻繁に起こるのだから、私の周りで起こっていないだけで世の中には作品の中のようなことが多々起こっているのかもしれない。悲しいことだけど。

    認めることと頼ることはとても大事だと改めて思う。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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