踊る猫 (光文社文庫 お 51-1 光文社時代小説文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774295

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  • 踊る猫 折口真喜子 | 光文社文庫 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334774295

  • 江戸時代の俳人にして絵師の与謝蕪村。
    蕪村の見聞きした摩訶不思議の出来事を綴った幻想奇譚。

    蕪村の怪異に対する目線がとても柔らかいから、どれも優しく温かな気持ちになれる。
    切なく泣けるものも多かったけど、読後は爽やかで清々しい。
    不思議を不思議と真っ正面から受け入れて愛おしむ。
    蕪村の案内で素敵な時間を過ごせた。
    続編の『恋する狐』も是非読みたい。

  • 句や詩を創る旅の途中やら京に戻った後やら与謝蕪村が見聞きした不思議な物語の連続短編集。
    面白かった。
    河童、雪女、月の兎にウブメ。妖達のお話なれど人情味が溢れていてあたたかな雰囲気が漂う歴史ファンタジー。自然の描写も美しく、最後の梅と鶯はなんとも切ないなかにも梅香り立つ艶やかさはお見事でした。
    あの句の背景にこんな事があったのかなどと蕪村に詳しかったらもっと楽しめただろうに無知が故に損をしているのかもしれない。それでも小難しい事は全然なくゆっくりじっくり楽しめた。
    きっとこの先何度となく読み返すであろう一冊に出逢えた喜びは大きい。

  • 画家で俳人の与謝蕪村が見聞きした“奇譚”九話と、著者のデビュー作である独立短編一話が収録されています(計十話)。

    「日本昔ばなし」が大好きだった私には、本書のような妖かしだったり、現世と異界との狭間が感じられる話はどれも好物なので素直に楽しめました。
    中には第五話「雪」のような切ない話もありましたが、蕪村さんの柔らかで優しい物腰もあってか、全体的に温かな雰囲気です。
    第七話「鳶と烏」には、妖怪は出てこないのですが、偏屈な遣り手婆の心を開いていく蕪村さんは、さながらカウンセラーのようで、爽やかな読後感のお話でした。
    独立短編の第十話「梅と鶯」は、切ない幽霊の話なのですが、哀しい中にも優しさや美しさが感じられて、こちらも好きでした。
    本書の続編「恋する狐」も一緒に借りたので、これから読むのが楽しみです。

  • 優しく美しく描かれる、ちょいと奇妙な江戸のお話

  • 与謝蕪村が主人公の連作短編集の第一弾。
    円山応挙も出てくる(ネタバレ)。でも、私がイメージしてた応挙と違った。
    応挙と蕪村の競作した絵、がぜん見てみたくなった。
    テーマはあやかしの話なので、河童のかわたろとか、雪女とかでてくるけど、短編ごとに
    趣向を変えてあってすごい。
    鉦叩きの話に出てくる、親に虐待されてる子が不憫でならない。小説の中のことなのに、
    まわりの人たちに気に掛けてもらって、なんとか無事に生き延びてほしい、優しい子のままでいてほしいと願わずにいられない。

  • 読み終わったら何となく日本の田舎に行きたくなります。あと、俳句を詠みたくなります。

  • 与謝蕪村を狂言回しに据えた9つの短編とデビュー作が収録されており、そのうち3回ほど泣かされました。たまにはスマホ弄りの手をちょいと休めて、江戸時代の幻想奇譚に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

  • PHP文芸文庫から出ている「あやかし」アンソロジーで知った作家さん。あやかしや不思議なお話主体の短編集なのに全編が綺麗な文章から紡ぎ出されるお話の世界がやさしく、あたたかな読後感。
    読み始めは若干のスローテンポにすぐ入りこめなかったけれど入っちゃばもう、やわらかなソファーに身体を預ける感。会話部分が関西弁なこともやさしさの一因なのかも。
    蕪村さんええひとやわぁ。
    併録の小説宝石新人賞受賞作品「梅と鶯」、とても良かった。圧巻の新人賞って感じ。

  • Tさんのお勧め。

    あまり面白くなかった。
    妖怪物は嫌いじゃないのに、与謝蕪村に興味がないからか。

    最後の「梅と鶯」は悲しい話だけど良かったな、
    と思ったら蕪村が出てきてなかった。

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