湖底の光芒: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-58 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777357

感想・レビュー・書評

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  • 光学会社が背景のミズテリー。老舗のパイオニア光学はモデルの候補がたくさんありすぎるけど、新興勢力のハイランド光学は完全に架空会社かな・・。面白かった。徹夜した。(;^ω^)

  • 『湖底の光芒』。このタイトルの意味がわかるのはラスト・シーン。 カメラのレンズを製造する下請業者。下請業者はいつも親会社から苛めを受ける辛い地位にある。主人公である遠沢も例外ではない。 さらに、遠沢の義理の妹ととの対立関係、そして弓島邦雄と遠沢とその義理の妹との歪んだ愛情関係(?)が遠沢を追い詰める。 まず、「湖底」とは諏訪湖である。長野県出身の私からするととても近しい作品だ。そして、長野と東京を移動する際はやはり中央東線。清張先生には鉄道と男女関係は欠かせない。 清張先生の文学が詰まった作品。
    https://law-symphoniker.hatenablog.com/entry/fqngo3qbngu341-th30ignq3jngioq32ngiu1gn10ngu41gnjeringjerngjewrngjn34gnw4igh45hgiernhi4ihfw

  • 信州は精密機器製造の地、カメラ会社そしてその下請け会社も集中している。しかし、この地の諏訪湖の湖底には、親会社が拒否し納品できなかった下請け会社製造のレンズが数多く廃棄、沈んでいるという。カメラ親会社と下請けレンズ製造会社との力関係、その零細企業を支える亡き社長の若き妻、そして奔放な義妹、そこにつけ込む親会社の専務。

  • 独りの女と男の話を通じて下請け・孫請けという産業構造の歪みを切り取った作品。テレビCMなどの表面に表れない湖底に沈んだ暗い光が印象的。

  • 清張さんらしい小説。親会社やり手の専務が情け容赦なく下請けを切り捨て自社をもり立ててきた。あまりにも非情なやり口にたくさんの人間から恨みをかっているが全く気に病むことなく女にも貪欲。が、恨みが彼を破滅に追い込む。清張さんの小説ってわかりやすい「因果応報」だからスカッとする。たまに清張小説が読みたくなるのは、うまく立ち回るずる賢い人間が必ず最後に罰を受けるから。水戸黄門に似てる(笑)

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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