フェルメールの憂鬱: 大絵画展 (光文社文庫 も 20-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777487

感想・レビュー・書評

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  • ベルギーの田舎の教会で盗まれた絵。誰も注意を向けることはなかったのだが実はそれはブリューゲルの作品だった。ブリューゲルの作品が盗まれた...と言ってしまうと業界が大騒ぎになってもうその教会に戻ってくることはないだろう。なんとかそこの情報を伏せたまま絵を取り戻したい。悩んだキャンベル牧師は天才詐欺師、イアン・ノースウィッグに絵の奪還を依頼する。

    一方スイスではある投資家の屋敷の屋根裏でフェルメールの真作が見つかったというニュースが流れる。

    そしてニューヨークのメトロポリタン美術館でフェルメールの「少女」が盗まれてしまう。

    そして日本のとある宗教団体では...

    と上記の文章を読んだだけではこれらがどのように繋がってくるの!?と想像できないかもしれない。しかしページをめくる毎にキャンバスに描かれた大きな絵が完成するようになっている。

    体調の関係で良いテンポで読めなかったのが残念だったのだが美術品をめぐる面白い作品だった。真作か贋作かの問題、そして莫大なお金が右に左に流れていく...美術界って闇が深いなぁと思った。

  • 美術品の評価の曖昧さ、宗教団体の資金洗浄の仕組み、なんかが理解出来た。
    フェルメールよりブリューゲルが主役?
    中々思うように乗れなかったなぁ。。。

  • フェルメール好きな方なので、ボロクソに批評されているページが多くてちょっと悲しい。。けどそれだけ絵画の真贋、美術評論家が当てにならない世界ということなのか。。
    シーズン一作目より解説が多くて話が停滞気味に感じる。面白くなくはないが期待はずれ感あり。

  • ベルギーの古い教会の絵、ロシアの元貴族の家系のスイスの投資家の屋根裏から出てきた絵、メトロポリタンから盗まれたフェルメールの絵、日本の新興宗教の美術館と、なんの脈絡もないそれぞれに起こる事件が、読み進めていくうちに絡み合って、、、っというところからカタルシスを感じられるかと思ったが、どうにも展開の仕方に問題があるのか、どうにも入り込めず。

  • 複数の美術品強奪事件、宗教団体のマネーロンダリング、贋作疑惑とテーマは盛りだくさん。フェルメール作品の近年急激に上昇した評価の否定的な表現は珍しいので目を惹く。荒作りではあるがまぁ楽しめる。

  • フェルメール作品が大好きなので、タイトルで選んだ。

    場面変遷が唐突すぎて、展開に付いていくのが大変だった。というか、正直、付いていけてなかったかも。行きつ戻りつ、読み進めた。

    どこかでオランダとメトロポリタンと日本の怪しい宗教団体が結びつくのだろうな、とは思いながら、どうやって?と。

    コンフィデンスマンJPみたいなコンゲームなんだね。

    絵画の裏話はとても興味深かった。
    昔はサインを売ってたとか、誰が描いたか重要じゃなかったとかとかとか。
    私たちが有り難がって眺める絵画は真作なのか?

    前作は未読なのでそちらを読んで、フェルメールの作品集を傍らにこの作品を再読したい。きっと今回よりも楽しいはず。

  • 絵画を絡めたコンゲーム小説『大絵画展』の2作目。
    舞台は、ベルギー、ニューヨーク、日本、スイスとワールドワイドに展開し、ブリューゲルの宗教画の盗難、フェルメールの新作発見、MoMAのフェルメールの盗難、日本では新興宗教団体の暗躍、はたまたCIAも絡みと詐欺の仕掛けも壮大になった。
    シリーズモノなのでキャラクターの一部は前作に引き続き登場する。普通ならそこで安心感もあるはずなのだが。
    どうも場面の切り替わりが唐突に感じる。また騙し合いのやり取りがコンゲームの醍醐味なのだが、騙され役の宗教団体が、あまりに素直すぎるのがちと物足りない。いいネタは揃っている。しかし盛り込み過ぎて、全体的にボヤケてしまった感が否めない。
    美術者・美術評論家の先生による巻末の解説では、『騙しによるミルフィーユ』と表現していた。幾重にも重なる仕掛けはあるもののそれぞれがパイ生地なので薄い。そしてそれぞれは繋がらない。いい得て妙な表現に思わず納得。
    登場人物の口をして熱く語られる美術業界に対する批判的な言論は、作者の思いなのだろう。ここは前作同様健在しており、美術品の裏事情的なネタは色んな視点で物事を見る機会になる。

  • 今回もおおがかりな設定だった。(単に場面があちこちの国にあるから?!)イアンがすごい人だということが分かった。

  • 壮大な騙し合いですごく面白かったんだけど、すごく難解だった…。
    結局どういう経緯で絵が教会に戻ってきたのかが全然理解できなかったんだけど、これは私の読み込みの甘さかな…?でもとにかく爽快な話だし、章太郎も無事に母妹に会えて良かったという、読後感はとてもいい感じ。

  • うーん

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著者プロフィール

愛媛県生まれ。銀行勤務の後、学習塾を経営。デビュー作『神の手』が、電子書籍で異例の大ヒットを記録して話題となる。2011年、『大絵画展』(光文社)で、第14回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。

「2023年 『最後の記憶 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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