それぞれの陽だまり: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(五) (光文社文庫 な 43-6 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)
- 光文社 (2019年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334779559
感想・レビュー・書評
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小萩の良くも悪くも素直な気持ちに、
「そうだよなぁ、そういう時ってあるよなぁ…」と感じ入ってしまう。
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いい作品だなぁ。今の若い人達は読めないかもしれないけど。
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Audibleで。小萩に癒やされた。すみさんのこれからの身の振り方が気になる。
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202112/シリーズ全8巻まとめて。江戸の菓子屋が舞台というのも好みだし、読みやすく面白かった。主人公が、菓子に見せられ鎌倉で旅籠を営む実家を飛び出してきたわりには、菓子への情熱や職人としてのひたむきさがあまり感じられないのでそこは残念。でも職人らしい気難しさもありながら気のいい菓子屋の面々や、我が道をいく呉服屋の女将お景など、周囲の人々の描写も魅力的で、楽しく読めた。
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須美さんどうするんだろう?
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菓子の仕事も続けて良いおっかあにもなりたい。その気持ちを大切にしながら過ごして欲しい。
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2019年12月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ5作目。素人落語のみやげ菓子、飴の甘さと母の想い、 煉り切りの淡い夢、『道成寺』の桜,『石橋』の牡丹、の4つの連作短編。小萩の目指すところも決まって来たようで、何よりです。がんばれ小萩。
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牡丹堂の家内仕事を賄う為に須美さんという出木杉さんな女性が加わりました。
小萩の負担を減らす為や牡丹堂がゆるやかに世代交代していく準備なのでしょう。
須美さんは好感の持てる人物なので加入はイヤではないです。
でも牡丹堂のゆるやかな世代交代の様が潔くも少し寂しい気持ちになりました。
小萩の菓子職人とは違う菓子作りの在り方がだんだん形になっていくのがいいです。
小萩を菓子職人!と言い張られるよりも無理も違和感もなくすんなり受け入れられます。
小萩がいく独自の菓子への道の今後がとてもたのしみになりました。
最後の引きで須美さんの状況に変化がありました。
須美さんにはこのまま牡丹堂の一員として居着いてほしい。
でも息子さんのことがあるので彼女は牡丹堂から去ってしまうのだろうか。
須美さんが牡丹堂の女将さんとして納まって息子さんとも暮らせる未来は難しいのだろうけど何とかなってほしいと願ってしまう。 -
日本橋牡丹堂シリーズ第五弾。菓子の事、自分の将来に悩む、小萩。
素人落語のみやげ菓子・・・山野辺藩に収める新作の菓子で、
店の者は手一杯。小萩は落語会の手みやげを考える。
小萩、須美。女性の目線が新作の菓子に花を添える。
飴の甘さと母の想い・・・能楽のおさらい会の依頼に、演目を菓子の
題材に決めた小萩。お福から聞く須美の過去と家族。
母の想いと子の想い。離れていても絆は深い。
煉り切りの淡い夢・・・新たな、山野辺藩に収める新作の菓子は、
能楽を主題に、小萩と留助が中心で進めることに。そして、
幾つかの変化が。曙のれん会、勘太、お福に弥兵衛も。
『道成寺』の桜、『石橋』の牡丹・・・隠居所への引っ越しを挟み、
収める菓子を完成させる。そんな中、須美の周辺で・・・。
弥兵衛の、伊佐の言葉が、小萩の心に覚悟を生む。
主要参考文献有り。
注文が増えて多忙になった牡丹堂の、出来事の連作短編です。
新たに登場した手伝いの須美の話が中心となりながら、
18歳になった小萩の内面と菓子作りでの苦悩が味を添えています。
見世の男たちは皆“職人”だと気づく小萩。
弥兵衛は言う。「男の職人には考えつかないことを考えろ」と。
「なりたい私になりたい」では、どうしたら良いのか?
落語や能を学ぶのも、糧になる。人の心を想う機微も学ぶ。
さり気なく力添えをしてくれる、牡丹堂の面々。山野辺藩の杉崎。
多くの人の協力と小萩への想いもまた、糧になる。
牡丹堂に来てから2年、小萩も、ただ菓子を学びたいだけではなく、
様々な事に気づき、悩むようになりました。成長していますね。
今回は、須美や留助が良かったです。彼らと接したことで、
新しい一歩を踏み出せたようにも、感じられました。 -
2020.09.05