朝食をやめて健康になる (知恵の森文庫 a わ 3-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334782191

感想・レビュー・書評

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  •  ちらほらと耳にしたことはあったのだが、あまりはっきりとした主張が聞こえてこない。人間は1日に3食もほんとに必要なのか?病院などは体の回復を図る場所なのでなるべく動かず栄養を蓄えるのが望ましい。しかし普段の生活で3食の食事というのはどうも多すぎるような気がする。健康系の情報はほとんどが朝食を推奨。ひどいのになると朝食抜きは「太る」とか「癌になる」といった脅しまで登場している。普通に考えればいくら1食抜いた反動があるとはいえ2食よりも3食のほうが摂取カロリーが多いの当然であるし、同じく発がん物質だけを考えれば食事量は少ないほうが悪い方向へ行く確率は少ないと思える。

     どんな見解にも反対説がある。1日3食説に対して1日2食説とくに朝食不要論を唱えているのが本書。様々な理由を述べているが、説得力あると思えるのが「午前中は排泄器官が働く時間なので栄養の摂取はそれを妨げる」というもの。人間のエネルギーに限りがあることを考えれば「取る」ことと「出す」ことにそれを分配することはとても効率が悪いのではないか。アーユルヴェーダにおいても朝は消化器官が活発な時間ではないが、こうした現代医学に対する「異説」は一定の方向性を持っていることは間違いないだろう。

     実際にやってみて思ったことは、空腹が不快であるわけではないということ。むしろ食事の時間が楽しくなり、どんなに質素の食事でも美味しく感じる。体重の増減は感じられず、副次効果で毎日の食費が減った。朝食を食べないようになって数カ月が経っているがメリットこそあれデメリットは感じない。

     後半は朝食から離れて著者の体系に基づいた健康法をいくつか取り上げている。どうしてもこうした方法論は人によって違いが大きく、既存の知識との食い違いに混乱してしまうが、どれも定説化しているわけではないことを考えると、それほど神経質にならないのが健康マニアの鉄則。そしてできることは実践して自分の身体との相性を確かめるのがもっとも有効な利用法である。

     朝食だけに限らず、人間の生理現象というのは「欲求」が生じてから行動に移るのが望ましいのではないか。欲が生じないのに無理やり食事したり運動したり排泄も睡眠も推奨するというのは何かしらの意図があってのことではないか、と勘繰ってしまう。いずれにしても選択肢を絞ってしまうことにより健康、ひいては今後の生き方を狭めてしまうことは避けたいものである。

  • その説は、読んで字の如し。

    "身体が資本"とはよく言ったものだ、を痛感する日々。
    リセット期間に読んだ本としては、かなり貴重だった。

    医学上も、人間の体質上も、過去の歴史上も、朝食は有害であるという一言。
    根底は、本来人間に備わっている自己治癒機能を存分に生かす生活とは、か。
    その点についての、あらゆる実績からのアドバイス。

    ビタミンC、血管、皮膚呼吸、冷温浴(我が家では温冷浴ではなく冷温浴と昔から言っていたための表現)、毛管運動、背骨、出産方法から、幼児の靴についてまでの言及。

    こちらも、読むべし!

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著者プロフィール

渡辺 正(わたなべ・ただし)
1948年鳥取県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。同大学教授を経て名誉教授。著書に『高校で教わりたかった化学』『「地球温暖化」狂騒曲」』、訳書に
『教養の化学』『フォン・ノイマンの生涯』『元素創造』ほか多数。

「2022年 『アインシュタイン回顧録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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