グレートジャーニー「原住民」の知恵 (知恵の森文庫 a せ 2-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334782245

感想・レビュー・書評

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  • 原住民たちと過ごすことで見えてくるものがある。
    所有し過ぎることのムダ
    本当の意味での環境への配慮
    必要かどうかわからない競争
    死に方について
    グレートジャーニーシリーズは読破したい!
    そして、旅に出たい!

  • 実体験や著者がみてきた世界を元に、世界に対する深い考察が記されており、非常に面白い一冊でした。
    本質的であり、そして生き方も考えさせられます。
    多くの方に読んでもらいたい一冊だと思いました。

  • 新書文庫

  • ライフスタイル、自然との関わり方、人生観といったものを考えさせられる。

    文明社会は、さまざまなチューブにつながれた重症患者のように、電線や水道管、ガス管、電話線という生命維持装置でつながれた脆弱なもののようだという。地震、台風、大雪などでライフラインが寸断された時に現実のものになっている。

    かと言って、自然に依存した先住民たちの暮らしを過度に美化する気もない。死亡率や寿命といった客観的な指標を用いれば、文明社会もこれまでの知識や歴史を積み重ねた成果と言えるだろう。

    ただ、歴史的なレベルの大きな災害が起きた時に生き残るのは、自然とともに暮らしている人々だろうとも思う。

  • 卒業制作でエコをテーマとしたアニメーションを制作したが、
    制作に取り掛かる前にこの本を読んでいたら、もっと深みのある作品に仕上げる
    ことができたのではないのかと思った。

    「トロトロ生きてみる。」関野さんはそう言う。
    トロトロとはただ毎日をぼーっと過ごしてみるという意味ではない、
    それは自然の流れる時間に合わせて、生活してみるという事。
    人が移動する時の早さはおよそ5キロらしいのだが、
    現代人は様々な乗り物を作り出した為に、日本の場合だと80キロのスピードで
    動いているらしい。そしてスピードが速くなったからといって、その分良い事が
    起こったわけでもなく、自然のエネルギーを早いスピードで消費していくだけで
    あり、その結果環境汚染につながっている。

    「大量消費」「大量生産」が幸せだと感じる時代から
    「必要なものだけを消費する」といった方向に今の若者が流れているのは、
    子供の時に大人たちがそうやって資源を食い荒らしてきた結果が今の状況を生み
    出しているという事を理解していて、同じような生き方をしても必ずしも幸せには
    ならないと頭で考えずとも身を持って体験してきたからなのだろうか。

    私の場合は小さな頃から、身の回りには物が溢れていたから
    「物を所持する欲求」というものが、低くなってしまったのかもしれない。
    手を伸ばさなくてもその辺にあるものに価値は感じない。
    逆に私達の時代では、家族・近隣の人とのコミュニケーション、自然、
    のんびりとした時間を欲しているのかもしれない。

    このように考えると文明は栄えても、栄えなくても
    「幸せ」は存在している事を改めて実感する。

    それにしても不思議なものだ
    本を読み進めていくと文明が始まる前までは、
    欲望のおもむくままに行動する事は消して悪い事ではなく、
    むしろ行動を起こした人が新天地を見つけ出し、新しい可能性を切り開いてきたという。

    タイミング一つ違うだけで、良いか悪いかなんて
    絶対的なものではないのかもしれない。

    本の終盤でこの言葉を持ってくるのはズルイと思うが
    やはり感動してしまった。
    その言葉とは、
    すべての子は、父親と母親が偶然に出会わなければ生まれません。
    (略)
    現在この地球上に生きている生物全てが奇跡的に生きていると言えるのです。

    まさにグレートジャーニーな本でした。

  • グレートジャーニー、関野の著作はいろいろあって、どれもこれも気になってるんですが、どういう文章なのか一度読んでみてから購入しようと思ってます。
    で、まず文庫購入を目論見中。

    給料前って物欲という名の妄想ばっかり逞しくなってこわいわぁ‥(失笑)。

  • 久しぶりに
    文化について考えました。

    素敵な考え方がたくさんあって
    素敵な写真がたくさんあって

    いいですね。

  • とても素敵な本だった。幼稚園児に『なぜ動物は裸なの?』『なぜ動物の口は大きいの?』と鋭い質問をされたとこでは子供の視点はやっぱすごいなと思った。娘へのメッセージ〔生きていることが奇跡で感謝しなさい〕とか人工的にミニ地球をつくりだすことがどんなに難しいのかが感動した。大人にこびずに独立心があり誇りをもって生きている子供たちにひかれること→なるほど。、チベットで考えた人間の『死』とは何なのか、自分なりに考えた前世・現世・来世〔親、自分、子供というつながりなのか〕→いろんな死に方があるんだ、ものぐさ太郎はすごい〔人にこびずに自分の意思を通す〕→自分なりの生き方を頑固に通すのもいいかもしれない、などおもしろい考え方ばかり。原始共産主義などないと書いたり、すべての生物は地球に生まれた奇跡によって生かされている。地球と共につつましく生きるにはが書いてあった。この人は『人間はどこから来てどこにいくのか』という壮大なテーマを考えているようだった。それにしても4歳の娘と年に3ヶ月しか一緒にいられないのか。cが『とぎれとぎれに旅するんじゃおもしろくない』とは言っていたけれどこれだけ壮大な旅ができるのは〔好奇心をもってしようとするのは〕すごいことだ!1ヶ所に長い間とどまって何回も訪れて人間的なかかわりをもつところ、彼らから学ぼうとすることがすごい。私ももっと時間をかけて人々の生活をもっと深い目で見つめたいと思う。自分が今まで旅をしてきて撮った写真などをまとめていると、本気で人生の生き方について考えていた時期は意味のある旅ができていたと思う。そして日本にいる今も生き方について考えている。彼とはまたちょっと違った意味で…。モノを蓄えずにそのほうがうまくいくから人々とものを分け与える人とのつながりを大切にする考え、人間が月にいったことなど知らない自分たちと違う地図をもつ人たちの話〔タマガワから来て動物も魚もいないと言ったらかわいそうな目で見られたというのはちょっと笑えた〕、自分はトロトロ生きているが、それもいいのではないか。自分は適応力があり、日本での生活にも慣れることができる。など。様々な人と出会いカルチャーに出会い、価値観に出会い、自分がどう生きて生きたいのかを考える旅を私もしてみたい。

  • 関野 吉晴
    1949年、東京生まれ。一橋大学法学部および横浜市立大学医学部卒業。一橋大学在学中に探検部を創設、アマゾン川全域を下る。その後、医師となり、’93年から人類がアフリカ大陸から南米大陸へと拡散した5万キロの道を逆ルートで辿る「グレートジャーニー」に挑み、2002年にゴール。植村直己冒険賞受賞  なんだ、この著者の略歴はこれ自体がすでに人生においての冒険である。  西表島という孤島で拾った本であるが、随分、励まされた本の代表であろう。

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著者プロフィール

1947年東京都墨田区生まれ。一橋大学在学中に同大探検部を創設、71年アマゾン全域踏査隊長としてアマゾン川全域を下る。82年横浜市立大学医学部卒業、医師となり南米に通いつづける。
93年から、アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を経てアメリカ大陸に拡散した約5万300キロの行程を逆ルートでたどる〈グレートジャーニー〉をはじめる。南米最南端ナバリーノ島をカヤックで出発、足かけ10年の旅は、2002年にタンザニア・ラエトリでゴールを迎えた。
2002年、武蔵野美術大学教授(教養文化研究室、文化人類学)に着任。翌年より〈新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々〉を開始。シベリア経由、稚内までの〈北方ルート〉、ヒマラヤからインドシナを経由、朝鮮半島から対馬までの〈南方ルート〉終え、09年からインドネシア・スラウェシ島から石垣島まで、足かけ三年の航海〈海のルート〉を11年に終了した。

「2013年 『海のグレートジャーニーと若者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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