Jミステリー2022 SPRING (光文社文庫)

制作 : 光文社文庫編集部 
  • 光文社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334793470

感想・レビュー・書評

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  • 人気作家6人のアンソロジー。
    短編という括りの中で読みやすさと内容のバランスがいい。この6人の中に初読みの作家さんがいる方、短編集のミステリーが読みたい方、ミステリーを読まない方には特に優れた一冊じゃないかな。

    ミステリー好きでもアンソロジーとしての楽しさは十分だったし、隙間時間にも読める短編集の気楽さがちょうどよかった。

    ただアンソロジーで完結しない、しかも続きは新作でっていうのはありなの?
    エピソードゼロにしてもちょっと…って思った。

  • この表紙の作家さんの並びが豪華すぎて、手に取らずにはいられませんでした。
    ファンタジー、イヤミス、刑事物、サスペンスとバラエティーに富んだ内容で、この本を読めば好みのミステリーのジャンルをきっと見つけられることかと思います。

    もともと好きだった芦沢さん、知念さんのミステリーを堪能できただけでも充分満足できる内容だったのですが、このアンソロジーを読んで今村さんに興味が湧いたので、今後今村さんの作品を手に取ってみたいと思います。

  • 「オール新作書き下ろし」に釣られたが、さすがにどれも安定したレベルの作品で楽しめた。気に入ったのは、今村さんの「ある部屋にて」と織守さんの「目撃者」。冒頭の東野作品は「ブラック・ショーマン…」のコンビが再登場。掉尾を飾る知念作品も死神シリーズの黒猫「クロ」が活躍する話だったが、完結しておらず、続きが気になる…。

  • 様々な意見があるかとは思いますが…これだけの方々の作品が1冊で読めて、個人的には満足度の高い1冊でした。

    中でも印象に残っているのは『立体パズル』です。芦沢央さんの作品を初めて読んだのですが、悲しい事件が起きるものの、主人公の生活はほのぼのとした雰囲気でどのように事件が主人公に絡んでいくのか全く想像がつかず面白く読めました!日常に潜む人間の感情や思惑が丁寧に描かれていて、引き込まれました(私の思考と似ていたからかもしれませんが)。
    青柳碧人さんの『叶えよ、アフリカオニネズミ』も由赤丸警部のキャラが良くて好きです。警部が活躍するお話、もっと読みたいなぁ。

  • このラインナップ、なかなかすごい!と思いつつ、アンソロジーだから、アタリハズレあるだろうなと思ったら、どれも面白かった。

    のめり込んだら終わってました。

    自分としては、芦沢央「立体パズル」と織守きょうや「目撃者」の、子どもの証言の曖昧さをうまく使った二作が良かった。

    そして最後の知念実希人「黒猫と薔薇の折り紙」は、黒猫の語り手と、黒猫が出会う人間の語り手の切り替わりが上手くて、最後にまた黒猫に戻ってからの結末に、度肝を抜かれた。

    え。これは。一体?

    と混乱したら巻末に、『死神と天使の円舞曲』の一部ということが書かれており、いや、続き気になるだろ!!と購入。
    今んとこソフトカバーしか出てないけど、kindle版だと半額返ってくるキャンペーン中です(笑)
    誰か私を見てる?

    しかし、予想外の結末だったらどうしよ。
    さらには同タイトルのFALL版も出てるのかー。
    気になる。

  • 作家陣が豪華で短編でもそれぞれの作品が読み応え抜群。

    特によかったのは、
    『目撃者』と『黒猫と薔薇の折り紙』

    ぜひ定期的に出版してほしいアンソロジーでした!

  • 去年買ったまま放置していたのをようやく読み終わった笑
    気がつけば2023FALLも出ていたというのに…笑
    簡単な感想を。
    東野圭吾『リノベの女』
    リノベーションを依頼してきた女と建築士の話。
    女の態度に違和感を覚えた真世は、叔父の武史に相談したところ……。家族の在り方について考えさせられる一作。
    今村昌弘『ある部屋にて』
    健吾は一方的に思いを寄せる優里の家に押し入り、衝動的に彼女を殺してしまう。彼女の死体を旅行用トランクに押し込み、外を出ようとしたところで弁護士を名乗る白川と部屋の前でバッタリ出くわして……。
    「あ、ヤバい。バレる!」とドキドキしながら読んでいたら最後のどんでん返しに驚きを隠せなくなった。
    芦沢央『立体パズル』
    脚本家の雄一郎は、保育園に通う息子の翔大のお迎えに行くことが最近の日課になっている。保育園の近くに住む引きこもりの男が5歳の男の子を刺し殺すという事件が起き、その犯人がまだ捕まっていないからだ。犯人が幼少期に過ごしていたのが、雄一郎の住む町とされていた。そして、その家には現在、雄一郎の息子・翔大と同じ保育園に通う達幸が住む家だという。ある日、犯人が達幸の住む家を覗き込んでいたという噂が立ち……。
    芦沢央らしく読み終わった後に少し後味の悪い話に仕上がっている。また「本当にあった話?」と心がざわつく。
    青柳碧人『叶えよ、アフリカオニネズミ』
    ネズミを使ってカンボジアの地雷完全撤去を目指す研究所で起きた爆発。爆発の後から1人の研究員の遺体が見つかり、ポケットからは犯行声明とも取れる文が見つかる。捜査を進めていくと1人の容疑者が浮かび上がるが……。
    自称「本当に頭のいい人間」の変人・由赤丸警部が推理を進めていく本作。言動が怪しい感じもするが、「本当に頭のいい人間」であることを自ら証明する推理にも注目。
    織守きょうや『目撃者』
    陽人が自宅に帰ると妻の彩花が目の前で死んでいた。自宅であるマンションに容疑者と思しき人間が入ってきておらず、警察は陽人を容疑者として疑う。そんな中で事件現場にいた唯一の目撃者である朝陽が犯人のことを「おとうさん」と話し……。
    ちなみに、この話を読み終えて某人気アイドルグループのメンバーが起こした不倫疑惑を思い出しました。最近までドラマでプラモデル組み立てていたあの子です笑
    知念実希人『黒猫と薔薇の折り紙』
    死神シリーズのレオとクロが再び登場。まだ文庫化されていない『死神と天使の円舞曲』の第1章とのこと。クロが自殺をとどめた1人の青年。結婚を約束した恋人に先立たれ、絶望の中、自ら命を絶とうとしていた。恋人が残した薔薇の折り紙のメッセージとは?
    医師でもある知念先生の反ワクチン派に向けての怒りが読み取れる一作。いちいち偉そうなクロなのに行動が可愛らしい。

    6作どれも面白くのめり込んで読んでしまった。
    ミステリー好きのお子様ランチと言った感じか。
    アンソロジーを入り口に好きな作家を見つけるのも面白いかも。

  • ❶リノベの女 / 東野圭吾 5/5
    ❷ある部屋にて / 今村昌弘 4.5/5
    ❸立体パズル / 芦沢央 4/5
    ❹叶えよ、アフリカアニネズミ / 青柳碧人 3.5/5
    ❺目撃者 / 織守きょうや 5/5
    ❻黒猫と薔薇の折り紙 / 知念実希人 5/5

    ミステリーが好きなので読みました。

    読んだことがない作家さんがほとんどだったけど、どれもとっても面白かった!

    短編集だとさらっと読めて楽しめるし、気になる作家さんにも出会えるので良いなと思った。

    他のJミステリーも読んでみたい。

  • 短編集のため、色々な作家さんのミステリー小説を読めて、とても良かったです。
    ここから自分の読みたい作家さんを見つけるのもいいのではないかと。
    特に自分がおもしろかったのは「目撃者」と「黒猫と薔薇の折り紙」でした!
    これを機に、織守きょうやさんと知念実希人さんの小説を読んでみたいと思います!
    「ある部屋にて」もどんでん返しがあっておもしろかった。

  • ダントツは、やっぱり東野圭吾さん。
    割と読み慣れているのですが、相変わらず面白かった。

    今村昌弘さんもよかった。 

    知念実希人さんは、設定もよくて面白かったけれど大河の性格がちょっと苦手。ラストもイマイチすっきりしなかった。ごめんなさい。

    全部楽しかったです。たまにはこういうアンソロジーもいいな。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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