お誕生会クロニクル

著者 :
  • 光文社
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913663

感想・レビュー・書評

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  • お誕生日年代記?
    みんなに誕生日はあるけど、その日に起こることや思い出は人それぞれ。
    いい日ばかりじゃない。
    登場人物が、どこかで繋がっている。
    サプライズパーティーを読んではっとし、ビジネスライクを読んで、私も頑張ろうと思えた。ビジネスライクという言葉もだけどクレームだったかハラスメントだったかも日本語では否定的な意味合いで使われるけど、もともとは前向きなことばだったなと思い出した。
    言葉もせっかくなら前向きな意味合いで使われた方が嬉しいだろうな。
    誕生日って、やはりいくつになっても、大切な1日。


    • どんぐりさん
      こんにちは

      ハラスメントって前向きな本来は言葉なんですか!!知らなかった…

      日本語でも知らないことって多いですね、、、
      こんにちは

      ハラスメントって前向きな本来は言葉なんですか!!知らなかった…

      日本語でも知らないことって多いですね、、、
      2024/02/06
    • ひまわりさん
      どんぐりさん、ありがとうございます。
      研修で聞いたような、もう一回資料読んでみます
      どんぐりさん、ありがとうございます。
      研修で聞いたような、もう一回資料読んでみます
      2024/02/06
  • 静かに沁みる一冊。

    お誕生日について深く想いを馳せたのは久しぶり。

    生まれることの意味。
    それはものすごく奇跡的で尊いこと。

    それがいつしか当然のように祝ってもらう、プレゼントをもらうことが第一になっていく…そんな自分の中での誕生日に向き合う時間をくれた作品だった。

    現実的な問題や暗部を描きながら綴られていくストーリーはまるでリボンで結ばれていくような感覚。

    静かに沁みて最後は想いが結ばれたリボンを思い浮かべ落涙。

    お誕生日、それはこの世に生を認められた日。

    だからこそ誰ものお誕生日を慈しむ、その心を大切にしたい。

  • お誕生会にまつわる連作短編集。
    私自身は友達を集めたお誕生会をやったことがないし、よばれたことも1~2回しかないような気がする。
    そんなにお誕生会って重要なイベントなんだ…という感じだ。
    介護や育児にまつわる話しも数編あって、ほのぼのとおわってはいるが、結局根本の解決に至ってないし、新型コロナ問題も加わってきて、この先、この人たち、大丈夫なのかなぁと少しだけ暗澹たる気持ちになって終わった。

  • 誕生会にまつわる短編6編 

    話の中の誕生会そのものには、とりたてての感想はないがそこに書かれている、幼い時からの、または、ふとしたきっかけで生じる母と娘、父と息子の口には出せないわだかまりやもやもや感を書かせたら、この人は上手いなあと思う

    親子だからと全てを理解し合えているわけではない
    親が何気なく発した言葉が子供を深く傷つけていることもあると知り、恐ろしくなった
    こんなもやもや感も他人なら付き合いをやめたり、他のことで昇華できたりするのであろうが、親子ならそうはいかない
    悪くすれば一生引きずることになるのだろうか

    幸いこの本の登場人物たちは、ふとしたきっかけで誤解が解けたり、理解し合えたりしたのでよかった

    私が何より清々しく感じたのは、『ドールハウス』の中の
    朱里の同級生シャオハイルーの姿勢と中国華南地方の少数民族ミャオ族の「幸いのお裾分け」という風習だ

    お誕生会が学校として禁止されてしまったことに対して
    「旧正月パーティー」として、お世話になった旧友にお礼をしたいと教師を説得したルーの臆することのない堂々とした態度は実に清々しい

    期せずして父孝雄も学生時代バックパッカーとしてミャオ族の歓待を受けて、当時それを疑問に思っていたのだ

    この部分から、数年前、関口知宏の『中国鉄道大紀行』の再放送を見て、驚いたことを思い出した

    行く先々での中国人の底抜けの明るさと外国人を両手を広げて歓迎する姿勢だ
    中国人に対して好ましくない偏見を持っていたことを恥じるとともに、あの笑顔とウェルカムの姿勢はどこからくるのだろう? 全く日本人にはないもの、少なくとも私にはないものだと感じたことを思い出した

    この本のテーマとは直接関係ないだろうけれど・・・

  • 誕生会にまつわる短編集
    3.11
    桜の花びら
    お彼岸
    コロナ

    読んだタイミングが絶妙
    図書館から借りた本

  • 古内さんの文章は読みやすく、ゆったりしている文章なので色々と昔の誕生日会等を思い出せた。
     
     私が小さい時にもお誕生日会があり、正直良い思い出ではない。今も、心の中に小さなとげとして残っている感じ。
    でも、「まぁそれもありかなー」と読了後何故か思えた。
     章ごとに主人公は変わるが、何となくつながっている。
    私は姪っ子の誕生日会を失敗する話と介護がとても印象的だった。介護の話は女性なら共感できる母親との距離感だと思う。
     どうしても、努力しても息子に勝てないもやもや・・・折り合いをつけていくしかないのだが、主人公に共感してしまった。
     姪っ子の話は私自身独りよがりな所もあるので、ちょっと胸が痛かった。
     もうお誕生日をお祝いしてもらう年齢ではないのかもしれないけど、次の誕生日には周りに感謝して内省してみたいなと思わせられる作品だった。

  • 読んでいて苦しくなるほどの絶妙な重苦しさ、働いている人、子育てしている人、諦めたもの、目指すもの。救いようのないようでほわっと次に進めるきっかけを残してくれるお話ばかり。繋がっているよと教えてくれているような。

  • お誕生会にまつわる話。私好みの、主人公が他の物語でも出てくる感じのお話なのに、ハッピーエンドじゃないからか、ちょっと滅入った。「お誕生日会」と聞いて、ハッピーな結末を思い浮かべるあたり、私は平和なのかな。
    特にサプライズのどんでん返しはびっくり。まぁ、立ち直ったからよかったけど。
    ドールハウスの話は好きだな。

  • 最初は自分の誕生日に特に想いがある訳でもなく、どちらかというとあまりいい記憶がないという主人公達が、最後には人生に向きあい、自分の誕生日を祝う気持ちになっている変化の描写が、上手く描かれていて、これからの主人公たちの笑顔が浮かび、素敵だなと思う1冊でした。

  • 誕生日会や誕生日をテーマとした短編6篇は、家族だったり職場だったりでゆるく別のお話とつながっている。色んな場面でマウンティングするような主人公が多く出てきたが、ひとつずつのお話の中で相手の思いや言動の意味を理解し、分かり合う様子が見られ、最終的には人と人のつながりって温かいものなんだなという気持ちにさせられた。人は一人では生まれて来られないのだから、誕生日というもの自体、愛情深く、人との究極のつながりだなと改めて思った。新型コロナが出て来る話もあり、かなりタイムリー。個人的には『ドールハウス』というお話が特に良かった。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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