ルミネッセンス

著者 :
  • 光文社
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334915384

感想・レビュー・書評

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  • はっきり言って読後感はなかなか最悪笑 例えるなら、世にも奇妙な物語に文学性を持たせた感じというか。そんな内容だけあって、かなり読み手を選ぶ作品であるのは間違いないかも。
    とはいえ、どの話もただ不快なだけでなく、心に刻むものもしっかりと残すので、読んで後悔は一切ないと言い切れる。
    個人的には、「トワイライトゾーン」と、インパクト強烈な「冥色」が好き。そして、装丁も好き。
    それにしても窪さんは団地好きですね笑

    • アールグレイさん
      ユースケさん?
      チャオさん?
      改名しましたか?

      私は以前、ゆうママ、という名でした。
      ママはもう卒業しようと思い、変えたのです。ユースケさ...
      ユースケさん?
      チャオさん?
      改名しましたか?

      私は以前、ゆうママ、という名でした。
      ママはもう卒業しようと思い、変えたのです。ユースケさんって本名だったりして・・・・
      2023/09/23
    • チャオさん
      こんにちは。
      はい。どちらかが本名で、どちらかが可愛がっていた猫の名前です。同一人物でお願いします笑
      こんにちは。
      はい。どちらかが本名で、どちらかが可愛がっていた猫の名前です。同一人物でお願いします笑
      2023/09/23
  • 各篇のタイトルをシャッフルしても違和感がないほど全てのイメージは繋がっている。

    人生の黄昏に差し掛かり 過去や後悔という闇に呑み込まれる心の有り様がどのようなものか、今の私には分からない。
    だが 人がゆっくりと狂っていく描写には強い説得力があった。

    読み手によって、この物語から受け取るものは全く異なるのではないか。

  • 連作短編集5話。

    どれも暗くて陰気と言ったらいいのだろうか…。
    だが目が離せない、引き寄せられるように読んでしまう。
    55歳の同窓会に集まったそれぞれの今の姿。
    ありのままの中年の姿になぜか安心できる。
    偽りのない、飾り気のない、そのままの姿を見せて泥濘に入り込んでいく。
    終わりがなんとも言えない。
    どれも闇を見せてくる。


    ○トワイライトゾーン〜母の介護のために週末に団地にやってくる数学教師が、バーで出会った少年に惹かれてしまう。

    ○蛍光〜実家の文房具店を閉め、片づけにきた女が思い出すのは、中学のときに団地の貯水池で亡くなった同級生。

    ○ルミネッセンス〜同窓会で出会った初恋の人と月に一度、ドライブするだけの関係が別れを告げた途端に後戻りできない熱情に駆られ…。

    ○宵闇〜いじめの原因は、保育園のときに事故に遭って顔に傷ができたからで、それで両親は離婚した。
    夏休みは、いじめられないと思っていたのにおじいちゃんの団地にまでやってくる同級生におじいちゃんは…。

    ○冥色〜リフォームした団地を購入し、付き纏われていた女と縁が切れたと安心していた。
    団地の掃除当番でパン屋の女性と親しくなったが、距離を置きたいと思うような何かがあると…。
    自分はどうしたんだ…。


    • アールグレイさん
      こんにちは♪
      私も、ルミネッセンスを昨夜読み終わりました。フーッ なんと言えばいいのでしょう?
      古い団地、ゾワッと感、イヤな池が頭に浮かびま...
      こんにちは♪
      私も、ルミネッセンスを昨夜読み終わりました。フーッ なんと言えばいいのでしょう?
      古い団地、ゾワッと感、イヤな池が頭に浮かびます。
      次はもう少し明るい本がいいな。
      (@^^)/~~~
      2023/10/04
  •  窪美澄さんの作品を読むのは3作目…なんとも雰囲気のある表紙に惹かれ手にしました。

     「トワイライトゾーン」、「蛍光」、「ルミネッセンス」、「宵闇」、「冥色」の5編の連作短編集、それぞれの物語に共通するのは、物語の舞台が寂れた町の団地ということ、昔からある池には幽霊が出るという噂もある…そんな町で生活する人々の話です。

     この作品は、先の展開が気になるんだけれど後味の悪い読後感は共通しているかな…、あ、でも冥色だけはちょっと希望の持てるストーリーでした。あと4編は、人間のもつちょっとしたした弱さとか、ささやかな願望から、闇に落ちていくような…ちょっと怖い感じでした。なので、ちょっと気持ちが落ち込んじゃうような…そんな作品に思えてしまいました。

  • 表題作ルミネッセンスを含め、連作短編
    五話からなっている本。
    ルミネッセンス――素敵な名だなと思った。

    でも内容は素敵な、という雰囲気では
    なかった。
    どの話も古い団地を舞台にした話。
    ゾワゾワ感、恐怖心、目を背けたい感じ
    でも、話の先が気になり遲読の私は直ぐに読んでしまった!
    この本は真夏に読みたい本だったか、と
    初秋の今になって思う。
    怪談とまで言わずとも、それに近いだろうか?

    そんな中で、私は“蛍光”と“冥色”に興味
    を持った。

    ズルズルと引き摺られていく感、真実が
    判ってしまったこと、あ~っそうかと
    頷いたり、そんな~と思ったり・・・・

    もっと明るい話のつもりでいたら、真逆
    だったということで却って記憶に残る
    本になるのではないか、と思っている。

    2023、10、4 読了

    • 湖永さん
      アールグレイさん こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      同じくらいに読みましたねぇ。
      そうなんですよ、ホラーほどとは言わないけれど...
      アールグレイさん こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      同じくらいに読みましたねぇ。
      そうなんですよ、ホラーほどとは言わないけれど不穏な感じ漂う短編集でしたよねー。
      なんと表現していいのか…と悩ましい内容でした。
      2023/10/04
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、美澄作品、「ふがいない・・・」だけは読みました。エログロが凄くてその後読んでいません。でも多くの方々がこの本は面白かったと...
      アールグレイさん、美澄作品、「ふがいない・・・」だけは読みました。エログロが凄くてその後読んでいません。でも多くの方々がこの本は面白かったと言っていました。美澄さんの引き出しが多くて、いろんなジャンルがあるんだね。もう1冊は読もうと思います。「晴天の迷いクジラ」が面白いみたい。
      2023/10/15
  • <訪問>「ルミネッセンス」を書いた 窪美澄(くぼ・みすみ)さん:北海道新聞デジタル
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/925433/

    窪美澄が短編集「ルミネッセンス」 自身のダークサイド打ち出す - 日本経済新聞(2023年10月4日)
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD262UD0W3A920C2000000/

    ルミネッセンス 窪美澄 | フィクション、文芸 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334915384

  • 窪さんの作品ということで、楽しみに本作を読みましたが、寒気のするような世界観に思わずのめり込んでしまいました。

    本書は1つの団地を舞台にした短編集。それぞれのチャプターで登場人物たちが、団地の薄暗い雰囲気に飲み込まれてダークサイドへと堕ちていくような展開でした。

    普通の生活を送る人たちが、些細な違和感や出来事によって堰を切ったように生活が一変してしまう展開もゾクッとして良かったかなと思います。

  • ダークな短編集5編。
    とても読みやすくてどんどんページが進むけど、心は闇へと引っ張られていく。
    全作に不穏な空気が漂っていて、ちょっと怖い。
    読後はやや気分が落ちた感じ。
    ミステリーやホラーでも、私はちょっとした救いがあるものが好みなんだと思う。

  • じっとり薄暗い恋愛短編集。
    これまでに読んできた窪美澄さんの作品の中では、ダントツで闇の要素が強かった。共感できる部分もなく、あまり楽しめなかった。
    作品は全部で5章。
    以下、簡単なあらすじと感想をレビューします。

    ◾️ トワイライトゾーン
    数学教師をしている男性とバーで働く青年との危うい関係を描いた作品。
    背景がバーということもあり、薄暗さこの上ない。

    ◾️蛍光
    文房具屋で働く女性とノートを買いにくる少年。この少年は亡くなった同級生だったのだろうか?

    ◾️ルミネッセンス
    中学時代の同級生同士のW不倫を描いた作品。
    結婚も不倫も経験ないからわからないけれど、こんなに容易く溺れてしまうものなの?
    男性の息子が一番まともだった。

    ◾️宵闇
    幼少期に交通事故に遭い顔にできた傷跡が原因でいじめに遭う少女と無口な祖父との切なくも暖かいひと夏。母から見た祖父と、私(孫)から見た祖父、見え方の違いや関係性がリアルでよかった。
    本作の中では一番よかった。

    ◾️冥色
    過去に捨てた女から逃れてる団地に引っ越してきた男性の不遇な人生を描いた作品。
    誠実さが感じられなかったし、ばちが当たったのかなって思う…。

  • 表紙がキレイ。
    窪美澄さんの文章は読みやすい。
    全体的に大人の話。
    中畑先生、駅で少年にしつこくつきまとい、警察に捕まる。
    由紀子も、少年にノートを渡したくて小学生につきまとう。
    みんな、病んでいる。
    会って話をするだけというのは不倫なのか?と悩む石崎くん。中学校の時の初恋の相手と大人になってから再会して定期的にデートするのはダブル不倫だと思う。好き同士なのだから。
    息子に指摘されて、会うのをやめようと切り出すが、弱すぎる。自分がどうしたいのか?わかっていない。大人なのに行動が浅はかだと思った。
    いじめにあっていた花乃。でももうおじいちゃんが守ってくれる。これからは学校、怖くない。大丈夫。
    大室さんは、殺人犯?珠子は霊?怖い。
    5編とも、良かった。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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