- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334923242
感想・レビュー・書評
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2015/7/18
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えー!そんな終わり方なのか。
佐藤正午さん、特に恋愛小説の名手として
文壇の評価は高い。
そうなんだ。恋愛ものってイメージないけどな。
意外だ。 -
うーん。
感想が難しい。
何を書いてもネタバレになりそうな気がします。
姿を消した女性の行方を探すのですから、これはある意味ミステリと言えるかもしれません。
でも、作品中で「僕」自身が、自分は刑事でも探偵でもないからそこまではできない、と認めちゃっているんですよね。
恋人(未満)としての行動の限界。
失踪の謎を追うことは追うけれど、それは別に刑事事件ではなく、ごくありふれた(年間7万人程度)本人の意志による失踪。
それが私には合わなかった。
私は失踪するなら失踪するで、きっちり落とし前をつけるべきだと思うの。
理由が言えないなら言えないなりに「失踪します。探さないでね。」とかを残すべき。
いなくなられただけでも残された方はつらいのだから、その上事故か事件か本人の意志かわからないのであれば、どうにも気持ちの持って行きようがないではないの。
じゃあ、「僕」に共感したかというと、そういうこともなく。
だって、自分でダメ男と言っている割には反省する気もなくて、事実ダメ男だしさ。
「そんな俺でもよかったら、っつーことで。」とかって、へらへらしてそうな気がする。ものすごい偏見ですが。
それでも、彼が彼女を探す過程を、私も一緒に探しました。
なかなか難儀でした。
細かい描写は細かいのに、人の話をきくときに集中力欠けてるし、信用ならない語り手なんですわ。
でも、遠回りしながらでも着実に彼女に近づいて、行き詰まり落ち込んで、あとから大事なことを思い出して立ち直り、少し近づいて行き詰まる。
その姿勢は嫌ではありませんでした。
いやー、内容に振れられないから、書いてる自分でもよくわからん文章です。
すみません。
最後にひとつだけ。
乗り過ごした電車の切符を払い戻ししていましたが、それはできないはず。
以前、寝台特急の出発時間を勘違いし、2時間前に出発してしまった電車のチケットを払い戻そうとしたら、JRの職員に「出ちゃった電車の切符は紙くずと同じ」と言われたがために10さんの西村京太郎魂に火がついて、新幹線に乗って特急を追いかけ、仙台から寝台特急に乗ったことを思い出しました。 -
主人公である三谷のガールフレンドがある朝に突然失踪した、三谷は徐々に彼女の後を追うのだが、いつしか疲れてしまう。しかし、時間が暫く経つ頃になりひょんな事から真相を知ることになる。定番のダメ男小説。
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一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。
三谷純之輔は、ガールフレンドの南雲みはるのいきつけのカクテル・バーで「アブジンスキー」という強いカクテルを口にして、酔いつぶれてしまう。そしてその夜、毎朝リンゴを齧るのを日課としている三谷のために、5分で戻ると言ってリンゴを買いにコンビニへ出掛けたまま、みはるは朝になっても帰ってこなかった…。
突然行方不明になった恋人を探すため奔走する三谷。しかし浮かんでくるのは謎ばかりであった。
恋愛小説としてジャンル分けされているが、どうもそういう趣は感じられない。三谷がみはるの行方にこだわるのは、彼女を愛するゆえではなく、もしもあの時ああしていたらと、きりのない仮想にとらわれているゆえなのではないだろうか。 -
失踪もの。
ある日、リンゴを買いに行くと言って彼女がいなくなる。
真相が知りたくて一気に読んだが、オチは肩すかしだった。
彼女を追跡していく様子はミステリーなのだが、ミステリーに分類するのは違うような作品。
(図書館) -
久々に読んだ佐藤正午。ある日突然、彼女が行方不明になる。失踪か事故か事件か。一気に読ませてくれました。初版は2000年9月。
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失踪もので、「火車」と重なる部分が大きいが、探す者の心理描写がもっぱらで、謎解き趣向は強くない(あっさり見つかっちゃうし)。岐路において、自ら人生をつかみ取る人と、そうでない人との対照がある意味残酷か。メッセージ分かりやすい(帯の文句が秀逸)