さやかの季節

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925703

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  • ゆるやかな大学生活。恋愛して、失恋して、また恋愛して、友達とつるんで…とりたてて大きな何かが起こるわけでもない平凡な日々を、小ネタの積み重ねで「ふふふ」と笑える物語に仕上げる藤野さん、いいわ〜うまいわ〜。個性豊かな人々が次々現れ、とにかくおかしい。
    「ベジタブルハイツ物語」の濃いキャラ達も次々ゲスト出演、これもまた楽しかった。ストーリー自体はユルく進むので、何がどう…とは説明できないのだけど、さやかのこっぱずかしさが大学時代の自分の思い出と重なり、あの頃がひたすら懐かしかった。
    ユルさを心地よく楽しんだとこで、藤野さんはただユルいだけでは終わらないんだな。ラスト1ページで泣きそうになったよ。いや、自分が勝手に泣きそうになっただけなんだけど…「あの頃」に意味もなく無駄な、だけどかけがえのない時間を過ごしたからこそ、今の自分がいるんだよなって。大学生活って、恥かいたもん勝ちって思うよ。読み終えて、なんかいい気分になれました。

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著者プロフィール

1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞。その他の著書に『ルート225』『中等部超能力戦争』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集ども集まれ!』などがある。家族をテーマにした直近刊『じい散歩』は各所で話題になった。

「2022年 『団地のふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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