- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334929893
感想・レビュー・書評
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初めての伊坂幸太郎、読了。社会派推理小説、すごく読み応えがあって良い。勧められて読んでみたら完全にハマりました。現代版魔女狩りの設定がなかなかエグくて、前半はずっと辛さが込み上げ、読み進まず。全体としてはミステリーだからこそ、なんとか辛さも半々で読み切れました。謎解き的な、なるほどね!は無いものの、人間の弱さを考えさせられる中身で、1冊読み終えて、少し大人になれたように感じております。1冊毎の重みが半端じゃなさそうですが、まだまだ伊坂幸太郎、手をつけていこうと思います。
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初めて伊坂幸太郎さんの本に手を出した。これまで長閑な本ばかり読んでいたので、なかなか読み進めるのがしんどいぐらいエグいところもあったけど(シーンをありありと想像できるような、のめり込ませるような文章力はすごい)何とか読み切った。
読み終わりがスカッとしないのは、正義の考え方は人それぞれで、「正解」なんてものは存在しないと、語る本だからだろうな。
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読み始めは、平和警察が取り締まっている事件にまとまりがないように感じられた。しかし、それぞれが繫がりだして、登場人物像もわかり始めると、途端に面白くなった。
後半は予想外の展開で、びっくり!
伊坂ワールド、やっぱり好きだなと思った。 -
近未来の仮想日本のSFとでもいうのか‥
宇宙を舞台にしたSFではありません。
密告による処刑が公開されるという怖い話だが、そこへ正義の味方が現れ‥?
平和警察という組織が作られ、海外テロ組織への関与を疑われた人物を取り調べる権限が与えられる。
指定された地区では、しだいに密告が増えてくる‥
ごく普通の人々が生活している様子のなかに、突如として町の噂や隣人の逮捕といった出来事が降りかかる。
不運な人もいるが、すれすれで逮捕を免れる人もいる、ちょっとしたユーモアも含みつつ伊坂さんらしい展開。
謎の正義の味方が実行力を持っている面白さと、上のほうでも何やら独自の権力争いがおきている不気味さ。
予想のつかない展開のうちに事態は意外な展開を迎えて、ほっとする‥
が、怖さは残りますね。
犯罪者同士のダークな話とは違う怖さ。
人の心の中にある自然な動き、思いやりや勇気、前向きな気持ちを大切に。
お天道様に顔向け出来ないことはしちゃいけないよって(笑)
平和を愛する日本を誇りにしていきたいものです☆ -
監視、暴力、権力、がテーマのほうの伊坂さん。
「世の中の苦しんでいる人を一人残らず救わなければ正義とは呼べないのか?」という問いかけが、この手の伊坂作品にはつきもの。私も読みながら考えていたけど、今回ひとつの答えが出た。それは、「目の前の一人だけでも救えたらそれで素晴らしい。ただ、このとき素晴らしいのはその人の正義感ではなく、勇気を出したこと」だということ。
私たちの社会がいつかこうなる可能性はすごくあって、それが怖いなあと思いながら読んでいた。伊坂さんが見せつけてくるものが正論過ぎて、ハラハラしすぎて、いつもなんだかちょっと気持ちが沈む。
でもラストは「そうだったのね!!!!」という感じで、とてもうれしい気持ちになったし、良い方向に向かっていく兆しが見えて良かった! -
物騒な話。
正義だと言われても、その組織が1番の力を持つと「なんでもあり」になってしまうのね。
平和警察と名乗っておきながら、全然平和じゃないもん。
連行したら容疑者に仕立て上げるだけ。こわー。
自分たちの娯楽のようになってしまっているんだもんなぁ。
どこか、一箇所に力が集中してしまうのは、全体からみると歪みができてしまうということ。これじゃ、バランスがとれるわけがない。 -
うーん。最後のまとめ方はさすが伊坂幸太郎。ただ、最近思うのだが、伊坂幸太郎の本は読んでいると凄く面白く、スイスイと読んでしまうのだが、あとで、あの小説はどういう内容だったっけ?と思うと、思い出せない、そんな作品が多いような気がする。
話は逸れたが、内容は、かなりありえない状況で、警察が危険人物と捉えた人物を市民の前でギロチンにかけ、処刑する。その方針に異議を唱えるものが、陰で動き…。
表向きには自分の知り合いが処刑されるのを防ぐために正義の味方となって、警察組織に対抗する男が現れ、物語を展開していくのだが、やはり、警察の方が一枚上手で、最後には処刑される側になるのだが、事態は意外な展開をみせる。
伊坂幸太郎の作品は、人間のエグい部分や、グロいシーンなどがあっても、その文体は飄々としていて、あまり深く感じないのだが、結構怖いことを書くなあと改めて感じました。
最初にも書いたが、残らない作品かもしれないが、面白いのは間違いなし。読んで損はないと思う。