会社を利用してプロフェッショナルになる Excellent System of Human Resources Development (光文社ペーパーバックス)
- 光文社 (2007年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334934255
感想・レビュー・書評
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【目次】
1 かつての「基準」はなぜ陳腐化したのか
2 プロになれる会社かどうかの見極め方
3 超優良企業のこの人材教育に注目せよ!
4 3年で「プロの専門職」に育てる会社
5 10年で「プロのマネジメント」に育てる会社
6 気になるプロフェッショナルの市場価値
■今後の流れ
⇒いま企業が求めている人材は高度のスキル・技能を有する「プロの専門職」か、あるいは「プロのマネジメント」かの2つしかない
⇒プロのマネジメントは育てるのに10年、プロの専門職なら3年というのが、プロ人材のスピード育成を目指す企業側のだいたいの目安
プロの専門職
人事や財務や法務、あるいは技術の分野において、他者の追随を許さないほどの知識・経験・スキルを持ち、その分野の未知の領域を探求し続けることに寝食を忘れて没頭できる体力・知力・気力を備えた人
●プロのマネジメント
常に「経営」という高い視点から組織全体の動きを把握し、企画を立てた段階でリスク計算をしてあらゆる角度から仮説を検証し、いざ実行となると自ら先頭に立って積極果敢にチャレンジできる意欲と能力を兼ね備えた人材
■キャリア形成のための3つの重要な視点
⇒自分が何ができるかという「Can」
⇒自分が何をしたいかという「Will」
⇒社会的に価値がある役割を担うために自分が何をしなければならないのかという「Must」
■企業が求める「プラスアルファ」
⇒コミュニケーション能力の高い人
⇒ピープルマネジメントとタイムマネジメント(人と時間の両方をマネージできる人)
⇒情熱(仕事にかかわるパッションをどれだけ持っているのか)
⇒柔軟性
■業界別市場価値(抜粋)
●商社
⇒総合商社は総じて、人材育成がしっかりしている
⇒一般的に英語も使えるし、海外とのやりとりの経験もあり、物の流れも良く理解しているので、市場価値は高い
●金融
⇒外部でキャリアを積み上げたいのであれば、早めに転職したほうがいい
⇒銀行マンは財務・経理に疎い
⇒銀行を就職先に選んで、さらにプロフェッショナルとしていきたいと考えるのであれば、職種で選ぶべき
●旅行
⇒旅行代理店は、華やかそうな仕事に見えるが、つぶしがきかない
⇒旅行が好きな人には、なかなか務まらない
⇒唯一転職可能なのは、生保・損保くらい
●ホテルマン
⇒ホスピタリティもあり、コミュニケーション能力も高いが、物を売った経験がないのが、転職には致命的
●自動車
⇒この業界出身の社員はなかなか転職市場に出てこないため、値がつかない
⇒日本の大手企業であれば、トヨタの社員ならすぐに飛びついてくる
●コンサルティング
⇒一定の経験を積むと、すぐに他の事業会社に転職していく人が多い(プロジェクトベースで動くため、プロジェクトが終わると結果が見られないから)
⇒市場価値が高いのは、マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ
■具体例(会社名のみ)
●3年で「プロの専門職」に育てる会社
⇒ゴールドマン・サックス
⇒アクセンチュア
⇒キーエンス
⇒資生堂
●10年でプロのマネジメントに育てる会社
⇒ユニクロ
⇒伊藤忠商事
⇒住友商事
◆基本的にこのブログでは、「ポイント」として挙げる項目は、本の順番に則しておりますが、本書の場合、こちらである程度流れを作り直し、4章5章の事例集を会社名を挙げるに留めて、最後にもって来ました。
ボリューム的にはこの2章だけで110ページほどあり、実は、本全体の半分弱を占めています。
内容的にも大変興味深いところではあるものの、個別事例であるが故に、用語や背景等まで載せないと意味が通じないため、抜粋はあえなく断念。
実はその部分こそが、本書のテーマである「人材教育」の具体例なんですが(汗)。
興味ある会社が含まれているなら、ぜひ書店で結構ですから、お読みいただきたく。
◆「会社選びの基準」を考えた場合、かつての「大手」「安定・高賃金」等々の基準は、すでに通用しにくくなっています。
倒産や合併、買収等々、10年先も見えない現在、自分のキャリアをどう作っていくかという事は、ビジネスパーソンなら、誰でも考えるべき内容なわけですし。
そこで、本書に登場する会社のような、「プロフェッショナルにしてくれる会社」を選択する、というのは、確かに戦略的かもしれません。
◆本書に登場する例として、対照的な2人のケースを挙げておきます。
1人は、トップクラスの総合商社に入り、30代半ばで花形部署の自動車部門に異動し、40歳前後にヨーロッパの支店長として赴任し陣頭指揮をとった人。
この方はそれから5年後、知り合いの人材紹介会社の社長に、今までのキャリアを生かすべく、自動車関連会社の経営者になろうと転職先を探してもらいますが、ほとんどの企業からの返事は「NO」。
理由は、「とても社長が務まるキャリアではない」というもの。
この方の場合、商社ゆえ、「現地の代理店を集めて新車を紹介し、後は代理店に売ってもらうだけ」という仕事でした。
これがメーカー出身であれば、販売店等との厳しい交渉や、店頭での売込み等の経験もあったのでしょうが。
残念ながら、会社に命じられるままに仕事をしていて、キャリア形成を見誤った例です。
◆もう1人は、新卒で入社した大手総合電機メーカーで経理を10年経験し、外資系消費財メーカー大手に経理のアシスタントマネージャーとして転職した人。
転職後はマネジメント経験を経て、マネージャーに昇格し、5年後に再度、外資系の化学メーカーにコントローラー(管理部長職)として転職。
会社での地位はナンバー3ぐらいの位置づけであり、ここでの経験を生かして、さらに大きな企業のCFO(最高財務責任者)のポジションを狙っているそう。
この方の場合、20代の早い時期からキチンと明確なキャリアビジョンを持っていました。
いずれ外資系に行くため英語を勉強していたことも、トップを目指すために経理・財務をマスターしたことも、みな、キャリアのため。
実際、人材コンサルタントの評価も高く、この経歴だと引く手あまただとか。
今までなら、会社で上司から言われたことをこなしていれば、適当に出世したのでしょうけど、これからはそうもいきません。
というより、「今の職場でいいのか?」ですとか、「今の会社にこのままい続けていいのか?」ということも考えなくては。
それを考える際に考慮したいのが、本書でも具体例をもって紹介している「人材教育に力を入れている会社かどうか」という点でもあるわけで。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
「カネ」「人脈」「経験」が凝縮されている企業の人材育成プログラムで自分を磨け。
[ 目次 ]
1 かつての「基準」はなぜ陳腐化したのか
2 プロになれる会社かどうかの見極め方
3 超優良企業のこの人材教育に注目せよ!
4 3年で「プロの専門職」に育てる会社
5 10年で「プロのマネジメント」に育てる会社
6 気になるプロフェッショナルの市場価値
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
『若者はなぜ会社選びに失敗するのか』みたいな内容。
どうせどんな仕事が自分に向いているのかなんて働いてみてからしか分からないことが大半をしめているのだから、こういう指針で企業選びをしても良いとは思った。 -
プロフェッショナルとして活躍するためにはどのような会社を選べばよいのか。