ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日
- 光文社 (2006年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334961879
作品紹介・あらすじ
ムンクの『叫び』が盗まれた!美術館に残されていた絵葉書には、こんなメッセージが…「手薄な警備に感謝する」レンブラントもフェルメールもピカソも盗まれた。巨額な犯罪市場と化した盗難絵画ネットワークの実像とは?わずか数人のロンドン警視庁特捜班が挑む華麗な美術の世界に秘められた闇社会の謎。知能犯と囮捜査官との息詰まる駆け引き。これはミステリーより面白い、渾身のトゥルー・ストーリーだ。
感想・レビュー・書評
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面白いけどムンクの「叫び」意外の事例が多くて、本筋のタイムラインが何度もわからなくなってしまった。
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ムンクを追うストーリーだけではあっという間に終わってしまうので、盗難絵画のいろんな事件や捜査官のストーリーが語られる
どれも読みやすく、興味深い
真偽不明としているが、モナリザを盗み6人に贋作を売りつけた話が面白い
また叫び奪還の際にノルウェー警察と連携がとれず、窮地に陥るところはすごい緊張感だ -
第83回アワヒニビブリオバトル「第7回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会」で紹介された本です。
2022.01.23 -
1994年2月14日。リレハンメル冬季オリンピック開会式当日の
早朝、オスロ国立美術館から世界的名画が持ち去られた。
ムンクの「叫び」の油彩画である。本書は答案事件発生から名画
奪還までを追ったノンフィクション…のはずなんだが、ワクワク
しないのよ、ちっとも。
タイトル・サブタイトル通りに盗まれた「叫び」を、ロンドン
警視庁の囮捜査官が追うのだが、この過程だけをじっくり描いて
いれば「だ・か・らぁ~、ムンクはどうなったんだよ!」と何度
も突っ込みを入れなくても済んだのに。
美術品盗難事件の事例として、ボストンのガードナー美術館で
起きた盗難事件を引くのは分かる。分かるんだが、それ以外の
盗難事件を多く例に引いている。
これが「叫び」盗難事件の全体像をぼやかしてしまっている感じ。
だって、「ムンクへ戻ろう」なんて書いておいて、その直後から
本筋と離れた話が延々と続くのだもの。
犯罪捜査のノンフィクションなんだよ?それなのに、散漫に過ぎ
て緊迫感ゼロになってしまっている。
もっとさぁ、こう…なんか書きようがなかったかな?それとも
取材不足なのか?だから、他の美術品盗難事件を多く紹介する
ことで水増ししているのか?
これはタイトルとサブタイトルをつけた、翻訳書の編集者の勝ち
だわ。だって、これだといやがうえにも期待値は上がるでしょう。
そうして、私のように立ち読みせず、タイトルだけで興味を惹かれ
る人間は完敗ですよ。
油彩画は奪還されたのだが、2004人は今度はテンペラ画の「叫び」
が盗難に遭い、2006年にオスロ市内で発見されている。本書を読ん
で一番驚くのは、「叫び」奪還の過程ではなく、美術館等の警備の
薄さだった。
余談だが、当時、私は「リレハンメルの貴公子」と言われたフィギュア
スケート男子シングルスのアレクセイ・ウルマノフに夢中で、「叫び」
盗難事件には1ミリの関心もありませんでした。 -
名画泥棒は売却などの当てがなくても「取りあえず盗む」、「目立ちたくて」という手合いが多いそうな。手堅くまとまって面白いが、なんとなく取材を要領よくまとめたレポート的で物足りぬ感じも。
<a href="http://www.museum-security.org/" target="_blank">参考サイト</a> -
絵画誘拐についてのくだりで、「キャー!助けてーみすたぁぁぁぁ!」と「叫び」が叫ぶ様子を想像してしまった(笑)
主人公達と犯人のスリリングなやり取りに加え、ムンクの人生や天文雑誌による「叫び」の解釈など、多角的に事件を「体感できる」のがナイス。
「叫び」やムンクさんが好きな方はぜひご一読あれ。 -
ムンク奪回を中心とした、ロンドン警視庁美術特捜班チャーリー・ヒルの話。警察の型から外れた、組織人としては不適格、だが囮捜査官としては超優秀。
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これはなかなか面白い。
囮捜査官のキャラクターもそうだけど、そもそも絵画など美術品を盗むやからとはという分析が意外性に富んでいてこれまた興味深いです。
しばらく絵画本が続きます