生き延びるための政治学

著者 :
  • 弘文堂
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335460319

作品紹介・あらすじ

財政赤字、エネルギー問題、少子高齢化…。不安な日本を生き抜くために、最良のリーダーの選び方を知る1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 現状の説明は良いが、具体的に個人に出来ることが投票に行くぐらいしか書かれていなかったのが残念。

  • "衆議院選挙の公示がなされた。日本の政治について考えるのに参考になる一冊。
    政治には関心がないという人も多くいると思いますが、政治に無関係ではいられない。
    著者の視点からの解説に、一部異論を唱えたいところもあるが、早稲田大学の教授という立ち位置から眺めたアカデミックにまとめてある。
    政治に関心を持ち始めた人に是非一読を勧める。"

  • 「政治」とは複数の人間が意思決定をすること。

    日本が取る議院内閣制のメリットは、立法府の多数派が行政府の長を選べる点である。
    政治的決定がスームズに行いやすい。

    【合理的棄権仮説】
    合理的に考えられる人こそ、棄権しやすいこと。
    小選挙区でも何十万という人がいる中で、貴重な日曜の時間を使用して選挙に行くよりも、他に時間を使おうという発想をすること。
    実際にも浮動票や無党派層の学歴が高いことも指摘されている。

    【合理的無知仮説】
    頭の良い人ほど、政治には関心がない。というもの。
    有権者が情報を得ようという場合、金銭や時間などのコストがかかる。
    しかし有権者が政治と関わるのは、選挙や投票の時だけで、そのわずかのために知識を得るのは馬鹿げているというものである。

    【プロスペクト理論】
    「得」の領域に関わる状況では、人間はリスクに対して実際よりも高く見積もるために、リスクを回避する傾向にあるというように保守的に行動する。
    「損失」の領域に関わる状況では、リスクに対して実際よりも低く見積もるために、リスクに関して寛容になる傾向がある。
    例えば、与党の候補者が「私に投票してくれたら経済成長率が1%上がります。」という場合と野党の候補者が「私に投票してくれたら経済成長率が1%上がります。」という場合では、間違いなく与党が勝利する。
    つまり現職が強い傾向は常にある。

    しかし、消費税の問題(損失の領域)に関しては現職が不利になる傾向がある。

    現在の人口統計のままいくと
    70歳代は、2015年には20歳代と30歳代を合算した投票数を、さらに2040年には20歳代~40歳代を合算した投票数を上回るであろうことが予想されている。

    「財政出動」「補正予算」「赤字国債」というワードが聞こえたら、若者は声を上げて止めるべき。本来なら。
    現在の国債、44兆円を借金している。消費税を1%上げれば、2,5兆円の税収が見込めるため。だいたい18%くらい消費税を上げる必要がある。

    日本のエネルギー自給率は4%しかない。原子力を入れると自給率は18%になるが、311以降の世論の感情的な反発から脱原発の動きが目立つ。

    食料問題では、カロリーベースで自給率は40%のみで、生産額ベースでも70%前後。
    自給率が低下している理由は、国産品が高いから。
    1人あたりの農地があまりにも小さいので、大量生産ができないという事情がある。

    食料輸出国を総称して、「ケアンズ・グループ」と予備、国際会議の場で団結しているのが特徴。

    結婚後に得られることの減少から、若者が恋愛をしなくなっている。
    また年収の上昇と恋愛経験の有無などには相関関係がある。

    他国の税収入に比べて、日本は法人税の割合が高くて、所得税が低い。
    日本からどんどん企業が逃げていってしまうのでは?

  • 時事的なテーマをメインに扱った本。
    現代日本の構造的な問題を知ることができる。
    ただ、著者の主義主張がわりと練りこまれている感じで、中立的ではないかもしれない。

  • 学歴と政治知識は正の相関関係がある。そして公務員の知識が圧倒的に高い。それはそうだろう。
    投票するかどうかも遺伝で決まるのだろうか?

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著者プロフィール

群馬県出身。埼玉県立松山高等学校を経て1979年早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1984年ボストン大学政治学修士号取得。1993年オレゴン大学国際関係修士号取得。オレゴン大学政治学博士号(Ph.D.)取得。米国アイダホ州立ルイス・クラーク大学助教(tenuretrackAssistantProfessor)、オレゴン大学認知科学研究所客員准教授(visitingAssociateProfessor)、早稲田大学国際部准教授・教授を経て、2004年より早稲田大学国際教養学部教授。メディア出演の機会が多い。

「2021年 『恋愛・結婚でうまくいっている人の5つの習慣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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