極北の民カナダ・イヌイット

著者 :
  • 弘文堂
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335560958

作品紹介・あらすじ

アザラシやカリブー、ホッキョクイワナを追って、ツンドラの大地に生きるイヌイットのエスノグラフィー。カナダ首相出版賞審査員特別賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 一般書籍のふりをして、中身はかなり論文に近い。
    ただ、専門家でなくとも解るような書き方になっているので
    読めないことはないし、内容的にも興味深い。

    特に、(今回のエスキモー調べの動機とは関係ないが)
    同じ名前を持つ者:同名者にまつわる話が面白かった。

    たとえば私のように珍しい名前の持ち主であれば、
    同姓同名の人間に対して何らかの親近感を持つことはあるだろう。
    だが、エスキモーたちは、(昔は)10も20も名前を持っており、
    そのうちの一つでも共通していれば「特別な関係にある者」
    あるいは「同一の存在」として扱うという。

    名前が失われないかぎり、個人が亡くなっても、魂は無くならない。
    そうして、同じ人物が、同じ村に何十年、何百年と生き続けることができる。
    この雄大なシステムは、どこまでも続く氷原と空の、
    彼らが暮らす風景によく似合う。

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著者プロフィール

国立民族学博物館・総合研究大学院大学教授
専攻:文化人類学(北方先住民文化研究、海洋資源論)
主要著書:
『イヌイット 「極北の狩猟民」のいま』中央公論新社、2005年
『カナダ・イヌイットの食文化と社会変化』世界思想社、2007年
『海洋資源の流通と管理の人類学(みんぱく実践人類学シリーズ3)』(編著)明石書店、2008年
『北アメリカ先住民の社会経済開発(みんぱく実践人類学シリーズ4)』(編著)明石書店、2008年

「2009年 『開発と先住民』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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