- Amazon.co.jp ・本 (118ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336053480
作品紹介・あらすじ
「耳なし芳一のはなし」「ろくろ首」「雪おんな」…日本の風土や伝統、因習や信仰の精粋ともいうべきラフカディオ・ハーンの名作『怪談』の世界を、チェコのシュルレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエルが描く-綺想と幻想が創造する痙攣的な美。描き下ろし22点をオールカラーで収録。
感想・レビュー・書評
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ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「怪談」に、チェコの人形アニメ作家ヤン・シュヴァンクマイエルが挿絵を描いた大型本である。「怪談」は多くの人が「耳なし芳一」や「雪女」などの話をご存じかと思うが、翻訳で良いのでラフカディオ・ハーンの原文をぜひ読んでほしい。文章が見事で、内容は詩的でさえある。ただし、平井呈一の訳が古い(初出は1950年)のとヤン・シュヴァンクマイエルの挿絵(シュールな貼り絵)が全く内容に合っていないのが残念だ。
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小泉八雲の「怪談」に、ヤン・シュヴァンクマイエルの挿画。いったいなんという組み合わせだ! しかもこの画のベースって、どう見てもアンティークな雰囲気の西洋画なんですよね。そこに思いっきり和物の妖怪画をコラージュって、あまりにとんでもない。常人には思いつかない組み合わせです。
でもこれがほどよく不気味なんですよね。ベースとなっている絵自体も謎めいていて、想像力を刺激されました。物語も画も、じっくり楽しみたい一冊です。 -
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この本を入手して浮かれヴァイオリンになり、家に帰り着くまで待ちきれず、帰り道のコーヒー屋でビリビリと袋を破って喜びの舞を久々に舞うなど。
シュヴァンクマイエルは乾いているけどその底には石の匂いのする湿り気があって、そういう点でハーンの「怪談」と相性が良い。一方、平井呈一の文章は「万年筆で書いている風」でも墨汁の黒色なので、シュヴァンクマイエルと同じ場所にいることにほんの少しの違和感。奥歯にざらりと感じる居心地の良い違和感。
ハーンの「怪談」は何回も読んでるはずなのに、ろくろ首の食事シーンがシュヴァンクマイエル的なのには今回初めて気付いた。
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。 「怪談」とシュバンクマイエル。 なんという取り合わせかと思いましたが、これはたいへん気に入りました。 絵の背景や人物はたぶん近代西洋のイラストレーションで、そこに日本の妖怪が奇妙に切り抜かれて姿を見せます。 物語とは相当ずれています。 ずれていますが、コラージュ特有の不条理なズレを持つ絵はパラレルな世界のようにずれを温存したまま物語に重なってしまいます。 別の言い方だと、和の器に東欧の料理を盛り付け、だけど食べてみたら隠れていた日本的な、たとえば杉か檜のような香が立ちあがってくる一皿。 美味です。
大判画集のおもむきなのですが、もちろん平井 呈一さんの翻訳も、わかりやすくかつ古い言葉の格を大事にしている感があっていい。 図書館で借りたのですが、返すのが惜しいほどでした。 やっぱり買ってしまおうかな。
ところで、「オトラントの城」で「シュバンクマイエル風の動画」と書いたのですが、あれはやっぱりシュバンクマイエル作品でした。
こちらにあります。 → https://www.nicovideo.jp/watch/sm14808444 -
面白かった。小泉八雲が古来の文献や伝承をもとに創作した怪奇短編集。著者の名前だけは知っていたけど作品を読むのは初めて。作品のストリーはなんとなく知っているのが多く一つ一つの作品がとても短い短編ではあったけど、それでも読み応えがあり面白かった。子供にも読んでほしい本?
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ハーンとマイエルの組み合わせ良い