6作目
毎度、あとがきの説教くささに興ざめ。話の中だけで風刺してくれれば良いのに。
今回は現代社会へのあからさまな批判話が多くて、その割りにそれぞれの終わり方が綺麗すぎかな。
勧善懲悪、ハッピーエンドは好きなんだけど、どうも現実味がないというか。
「右の腕」にモデルがいるのは切ない。
そして、ここまで読んできても主人公のイメージ映像が浮かんでこない。ドラマのイメージは違うしなあ。
優男でほっそり見えるが、脱いだらすごいんです、だ。
もう1冊読んで、じっくり考えよう。
「かれはもともと利発な子ども。ただ大人たちが、かれに真剣に向き合ってこなかったにすぎない。」(廓の仏)
「人間は誰でもこの広い世の中から、相性の良い相手を探し出して夫婦となったり、友としたりするもにじゃ。血がつながっていたとて、考え方や生き方がちがえば、それは親でも子でもない。」「相手の胸底まではっきり見えてしまうと、親子でも、もうどうないにもなりまへんわなあ」(悪い錆)
濡れ足袋の女
吉凶の蕎麦
ひとでなし
四年目の客
廓の仏
悪い錆
右の腕