ささらさや

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001169

感想・レビュー・書評

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  • 突然の事故で夫を亡くした、世間知らずで内気なサヤ
    死後もなお現世にとどまり続ける彼の魂は、彼を見る事の
    出来る身体にだけ、取り憑く事が出来る。
    サヤは、夫の家族が赤ん坊のユウスケを引き取りたい
    という事から逃げる為、『佐々良』という街へ移住する。
    数々の事件がサヤの身に降りかかるが、その度に
    亡くなった夫が、他人の姿を借りて助けに来てくれる…。


    佐々良に暮らすサヤを取り巻くのは、強烈な個性の3人のお婆さん
    彼女達がサヤの家で喋りまくる互いの悪口三昧には笑っちゃいます。
    3人が子育てや生活全般の様々な知識でサヤを支えてくれる。
    アクの強いお婆さん達の本来の温かい気持ちを引き出したのは、
    サヤの素直であったかい人柄だからこそなんだろうな。
    こんな素晴らしい関係が出来たんだ。
    エリカとダイヤ親子も良い味出してた。

    ささら さや という音と共に現れる亡くなった旦那様の
    『馬鹿っさや…』とっても、深い愛情溢れる言葉…。
    サヤが旦那様を思い出してポロポロ泣く…。
    切なかったなぁ。
    最後のトワイライト・メッセンジャーはウルッとしました。

    とっても、切なくて…優しさに溢れた物語でした。

  • パンチのきいたエピソードはないのですが、ほのぼのと読後感がよいです。

  • 不思議で、優しくて、素敵な物語。
    子供が生まれたばかりで夫をなくしてしまったサヤ。
    (彼女の性格にはちょっと難アリの気もするけれど)
    夫の親族に子供を奪われそうになり引っ越して来た
    佐佐良の町。

    そんな彼女を守るのは、亡き夫の幽霊。
    彼女が困難に巻き込まれる度、不思議な力で
    助けてくれる。
    ご近所さんの3人の老婆や、若いシングルマザーの
    キャラがなかなかユニークで楽しい。
    もっとも、知りたがりの珠子さんは、ちょっとどうかと
    思うけど(笑)

    全体に漂う優しい雰囲気が本当に大好きな作品。
    ラストの、ちょっと切ない余韻も素晴らしい。

  • 突然の交通事故でご主人を亡くし、生まれて間もないユウ坊とサヤの二人暮らしを想うと切なく、涙した。
    読み進めると大事な時にゴーストとして助けにきてくれるご主人の存在にホッとさせられたり、三人のお婆さんやエリカ親子のお友達の存在に親目線で微笑ましく感じている自分がいた。
    最後の章では、近いうちに ユウ坊から第一声の「パパ」発せられる喜びと共に、永遠の別れがあると想うと とても悲しく涙誘われた。

  • 優しい謎解きでした。切なくて優しくてこういう雰囲気大好きです。途中何度もじわりと来て何とか踏みとどまってたのにラストはもう駄目だった。胸に迫る。「ささら さや……」と聞こえてくるあの場面がとても好き。

  • 20年以上も前の作品だったことにびっくり!
    突拍子もない展開ではあったけれど、エリカや"3人の母たち"とのやりとりは微笑ましかった
    佐々良という不思議な地で、ユウスケにすくすくと育っていってほしいな

  • 事故で夫を失ったサヤは、赤ん坊のユウ坊と佐々良の街へ移住する。

    325ページ。装幀/幻冬舎ブックデザイン室 カバー・本文イラスト/菊池健

  • 涙、涙、でも笑顔で一杯にもなる素敵なミステリー小説である。(HPの日記より)
    ※2001.11.23購入@読書のすすめ
     2001.12.3読書開始
     2001.12.16読了
     売却済み

  • 星5つじゃ足りない。満天の星を全て贈りたい。
    ご病気で命と作家生命を絶たれなかったことをミステリの神に感謝!
    菊池健による表1・表4カバーイラストも素晴らしい。

  • カバー・本文イラスト / 菊池 健
    ブックデザイン / 幻冬舎デザイン室
    初出 / 『星星峡』'98年9月号、'99年9月号・10月号・12月号、'00年5月号・6月号・9月号・10月号・12月号、'01年1月号・6月号・7月号

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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