ウサニ

著者 :
  • 幻冬舎
3.69
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本棚登録 : 239
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344003941

感想・レビュー・書評

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  • 精霊のウサニと人間のコーゾーの物語。
    最後の方は共感できるような文章だった。
    けど内容としては私にはちょっと・・・。
    ファンタジーとして捉えるには少しリアリティーがありすぎるし、
    現実として捉えるには、少し難しい・・・かな。

  • ほぼ一人称で語られる愛についてのお話(だと思う。)

    アマゾンでイチゴの精霊を捕獲してきて、その精霊がウサギのぬいぐるみの中に入って…という不思議な始まりなのだけど。
    そのぬいぐるみの名前がウサニっていうの。

    深い。野島伸司ワールド全開。
    殺人があったり、ときたま英語が出てくるとことか。一気に軽さと可笑しさが加わって結構好きなんだよね。


    「あの素晴らしい愛をもう一度」
    「百万本のバラ」
    が出てくるあたりが「らしい」なと思わせます。

    愛?愛着?入れ物を愛す?目に見えないものが愛?
    チンプンカンプンで野島伸司が好きだから読めたもんです。

    最後のほうに「ネェ、ホントウに…」から始まるいくつもの問いかけは強烈です。

  • 私が初めて読んだ小説。
    最初見たとき、ファンタジーなのかと思ったけど、ラブストーリーもあるのかも♪
    ウサニの主人公に対する想いがピュアで、とても切ないお話です。

  • ずっと読みたいと思っていたがかといって注文する程の気力はなく、今日図書館でふらっとしてたら落ちてきたのがこの本だった
    2003年に発行されたということで、古いジェンダー意識は、充分感じられ、野島伸司でもこれか…落胆しつつページをめくっていた
    たった16年前でも男女について書かれる時、うんざりする古さが出る小説が多い
    社会通念は変わってきていると喜ぶべきか
    が、終盤にそれは覆された
    私は救われた気持ちになった
    確かに1人の女性を踏み台にして気づいた哲学ではある
    そこについては限りなく冷酷な男性に嫌悪感は感じる
    しかしその犠牲をへて、辿り着いた哲学はすばらしい
    これを読んだ人は現実に犠牲を出さず、気づいて欲しい
    あえておとぎ話のように描かれているが
    愛について信じたい人の希望

  • ぬいぐるみの愛、恋

  • 2018/4/28

  • 愛の哲学かな?
    個性的な文章で、楽しく読み進められた。
    性的な表現が多くてとても直接的でありながらも下品な印象はない。
    まさかの涙ぽろぽろ。
    ぽろぽろと涙が出てしまいました。

    大人になっても愛って何?答えが見つかりません。

    このお話は、私の心のお水がちょっと透明になった気分にさせてくれました。

    ウサニになりたい。
    いや、無理だな。

  • ネェ、ホントウに
    信じていいの?
    ネェ、ホントウに
    嘘をついてない?
    ネェ、ホントウに
    あたしだけ?
    ネェ、ホントウに
    変わらない?
    ネェ、ホントウに
    安心していいの?
    ネェ、
    ホントウのあたしを
    知っても平気?
    ネェ、ホントウの
    あたしは
    ズルイ子かもよ
    ネェ、ホントウの
    あたしは
    チョット
    わがままかもよ
    ネェ、ホントウの
    あたしはそんなに
    自信がないの
    ネェ、ホントウに
    愛してくれる?
    ネェ、ホントウに
    あたしを傷つけない?
    ネェ、ホントウに
    あたしを苦しめない?
    ネェ、ホントウに
    あたしは幸せになる?
    ネェ、ホントウに
    いつも一緒に
    眠ってくれる?
    ネェ、ホントウに
    「好きだよ」って
    言ってくれる?
    ネェ、ホントウに
    そういう目をして
    言ってくれる?

    -----------------------------------------------

    当店の本を1冊持って行った友人が置いていった本。

    彼女とは、つーつーかーかー。

    ファンタジーでホラーでぶっ飛んでるんだけど、至極、哲学。

    やっぱり野島伸司さんです。

  • ぬいぐるみと人間の恋愛小説。恋愛のもつ現実的な性質と非現実的で詩的な性質の両方どちらも無視しないことを最初から最後まで貫いてくれていて何もごまかさないお話です。文体は童話のようですが内容は性や愛について現実的に語っています。終わり方もメルヘンだけどこういうのほんとは誰もが信じたい恋愛の最終形態なんじゃないのかなあ。感想はウサニカワイイウサニは最強っていうことに尽きます。

  • 世の男共よ、浮気をするな。
    ということを妖精とかゾンビを使ってファンタジーな物語で説明する。

    はじめはイレモノに惹かれる。それが愛着。
    そして、長期交際を経ると、倦怠期が訪れる。
    イレモノへの愛着が薄れ、「着」が取れて、愛へと変化する。

    浮気はしたことが無いが、直球ド真中で胸に響いた。
    妙に説得力があった。


    人間の愛などは所詮意味などはなく、体の遺伝子や細胞が狂おしく求める、性的なひかれ方にあえなく敗れてしまうレベルなのでしょうか。だから人々は、永遠に愛を求め、愛を歌うが、誰も真実の愛など手に入れることはなく、誰もその意味すら知らず、絶え間なく、同じ過ちを繰り返すのでしょうか。

    愛ではなく、利己的な愛着があるウチは束縛し、嫉妬する。やがてその時期を過ぎれば再び別のイレモノにひかれて向かう。

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著者プロフィール

1963年、新潟県生まれ。88年脚本家デビュー。数々の話題作を手がける。

「2015年 『お兄ちゃん、ガチャ(2)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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