- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344011342
感想・レビュー・書評
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(2006.09.09に読んだときの感想を転記)再読の前に・・・
辻さんのそれを先に読んで、紅という女性はなんとかわいげのない女なのだろうか?そしてそんな彼女を愛した潤吾という男性はどういう男なのか?と疑問でいっぱいだったので、彼女側の意見を聞いてみようと、買ってきた。
読み始めると同時に私の頭の中はハテナマークでいっぱいになった。
違うぞ、私の知っている紅とは違う、潤吾が言っていた勝気でわがままで、金遣いが荒く、すぐに大声でわめきちらす紅はどこにもいなかった。
そして、うん、うんわかるよ紅。女の子ってみんなそうなんだよ、人を愛するということはそういうことなのよ、と涙目になりながら一気に読んだ。
もちろん、《悲愴》を聴きながら。
紅はどこにでもいる女の子だった。
かわいくてちょっと意地っ張り。だから本当のことを素直に言えない。
潤吾にも、ミンジュンにも。
でも、これはあくまでも小説なので、言わなくても潤吾にはちゃんと伝わるのだ。
多少時間がかかっても。
「世の中でどうしても取り戻すことのできないものは、流れ去った川の水と、過ぎ去った時間と、離れてしまった心」
でも、その心は決して離れてはいなかったんだね。
素敵。
すごく素敵な物語。
紅の友人のジヒとのやりとりもよかった。
ああいう友人関係っていいな、と思った。イカス。
そして、脇を固めたカンナとミンジュンにも、よく頑張ったねと一応ひと言だけ
伝えてあげよう。
この類の本はどちらから読むかで、ずいぶんと感想が異なってくると思う。
わたし的には断然辻バージョンから読むことをおすすめします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物2人の心理がわかって、
こういったコラボレーションものってなかなかいいなって思いました。
紅は私には無い女性像。
きっと、無言で去ることは無かっただろうし、
ずっと帰りを待ち続けたかな。。。
お互い長い歳月、思い続けられる事に憧れる。
それは離れているからなんだろう。。。 -
あらゆる人々と同じ星に生まれることができた幸いを忘れがちな時、ぼくは詩人の、平易で、しかし重みのある言葉を口腔で反芻するのであった。
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『冷静と情熱・・・』の感想を書いたところ、こっちもいいよと友達に薦められて読んでみた。面白かった!
主人公の潤吾は学生時代に付き合っていた韓国からの留学生紅(ホン)のことを忘れることができなくて・・・という、まさに冷静と情熱系の物語。文化の違いやそれぞれの国の歴史が絡み、すれ違い、理解しあえず別れてしまった二人。今ならあの頃の彼女の気持ちが理解できる、自分に足りなかったものがわかると韓国に飛んだ潤吾は、7年間の空白を埋めることができるのか?そもそもこの二人が再び一緒になることが幸せなのか?色々考えさせられる作品でした。
それにしても、『冷静と情熱・・・』でも思ったけど、そんな何年も昔の恋人が忘れられないってことがあるのかしらねぇ・・・。私あんまりロマンチックな人間じゃないから、そういうのよくわからないわ・・・。 -
ひねくれてて、わがままな感情なんだけど
すべてを理解してほしいのよねー。わかるっ! -
09/7/6 ★★☆
かつて日本に住んでいた韓国女性が韓国に帰り、
日本での元恋人に韓国で出会う話。
女性側の視点。
なんか読んでて気持ち悪い。
こいつぁ辻仁成の方がまだまし。
つか舞台がイタリア→韓国に移っただけだな -
辻仁成さんとのコラボ
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韓国
「でも、わたしは知っている。恋をすると人は保守的になるのだ。」(60)
「わたしたち韓国人と日本人は、よく似ている兄弟や民族のようだった。それが、アジアに戻るとそうはなれない。」(64)
「結婚はね、愛する人とするものではないのよ。それは地獄に落ちるのと同じ。結婚は、いい人とするものよ。」(72)
「別れが悲しいのは、別れた後初めてその出会いの価値に気づくからだろう。忘れてしまうのが寂しいのは、存在した全てが、その空いたところで初めて輝くからだろう。愛されないことよりもっと悲しいのは、愛することができないということに後になって気づくからだ。」(87)
「あのとき、わたしは二十二歳だった。留学生には勉強が一番大変なことだとしか思っていなかった。実は寂しさという最も大きな敵と戦わなければならないということも、誰かを愛するようになれば、熱病のようにいつまでも体の熱が下がらないことも、わたしは知らなかった。最初にそれが分かっていたら、世の中の全てのものを与えられるとしても愛には代えられないと、頑なにただ一人を愛そうとする愚か者が果たしているだろうか。」(91)