- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344015715
作品紹介・あらすじ
「第一話 小児病棟」のわたし…難病で何年も入退院を繰り返して人生を悲観する小学生。「第二話 一九九八年の思い出」のわたし…男に金を持ち逃げされ一文無しになったオカマのホームレス。「第三話 ルームメイト」のわたし…大学を中退してから職を転々とし、いまはスーパーのレジ打ちで糊口をしのぐ26歳の元OL。「最終話 供述調書」のわたし…郵便局を襲撃し、逮捕された実行犯。「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる三つの別々な話が、最終話で一つになるとき-。
感想・レビュー・書評
-
この表紙からは想像のつかないような話でした。
こんなダークな話だったとは。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歪んでる。自分がこの世で一番不幸だと思い込んでいる子供なんて、ろくでもない。大人になってからはさらにろくでもない。
双子なのになんで自分だけ。弟の歪な憎悪は姉に向けられ、姉は贖罪の気持から弟に逆らえず、、
「リリィ・シュシュのすべて」の救われない感じを思い出した。あの世界観から切なさや美しさを削ったような・・・ものすごく後味が悪い。しかし、浅野いにお氏あたりが好みそうな展開。 -
数日引きずりそうな重たいものをくらった気持ち…。凹みました。
-
くらい。。
みんなが素敵な明日を待てる訳ではないのは重々承知してるが、暗い。。
ちょっとしょんぼりしてしまった。 -
「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた。」
で各話が始まる。この言葉がいい。でも、このタイトルから思い描いた話とは全く違った。
子どもの悪意に満ちた心が本当に読んでて不快。常に死を意識していると、こんなに歪んでしまうものなのか。それとも子どもゆえに視野が狭くて極端になってしまうのか。
堕ちるときはあっという間で、自分がいつそうなるかはわからない。
彼女は自分でどうにか出来るタイミングはあったように思うけど、本人にとっては仕方なかったんだろう。
自分の現実と照らし合わせて、読んでいてどんよりする。話の構成自体は好きだけど、好きな話ではなかった。 -
なるほど・・・
そうなるのね -
装丁が気に入って借りた一冊。
救いのない話、たしかにそうなんだけど話の中心人物から一本引いたような文章だからかさらっと読めました。
好みが分かれるようでしたが、私は好きな内容でした -
+++
「第一話 小児病棟」のわたし…難病で何年も入退院を繰り返して人生を悲観する小学生。「第二話 一九九八年の思い出」のわたし…男に金を持ち逃げされ一文無しになったオカマのホームレス。「第三話 ルームメイト」のわたし…大学を中退してから職を転々とし、いまはスーパーのレジ打ちで糊口をしのぐ26歳の元OL。「最終話 供述調書」のわたし…郵便局を襲撃し、逮捕された実行犯。「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる三つの別々な話が、最終話で一つになるとき―。
+++
独立した短編集かと思ったのだが、登場人物がリンクしていてどうやら連作らしい、と判る。しかも最終話まで読むと、見事に一連の物語として繋がっている。だがこれは、なんという救いのない物語なのだろうか。過酷な人生を生きる人たちがそれぞれ主人公になっていて、それはそれでかなり救いがなさそうに見えるが、物語全体の主役とも言える人物の救われなさは静かに桁外れである。読後まで重苦しい気分を引きずる一冊である。