- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344017894
感想・レビュー・書評
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ああそう言えば、荒れた高校の反論とか、プロジェクトXで取り上げた企業への協賛金の強要とかメディアの記事があったな。素晴らしい番組だった。出版物も読んだ。NHKは生き残るか、小生には関係無!
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数々の社会派ドキュメンタリーで輝かしい受賞歴をもち、無名の日本人リーダーとそれを支えた人たちの挑戦と努力、そして栄光を描いて国民的番組「プロジェクトX」のプロデューサーであった元NHKの今井彰氏による自伝的小説。
傍流として地べたを這いつくばった時代、ジャーナリストとしての矜持、天界からおろされたクモの糸にすがるように組織を駆け上り、時代の寵児になるまでの軌跡、そして世の常として、嫉妬や羨望から足を引っ張られ、引き摺り下ろされる顛末が描かれる。
主人公にとっての再起の「プロジェクトX」は果たせなかった無念がこの小説を書かせた原動力か。
無能で私利私欲に固まった敵役が何度も主人公の上司になる(すなわち仕事ができないはずの敵役も出世を遂げている)など、相当に一方的な目線で描かれている可能性があることを割り引いても面白い。 -
元NHK「プロジェクトX」プロデューサーが書いた、NHKの実態。市民から徴収した費用で番組制作をするのだが、社内接待や派閥闘争だけで、なんの意味がない。しかし、「プロジェクトX」の番組は凄かった。皆が酔いしれた。だが、その番組も人気に成り過ぎたことで、足をひっぱる輩が多い。NHKは民間として出直せばいいと思う。
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とても面白かった。著者はプロジェクトXのプロデューサー。どのようにして番組を作り、大きな成功を収めたか、さらに周囲の妬みを買って失脚していったのか、自身の経験をもとに描いた物語。架空の放送局が舞台になっているけれども、明らかにNHKのことであり、嫉妬と保身の為に他人をこき下ろすNHKの内部の人間を批判している小説。
自分を引きずり降ろしたNHK職員と、自分を守らなかったNHKに対する怒りと憎悪がこれでもかってくらい伝わってきた。著者の主観が強すぎて、読んでる自分も憤りを感じるほど。しかし冷静に考えればどこまでが事実なのか、著者のバイアスがどれほどかかっているのかは分からないし、著者と敵対する立場の人間の言い分が全く無いので、どこまでが真実なのかは判断できない。
ただ、とても引き込まれながら一気に読んだため、著者はいくつもの名番組を作った実績を持っているだけあり、読み手を惹きつける話の組み立て方に長けているのだなと感じた。 -
本書を読んで、自己弁護と批判する人間がいる。その批判は必要か?
私には共感できる部分の多い良書だった。 -
半日で読了。物書きではないので、読み物としては三流だけれど、内容が辛辣なので読む価値大アリ。
「誰かが嘘をついている」物語のなかで素直には読めなかったけれど、還暦を迎えたおばあちゃんからの手紙にあった「この先どのくらい生きるのか分かりませんが、少なくとも自分の信じたものを信じ続けて生きたいと思います」という言葉に共感。もしかしたら著者が全部弁解として書いているかもしれないけれど、サラリーマンとしての経験からもプロジェクトXの一ファンとしても、著者を信じたい。
愛想がいいとか気立てがいいと評される人に比べて、きっとこの人は異常者の負の部分を引きつけちゃう人なんだろうなぁ。よくいるじゃん、変質者とかストーカーとか詐欺とか。なんでかしらないけど、同じことやっても人の恨みを買っちゃう本質の人。そんな感じ。すごくつらいけれど、それでも番組作りの才能とか、少人数だけど協力にバックアップしてくれる人との繋がりとか、得難いものは得ているんだろうね。
ともかく、読後感がたんまりあった作品。あまりに救いがなく、せつなくなった。。今は少しでも幸せな人生を送っているといいけど。 -
フィクションですが、ほぼノンフィクションなので「エッセイ」のカテゴリに。
「プロジェクトX」の元プロデューサーが書いたNHKの裏事情です。そういえば社会現象にまでなったのに、いつの間にか番組終わってましたね。
NHKのドロドロ人間関係が暴かれます。こんな状態なのか…… -
読み終え、思わずウ~ン・・と呻いてしまいました。
「チャレンジXをつぶそうとしている人間がいます」
浦上が吼えた。
「許さん!」
この本その物が、まるでプロジェクトXの番組のよう。
今井氏の去った後、いったい誰がぷろふぇを作ったのか気になります。 -
信じようと思う。
暗いニュースが多い中、名もなき人々のひたむきな情熱に光をあてて、人生を前向きにとらえようとした人だと思うから。
匿名性が高い時代に、好意的に受け取る人も否定的に受け取る人もいるのが分かっているなか、自らの素性を明らかにして小説というカタチでも世に出すというのは、とても覚悟のいるコトだったと思う。
体はもちろん、こころも大事にして、今後ご自身が納得できる充実した人生を送っていただければいいなと切に思う。
たくさんいる方がいいとは思うが、1人でも自分の事を信じてくれる人がいれば、幸せな人生だと思う。 -
久しぶりに読み応えのある小説だった。
でも「小説」というフィクションか?と考えると、限りなくノンフィクションに近いのかもしれない。
というのは、小説に登場するディレクターはまさに今井氏であり、全日本テレビ協会というのは「日本放送協会・・NHK」、そして番組名「チャレンジX」というのは、誰が読んでも「プロジェクトX」のことだとわかるからだ。
穿った見方をすれば今井氏は「小説」という手段を使って、自分を正当化しようとしているとも取れる。
真実はわからないにしても、やはり巨大な組織というものは何かの緊急事態には個人を切り捨てようとすることは間違いないのかもね・・。