ねえ、委員長

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 486
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021495

作品紹介・あらすじ

いじめられっこだけど歌が上手い祐希、長距離走の得意な陸上部のわたし(『Your song』)。黒板にすら、素敵な絵を描ける彼女、浮かないように自分に嘘をつく転入生のぼく(『泥棒の娘』)。品行方正・成績優秀な学級委員長のわたし、小説を書き始めた落ちこぼれの鹿山くん(『ねえ、委員長』)。初めてぼくが、本気で恋をした君へ。書けなかったラブレターのかわりに贈るもの。『いま、会いにゆきます』『そのときは彼によろしく』恋愛小説家・市川拓司の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • なんだろこの感覚。
    初めて読んだ作家さんだったけど、好きな表現に溢れてて、たまらなかった。自分の心の中にある感情を言葉にしてもらってるような、不思議な気になる箇所がちらばってた。年を重ねても重ねても薄っぺらな人もいるし(自分を含め)、鹿山くんと委員長のように10代で成熟した強さを持つ人だっている。年齢じゃないなぁ。

  • お互いに認め合えて、尊敬できて、誰よりも相手のことを信じられるような関係が、素敵でした。
    そんな恋愛ができたら、輝いて
    認められてるような
    感覚でいられるのかなと思いました。
    夢ができて、
    それを志すきっかけがあってって
    そういう瞬間が
    素敵だなぁと思います。

  • 3つの短編?集が集まった本だけど、最後の「ねえ、委員長」の余韻が残りすぎて他の2つってどんな内容だったっけ?と振り返って忘れてしまった。どの物語も、あまり目立たない人と、社会的にも目立つような人との交流が描かれているけれど、この本を読んだら、教室の隅にいるような人って何か特別な才能があるんじゃないか、って思ってしまった。人は見かけによらないとも言うし、先入観に騙されずどんな人とでも分け隔てなく付き合えるようになりたい。

  • あのころ、ついに言えなかったけれど、卒業しても、ずっとずっと好きだった君へ。
    実らない恋も悪くない。だって、君をずっと好きでいられるのだから。
    恋愛小説家・市川拓司による、かつて実らなかった三つの恋が十数年の時を超えて動き出す三つの中編小説。
    『泥棒の娘』・・・黒板に印象的な絵を描いた風変わりな同級生にひそかに署名なしの手紙を送った僕。
    『ねえ、委員長』・・・どうしようもない落ちこぼれの転校生に、小説家としての才能を見出してしまった、優等生なわたし。
    『Your Song』・・・誰にも群れず一人で長距離走の練習に励む私は、歌が抜群に上手いいじめられっこ・祐希くんを好きになってしまった。
    (アマゾンより引用)

    うーん…?

  • 設定や展開に類似性のある3作。いずれも、読後にほっとする感じがよいです。

  • 対極の場所で生きる彼と彼女が出会ったとき、ほのかな初恋が生まれた…
    淡く、ほのかな恋心がえがかれた、3つの短編集です。

    彼と彼女の立ち位置は、それぞれの短編の世界で、対極にいます。
    けれど、3つのお話に共通することは、彼と彼女の間に“透明なガラスの壁”があることです。

    「でも、こうやって距離を取れば取るほど、それと反比例するように、彼のそばにいたいという思いも強くなっていった。」(175ページ)

    お互いの姿は見え、話もできるのに、越えられないガラスの壁が立ちはだかる2人。
    その壁にはさまれた恋心は、気持ちは交わろうとも触れられないせつなさを感じます。

    「削いで削いで、極限までシンプルにして、なのに豊かなのってどうなんだろう?ってよくわたしは思った。逆に、盛って盛って、どんどん膨らましていくほどに乏しくなるものもある。

    こんなときわたしは世界は見た目通りではないんだってことに気づく。常識なんて嘘っぱちで、本当のことはその裏に隠されてしまっている。」(16ページ)

    生まれた恋心に、“常識”という足かせをはめられ、もがいてもどうしようもできない彼と彼女の苦しみが、読んでいて本当にせつないのです。

    世界の本当のところは、いつもいつも何かに覆われています。
    常識や理屈で固められた鎧は、一見その中にある想いを守っているように見えます。
    けれどその過保護な鎧は、結局は大切な想いを閉じこめる檻でしかありません。

    彼と彼女の間にさしこまれた、ガラスの壁を溶かす唯一のもの…それは離れていた間に流れる時間です。
    何年かの歳月が、ガラスの壁をゆっくり溶かしていった先に、彼と彼女は果たしてどう生きているのか…?
    3本の短編それぞれの結末を、おたのしみください。

  • 1個目のお話は濃いオレンジ
    2個目のお話はくすんだ水色
    3個目のお話は深い藍色
    ってかんじでした。
    どうしよう出来ない恋に切なくなりました。

  • 胸がきゅっとなって、涙がこぼれそうになりました。
    市川拓司さんの本はまだ数冊しか読んでないけど、こんな感じのが好きだなぁ。
    「恋愛寫眞」が好きな人はこれもおすすめしたくなります。
    最後の話の『ねぇ、委員長」』はたまらなく切ない。その辺の少女漫画よりぐっときます。
    委員長みたいな要素は自分にはかけらもないけど、こんな風に人と接することができたらなぁ。
    素直な恋がしたくなりました。

  • 三本の短編集
    登場人物は三本とも学生で周りにうまく適応できない者の男女の心の繋がりの話し、なんだけど恋の話しのようで深く読めない。
    大人の話しならまた違ったかもしれないけど若くないとこの設定はできないよな、読みやすいですけど。

  • “わたしの悦びは、あなたに伝えることで初めて本当の悦びになるの。”

    愛が身体中に染み渡って、涙腺が緩みました。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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