(日本人)

著者 :
  • 幻冬舎
3.99
  • (87)
  • (100)
  • (57)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 999
感想 : 104
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021761

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 夫のを借りて読みました。

    量的な厚みはもちろん、
    質的な厚みのある本で、
    読むのにかなりの時間を要した。

    内容は実に刺激的で興味深く明快。

    ただ、全てを理解するには
    知識、脳のキャパシティ、回転の良さ全てにおいて私は力不足でした。

    つまり、面白いけど、難しい。

  • 日本人は世界一世俗的である、日本人観は逆輸入されたものであるなど、一般的な日本人の特異性を覆えす序論に引き込まれる。
    武士道からエヴァンゲリオンまで引用の幅が広いPART1。
    全員一致の意思決定、ムラ社会のエートスが日本政治の妥協につながっている、なるほど。日本の世俗性は際立って高く地縁、血縁を捨て個人主義は常識を覆し。無限責任=無責任→東電、ふむ。ちょっと経済、政治の話で中だるみ、でもまとめにつなげる重要な部分。ネオリベ、ネオコン、ポスト福祉国家。お金から評判へ。ランボルギーニに乗らなくても評判を獲得できる社会、web2.0、SNS。シェアの世界。そして自由のユートピアへ。

  • これは今のところ今年一番の良書。
    従来の「日本人論」はアメリカからの輸入品であり,「極端な世俗性」が日本人の本性と説く。最近の政治や経済の失敗もさらにハシズムまでも合理的な説明がされていて非常にわかりやすい。
    381ページの長編だが2章毎にまとめがついていて読みやすい。さすがは幻冬舎。

  • 視点を変えた日本人論、おもしろかった。著者の文章が好きな人なら、なおさらかと。

  • いわゆる日本人論。3.11以降、今まで以上に「日本人」とは何か?ということが良く語られるようになりました。つくづく自分も「日本人的」だなぁ、と思います。

  • 一般的に思われている日本人のイメージと各国人のイメージを覆す良書です。そして現在起こっている世界のグローバリゼーションとそれに伴う意識変化と今後の方向性について示しており、”個人の幸福”を考える上で大変参考になりました。

  • エヴァンゲリオンや戦後日本人からマッカーサー元帥に送られた手紙などを駆使しして浮き彫りにする日本人論。読んでいてテンポがいいなぁ、と思うのはドラッカー先生の書き方に似ているからか?(最小限の統計やソースから簡潔で解りやすい言い切り型の結論を導く)
    人間の行動を規定するものは大きく「性」。ただし子孫を残す意味が男女で違うので縛られ方は違ってくる。
    ローカルでみた時の日本人の特徴は世俗に縛られること。
    グローバルな場所にでた時の日本人は?

  • 今のところ、今年ナンバーワンの本。
    多分、抜かれることはないと思えるくらいの良書。


    橘玲の本のハズレなし。

    〈著者による紹介〉----------------------------------------------------------------

    みなさまへ

    幻冬舎から、『(日本人)』が12日に発売されます。「かっこにっぽんじん」と読んで、「“日本人”をいちどカッコに入れてみよう」という意味を込めました。

    都内の一部書店では、すでに店頭に並んでいるようです。Amazonでも予約注文が可能になりました。

    私たちはごく自然に、「日本人は」とか、「日本社会は」などといいますが、こうした語り方の背後には、「日本(人)は特別だ」という暗黙の了解があります。論者によって、「日本はスゴい」というひともいれば、「だから日本はダメなんだ」というひともいますが、「世界のなかで特別な私たち」という意識は同じです。

    この本では、こうした“日本特殊論”からすこし距離を置いて、「私たちはいったいどんな場所にいるのか?」を考えてみました。それは、「私はいったい誰なのか」という問いでもあります。

    これまで日本は、「空気」の支配する社会だとされてきました。しかしここでは、「空気」ではなく「水」から、日本社会を分析しています(「水」がいったいなんであるかは、本書をお読みください)。

    私たちはみな、日本(人)が好きで、同時に、日本(人)を憎んでいます。この本を書き得たたことで、私たちの抱えるそんな暗いどうしようもなさの謎を、いくばくかでも解くことができたのではないかと考えています。

    私たちは、〈夢〉を語ることが困難な時代を生きています。しかしそれでも、私たちは〈夢〉を見ずにはいられません。

    一人でも多くのみなさまに、手にとっていただければ幸いです。

    橘 玲

    --------------------------------------------------------------------------------------


    内容は、著者のここ最近の著作でよく触れられている進化心理学を基にした現代評論。

    進化心理学とは、倫理観、正義などの人間の心と呼ばれるものであっても、それらはすべて進化に最適化するために生まれてものでありますよんというもの。

    この進化心理学の最新の研究結果を用いて、本書では、①ローカル(日本)、②グローバル、③ユートピア(未来)の三部構成で今この社会が抱えているモヤモヤとした不安について説明している。

    去年バカ売れした、マイケル・サンデルの「これからの正義の話」などが好きな人は絶対に読むべき。



    ①ローカル~日本の正義~
    日本人論を見ると、空気を読む文化などの日本人の特殊性が挙げられる。

    しかし、それらも日本という環境に最適化した結果生まれたものであり、同じような環境であるタイでも、日本人と似たような資質が見られる。

    また、統計調査などから、日本人はどういう民族か。
    そして、なぜ、そのようになったのかが丁寧に説明される。





    ②グローバル~世界の正義~
    一部で日本人について触れ、二部では視野を世界に広げ、世界はどのように最適化しているのかが述べられている。

    つまり、グローバリズムについてだ。

    詳しい説明は簡単な経済学の話なので省くが、グローバリズムとは世界規模の絶対的な正義である。

    だからこそ、日本人はグローバリズムを嫌いながらも、完全に拒否することはできない。

    ③ユートピア~これからの日本人の正義~
    ここまでこの世界の現状を述べ、第三部ではこれからのこと、未来の話が述べられる。

    最近、なにかと話題の評価経済(文中では評判経済)についても触れられている。

    あくまで未来の話なので、今までと比べると内容が薄いように感じてしまうが、漠然と不安を抱えている人にとっては何かしらのヒントになる話ばかりだ。



    本書は3.11の震災の影響を色濃く受けている。
    あの震災があったから、こういうことを考えはじめたのだろう。

    もちろん、その前からなんだかよくわからないモヤが日本にはかかっていたけど、震災以降はそういうものを無視してはいられないという風潮が起きてきた。

    その結果の一つがこの本である。

    少しでもそのモヤが晴れたのではないかと思うのは私だけではないでしょう。



    ※ここで述べられる『正義』とは進化における『正義』であるから、『合理的な正解』くらいにとらえてもらえるとわかりやすいと思う。



    これは絶対に読むべき本。
    難しそうだけど、意外と読みやすいです。


    では、バイちゃ!

  • 「日本人の特殊性」として、一般に(日本の中で)言われ、信じられていることが、人類共通の原理だったり、アジアの肥沃な自然環境のなかでは一般的な行動様式だったりすることを、著者の博覧強記で明らかにしていく。

    そうやって残る日本人の特殊性とは突出した世俗性=現世利益中心主義にあり、世俗性を維持したまま自由な自己表現をできる社会を実現できるかがこの国の<希望>であり、著者の<夢>だという。
    同意である。

  • (2012/6/1読了)橘 玲氏の新刊。大変興味深い考察・・・ではあるんだけど、テーマが深遠すぎてまだ消化しきれてない。
    ただ「日本人は世界の中でダントツに権威や権力が嫌い」とか「日本人の世俗指数の高さは突出している」などの統計データは面白い。日本人が世俗的なのは、そりゃあ質問の仕方が「宗教は人生においてとても重要である」とかじゃあ、日本人は無宗教だと自認しているのだから当然の結果。墓参りは宗教だと思ってない人たちだからね(^^;

全104件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橘玲の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リチャード P....
エリック・リース
ウォルター・アイ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×