ヒートアップ

著者 :
  • 幻冬舎
3.45
  • (17)
  • (134)
  • (139)
  • (19)
  • (4)
本棚登録 : 658
感想 : 121
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022430

作品紹介・あらすじ

七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警察とは違いおとり捜査を許された存在で、さらに"特異体質"のおかげもあり検挙率はナンバーワン。都内繁華街で人気の非合法ドラッグ"ヒート"-破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す悪魔のクスリ-の捜査をしている。暴力団組員の山崎からヒートの売人・仙道を確保するため手を組まないかと持ちかけられ、行動を共にして一週間。その仙道が殺される。死体の傍に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された…。殺人容疑をかけられた麻取のエース・七尾。誰が、なぜ嵌めたのか!?冤罪は晴らせるか!?-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 都内の繁華街で、破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す、悪魔のクスリ“ヒート”という非合法ドラッグを使用した若者達の抗争が、激化していた。

    関東信越地区のエース「特異体質」のお陰もあり、囮捜査にかけては、他の追随を許さないといわれる、七尾究一郎が、ヒートの捜査に乗り出した。

    その七尾に、暴力団「宏龍会」渉外委員長・山崎岳海から、ヒートの売人、仙道寛人を確保するため、手を組まないかと持ちかけられる。

    警察の機動力と暴力団の情報力。
    お互いに、補い合えると、行動を共にすることになったが、その仙道が、確保する寸前に殺害されてしまった。
    しかも、死体の傍に転がっていた鉄パイプから、七尾の指紋が検出された。

    お決まりのどんでん返し。
    面白かった。
    捜査官とヤクザがコンビを組んで、何かから逃げ、お互いに、腹の探り合いをしながら、助け合い、いつの間にか、心が通う。
    そんな作品が大好きだと気づいた。

  • 七尾究一郎は厚生労働省所属の麻薬取締官だった。七尾は麻薬に依存しない特異体質で、囮捜査も許されていた。
    ドイツの製薬会社が戦争用に開発した特殊薬物「ヒート」が闇市場に流出し、「ヒート」の売人を追うことに。
    広域指定暴力団の渉外委員長の山崎が七尾に接触し、手を組まないかと誘われる。
    お互いの利害が一致した七尾は、山崎と共に「ヒート」の売人を追うが、もう一歩のところで何者かに殺される。
    そして、その場に残された凶器の鉄パイプから七尾の指紋が見つかり、「ヒート」のアンプルは何者かに奪われていた。


    流石は中山七里先生。
    臨場感溢れ過ぎる描写で、もう痛いわ、熱いわ、最後は焼け焦げましたわ^^;

    手に汗握る描写が後半炸裂。
    これ映像で見たら、心臓バクバクだろうなぁ。。。

    この本は、魔女は甦るを先に読んでおくことをおすすめする。


    読書好きにはネタバレしそうなので、この先は未読の人は読まないで(笑)










    ○○トリックだが、最後の最後まで全く気が付かなかった。
    こちらも流石の中山七里先生。

  • バディ•••。

    昔から刑事ドラマなどで相棒と二人組というのは見慣れているが、

    こんな組み合わせアリ? 麻薬取締官と•••。

    そして、そんな特異体質って本当にあるの?

    僕はフォロワーさんたちに「中山七里」を注入され、抗うことができなくなった通常体質。

    「中山七里作品は人気なので図書館では貸出中のことが多い」

    教えてくれたgoya626さんの言葉通り、本作も見つけた瞬間、パパッと鞄にしまうよう、僕の身体は勝手に動く。

    今、アクション映画を観終えたような感じ。

    「文章を読む」というストレス(?)をまったく感じなかったのだ。

    まさに、ヒート効果抜群 であった。

  • 厚生省医薬食品局麻薬対策課麻薬取締官の七尾究一郎が主人公のミステリーというよりアクションかな。ドイツの製薬会社が開発した人間の破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、誰をも人間兵器に変えてしまう悪魔のクスリのヒートを巡って、物語は展開していく。日本がヒートの効果を確かめるための実験地になってしまうというとんでもない話だが、後半にアメリカ軍が出てくることを含めて、有りうることなのか、与太話に過ぎないのか、簡単には言えないかもしれない。七尾とヤクザの山崎との友情っぽい成り行きや、麻薬取締官たちの仲間意識などなんだか微笑ましいところもあって面白い。意外とアクション部分よりこっちのほうが作者の主眼だったり。それにしても七尾は無敵だねえ。最後に作者お得意のどんでん返しもある。

  • 「魔女は甦る」を読んでからおすすめします
    麻取のエース七尾とヤクザ山崎の共同戦線
    おとり捜査が得意で、相手を騙すためなら特異体質を利用して自分の腕に針を刺す、いつも自分の信念が正しいと思っている七尾
    殺人犯に仕立てられた、嵌められた挙げ句
    スタンバーグ日本支社があった魔窟神島町、ヒート汚染区域に潜入
    そして気になるあの人はやっぱり生きていたんだ。。。
    自分の予想が当たって少々自己満足
    殺人犯に仕立てたヤツはそんな素振りも感じさせない意外な人だった
    ちょっと残念

  • ヒートシリーズの第二弾。前作ほど残酷な描写はないものの、マトリとヤクザがコンビを組むという展開は面白かったです。最後のドンデン返しはなんとなく読めてしまいましたが…。

  • 「魔女は甦る」のその後の話ということで気になって、怖いもの見たさで読んだ。
    麻薬怖い。ヤクザも怖いし、麻薬取締官も怖い。
    前作よりは、惨殺死体もなく戦闘シーンも短めだった点は、読みやすかったかな。

    山崎さんは、けっこういろんな作品に登場するなー。なかなか謎の多い人だけど、今後の作品で山崎家にフォーカスすることもあるのだろうか?娘の話がちょっと気になる。
    前作の二人のその後についても、何か少し情報があったらよかったな。

  • この作品だけ読んでも楽しめると思いますが、前作の「魔女は甦る」を先に読むことをオススメします。

    中山七里さんの作品では、教誨師や名を馳せるピアニストなど、他ではあまり見ないキャラクターが登場しますが、今作では麻薬取締官とヤクザという異様なコンビが活躍します。

    事件の解決は最後あっさりとしていますが、読み応えのあるアクションで満足しています。

  • 前作に引き続きアクションが凄まじかった。
    刊行順に読んでて良かった。

  • 麻薬取締官、七尾を主人公にした2作目。情けないことに、前作を読まずに読んでしまったので、前作のネタバレになってしまったが、特異体質で仕事にストイックな七尾のキャラが気に入り、はまってしまった。
    ヒートを巡り、奔走する七尾に次から次へと難題が降りかかる。
    最後は少しどんでん返しもあり、スピード感もあり、楽しめる。

全121件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×