身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026803

作品紹介・あらすじ

おカネで買えない愛はほしい。でもそんな退屈なものだけじゃ、満たされない。話題の書『「AV女優」の社会学』著者が赤裸々かつ健気に語る、ワタシたちの幸せの話。

感想・レビュー・書評

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  • この前に彼女の『愛と子宮に花束を ~夜のオネエサンの母娘論~』を、さらにその前に彼女の父(東大大学院から大学教授という人)の『バレエへの招待』を読みました。

    彼女を作ったのはまさに「父母」。
    あまり例のないタイプなので、とても面白いと思いました。
    (でもお母さんはかなり辛かったと思います。胃がんで亡くなっているし…。ごめんなさい、面白いと言ってしまって)

    私にはなれそうもありませんが
    涼美さんみたいに考えられたらすごく楽なんじゃないかと思いました。
    たとえば騙されAVに出演させられて、その後自殺したなどという話をきくと、「もっと軽く考えていいんじゃない?」とか、とか。

    そういう世界もある。
    そういう人間もいるということ。

  •  著者は慶應SFCから東大大学院に進み、日経の記者をしていた社会学者・文筆家。
     学生時代に「佐藤るり」の芸名でAV女優として活躍していた時期があり、そのことが『週刊文春』の記事になって、今秋大きな話題をまいた。
     たしかに、学歴・経歴とAV女優であったことの落差は、おじさんたち(私含む)の関心をそそるに十分だ。

     本書は、著者が幻冬舎のサイトに連載した「お乳は生きるための筋肉です~夜のおねえさんの超恋愛論~」の単行本化。

     タイトルの印象から、AV女優時代の思い出とか、日経を辞めた経緯などが大きな紙数を割いて書かれているのだと思い込み(えげつない幻冬舎のことだから、そういう誤解を狙ってこのタイトルにしたのだろう)、下世話な興味から手を伸ばしてみた。
     しかし読んでみれば、AV女優時代のこと、日経記者時代のことにはほとんど触れられていないのであった。

     では何が書かれているかといえば、著者のキャバ嬢時代やホストクラブ通いの思い出、つきあった男たちの思い出、著者の女ともだち(風俗嬢やAV女優なども多い)をめぐるさまざまなエピソードなど……。
     恋愛論・幸福論としての側面もないわけではないが、論というよりは「自分語りエッセイ」である。

     性愛や風俗体験、ホストクラブ通いなどについて綴った優れたエッセイといえば、菜摘ひかるや中村うさぎのものが思い浮かぶ。本書は、菜摘や中村の作品に比べると、ずいぶん見劣りがする。
     「とめどない垂れ流し」という印象のダラダラした自分語りに辟易するし、さまざまな面で恵まれた環境に育った女性らしい“自覚なき上から目線”が随所に感じられ、読後感はよくない。

     ときおりキラリと光る一節はあるものの、著者はポスト菜摘ひかる、ポスト中村うさぎにはなり得ないと思う。

     私は、著者の最初の単著『「AV女優」の社会学』をまだ読んでいない。修士論文をベースにしたという同書を先に読んでいれば、また印象が違った(「へーえ、こういうくだけた本も書けるんだぁ」的な)のかもしれないが……。

  • 40代のおっさんがギャルの振りして書いたらこんな感じかなっていう文章。ボキャブラリーは豊富だが中身は薄い。人生の空虚さを酒とセックスで埋めている女。頭はいいらしい。慶応→東大院卒→日経新聞。元AV女優

  • 著作というのは、著者の喋り方を反映する。
    目の前に居れば、きっとこんな話し方。
    言葉が散乱している。

    金原ひとみの蛇にピアスあたりに出てきそうな人物像が、実像としてリアルに物語る。

    こういう人たちの世界観というか価値観は面白い。しかし、取り巻く友人紹介まで広げられた時に、本当どうでもいい、という感じになってしまう。友人たちとの間に形成される約束事は、全て友人と繋がるためだけのモノ。自らの体験を通じた価値観ではなく、ジンクスのような思い込みの価値観で、ハッキリ言ってつまらないのだ。

    もっと頭の良い作者だと思っていた。ただ単に、性の商品化に対し、一家言ある女性に過ぎない。歴史も哲学も国家も生理学もイデオロギーもない。量産化されたギャルのマイナーチェンジモデルがそこにあるだけである。

  • いっやー、キッツい本だった・・・・・・
    メマイがするくらい、キっツ・・・・・・

    どーして、こんなにキッツい本を読むことになったか、と言えば

    望月衣塑子のyoutubeチャンネル見てたら、この人が出てて
    はじめて、この人、見たんだけど
    彼女は、性について喋っていて

    それも、アホなフェミニストの見当違いな言説とはまるで違う、おおよそ女性とは思えないくらい、男性の心理を正確に把握したうえで、とても論理的に話してていて・・・・・・そんな人、今まで見たことなかったから・・・・・・ちょっと、後ずさってしまったんだよね

    そして
    なぜか
    話している間中
    望月衣塑子と、彼女の視線が交わらないのよ・・・・・・

    その、視線が宙に浮いてるカンジが、とてもキモチ悪くて、この人の底なしの複雑な内面を覗き込んだような気がして
    恐くなってきて・・・・・・
    この人、誰?って思って・・・・・・

    『身体を売ったらサヨウナラ』
    『愛と支給に花束を』
    『オンナの値段』

    を、図書館に予約したら
    どれも、すぐ借りれた

    読んでみたら、重すぎて、空気が淀んでいて、息が苦しくなって・・・・・・

    『オンナの値段』の表紙に載ってる
    上野千鶴子教授のクソありがたいお言葉なんぞ、まるで見当違いそのもので一文の価値もないくらい、鈴木涼美は本当のことを書いている・・・・・・

    鈴木涼美は、ものすごい優越感と劣等感が交錯する、残酷な戦場のような場所で、エリートのパパとママに、強烈に反抗しながら血迷ってる傷だらけの戦士のような人だった・・・・・・

    1
    あっ、サルヴァトーレは、オレも好き♪

    「好きな人にもらうんだったら4℃のアクセサリーでもうれしいし・・・・・・」

    4℃のアクセサリーって、すっかり安物の代名詞になったみたいで、ブランド戦略を変えたみたいね

    2
    「カルティエのネックレスとエルメスの時計、小脇に抱えるボードリヤール」

    うぷぷ
    どんな女子高生だよ、それは?

    30
    IQが高すぎて、横国から、トロント大学の工学部に行った天才の話

    つきあってみたら、嘘が多くて
    「私は、男に意味のわからない嘘をつかせる何かを持っていたに違いない」

    でしょーね

    16
    うっわー
    宮台真司の主催するイベントにゲストとして出演してたんだー

    ダメダこりゃ!

    近頃、老人になった宮台が、女子大生とイチャイチャしてるのが週刊誌に出てたらしいね

    まあ、そういう人だよね

    41
    「女子校でカソリックで」

    女子校がカソリックだったことが、鈴木涼美になんらかの悪影響を与えているではないか

    48
    「私は父に似てる」
    建設的な話し合いを好む母とは対象的に
    父は時々破滅的な遊び方をする
    私はそれを引き継いだ

    「母は過剰に明るさを演出し、父や私は暗さを演出する」

    たしかに、鈴木涼美には、母親が複雑で深刻な影響を与えているけど
    同時に、父親の破滅的な遊びも、強い影響を与えている
    お母さんっ子であるのと同じくらい、あるいは、それ以上、お父さん子なんじゃないかなあ

    54
    なぜかボードリヤールのどーでもいい引用

    116
    パンツの話がキモチ悪い・・・・・・

    118
    私は幸いにして共働きの忙しい両親の子として育てられたし

    160
    私も以前、別れた男が両親に宛てて、私があられもないポーズで全身をさらしている写真や映像を送られたことがある。
    うちの親も結構つらい思いをしている。

    167

    「でも私はやっぱり慎重だもん。そういうことを出さないことに。だってそれで男に劣等感持たれるのってすごくもったいないし、危険よ」

    213
    なぜか下北沢に住んでる
    似合わない

    ----------------------------------------

    最後まで読んで分かった

    鈴木涼美は、やたらオンナを強調してるけど、実は、男っぽいんだよ。
    大好きなパパの影響っつーか、ファーザーコンプレックスっつーか。

    彼女が男だったら、もっと物事がスムーズにいっただろう

    宮台真司みたいに、どれだけ破滅的な遊びをやったって、フツーに結婚して、フツーに離婚して、自分よりずっと年下の、カソリックの、お嬢様と、年の差婚して

    老人になってからも、女子大生の恋人とイチャイチャしながら、病院のガン検診に通っていたんだと思う。

  • 上野千鶴子さんの本に紹介されていて知った作家さん。
    同じく紹介されていた団塊ジュニアの雨宮処凜さんの本は共感しきりだったのだけれど、
    私の下の世代の鈴木さんの本は読んでびっくりした。
    確かに鈴木さんと同じ年頃の知り合いは、同じような空気感を持っていた。
    彼女もキャバクラのキャストを過去してて、母親はしっかり働いていて、小金持ちで、自分自身も高学歴で、けど満たされない思いを抱えていて、みたいな。

    私の親の世代は団塊世代で、専業主婦で、
    『私のように男に頼らないと生きていけない女にはならないで。』というのが母親の口癖だった。

    世代によって、ほんとに違うんだなとすごく勉強になった。

    今度は別の本も読んでみよう。

  • すごくなんというか、なんだ。日記を覗き見したような感じで。主語やらなんやらが後に出てきたりと、言葉の羅列がとてつもなく追いづらい。

    途中まで読んで初めて、
    アンタの話じゃないんかい!
    って言う話を聞いた。とか。笑笑

    なんだかものすごい話が飛び出すのかなーやっぱり。とかAVに出るくらいだもの何かあったんだろうなーと思って見てたけど、多分そこそこ可愛いくて、そこそこ胸が大きかった。ってだけっぽかった。笑笑

    そして、出たとしても特に特別ななんだかはなく、その辺の人捕まえて話聞いてもこんな話ゴロゴロしてそうだし。いやいやその辺の人のほうが、凄まじい人生送ってるよ。と思うくらいに、淡々と普通の話だったわ。

    笑笑

    そして、何がダメって、読みづらい!!!!!

    これかなりマイナスポイントだなぁ。と思いながらなんとか最後まで読みました。元旦からこの本にあたったのは、なんか幸先よくねぇなぁ。

    そんな呟きが漏れる一冊。

  • 母「極端だし、私はあなたのことは誇りに思ってる。でも若い男なんて平凡なものだよ、少なくとも私は、男は女以上に、『男になる』生き物だと思ってる。守るべきものを見つけてから非凡さを発揮するし、成熟するし、魅力的になる。もちろん退屈なまま終わる男もいるけど。だから、現在平凡でどこにでもいそうでも、後々非凡になるタネを持った男を見抜かないと。平凡は嫌、退屈は嫌、と思ってたら見紛うよ。それでさ、そういう魅力的にこれからなっていく、未成熟な男は、あなたの谷間とシャネルの香水で逃げ出しちゃうかもよ。寄ってくるのはせいぜいストップ高の男だけでさ」

  • 鈴木涼美の本を読んでみたら、なんかお母さんも(面白い?)魅力的な人な感じで気になった。お母さんも研究者の人で本を出しているみたいだから、今度読んでみようかなあ。

  • ちょうど最近のインタビュー記事(?)で、夜の女の子たちの空気感を表現したかった、というようなことを話していらっしゃったけど、まさに。知らないけど、なんかわかる、という感じがしました。おもしろかった。

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著者プロフィール

鈴木涼美

作家。1983年東京都生まれ。慶應大環境情報学部在学中にAVデビュー。その後はキャバクラなどに勤務しながら東大大学院社会情報学修士課程修了。修士論文は後に『「AV女優」の社会学』として書籍化。日本経済新聞社記者を経てフリーの文筆業に。書評・映画評から恋愛エッセイまで幅広く執筆。著書に『身体を売ったらサヨウナラ』『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』『ニッポンのおじさん』『JJとその時代』、『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子氏との共著)など。

「2022年 『娼婦の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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