蜜蜂と遠雷

著者 :
  • 幻冬舎
4.35
  • (2895)
  • (1827)
  • (642)
  • (117)
  • (31)
本棚登録 : 20514
感想 : 2173
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030039

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ピアニストたちが、ライバルから刺激を受け、成長していく話です。私自身、ピアノをしていることもあって深いなと思うシーンが何度かありました。
    ただ、本作は音楽の文化や歴史などに触れており、気軽に読むには少々難しかったです。

  • 読了するのに、
    すっごい時間がかかった。

    楽曲を知ってれば、
    もっと引き込まれたかも。
    楽曲を知らないから、
    言葉に集中して読んだ感じ。

    頭の中でイメージが形にならないイライラ
    言葉の氾濫に疲れた。

    ほぼ毎回、
    寝落ち…

  • 天才たちが集う国際ピアノコンテストの物語。物語というより音楽を楽しめる小説だと思う。文字で紡がれた音楽を感じるのがこの小説の醍醐味なんじゃないかな。

    ドラマティックなことは起こらない。誰かが下手な失敗をすることも大きく取り乱すこともない、天才たちがそれぞれの感性を、それぞれの音楽を、良さを認め合い追求していく様が尊い。

    この小説でハッとしたところは3つ。
    ①「自分らしさ」について。日本の「自分らしさ」とは苦難の末に見つけた自分らしさであり、海外の人の持つ「自分らしさ」とはもともと持っているもの、というような文章。

    ②"明石には、嫌われたくないとか主張したくないという、言わば減点法の優しさではない、本質的な他者への優しさがあった"

    ③"説明はしない、感じさせる" 余白。
        

  • 本屋大賞と直木賞を同時受賞!音が聞こえない文章の世界だからこそ、想像力で読ませることができて、逆に映画化は大変だったのではないかと思いました。(映画は観ていませんが)

  • ピアノの天下一武道会。
    全然ピアノの知識がなくても、手を変え品を変えた比喩で楽しめる。

  • 扉ページの『ホフマンからの推薦状』にまずワクワクする。第一章第一節の『エントリー』の導入も格調高く、これからすごい世界が開けていきそうだという期待に胸が高まる。実際、一次予選から本選までの2週間の物語の中で濃密な音楽の世界を500ページの長きにわたって体験し、圧倒されることになる。
    著者自身が音楽を嗜んだことのある人なのかどうかはわからないが、そうでないとすれば、尋常ではないリサーチ力である。古典音楽の解釈から専門的な知識まで、その世界にいたかのような記述力で説得力がある。コンテスタントたちが演奏する曲をいちいち聴いてみたくなる。これはすごい表現力だ。
    ただ、2点難を挙げるとすれば、一つは人物描写、もう一つは長さについてである。
    まず人物描写についてであるが、ストーリーのメインとなる人物が悉くどこか現実味がない(唯一、高島明石には共感できた)。人間離れした音楽の天才たちばかりなので外野の凡人には共感できないのも当たり前なのかもしれないが、それを差し引いても違和感を覚えずにはいられない。例えば風間塵。16歳ということになっているが、そのあまりの天衣無縫な精神性はどう読み込んでも小学生の人物像しか浮かばない。かと思えば、生け花って矛盾してますよね、みたいな老成したような発言をしたり。他の人物も、行動や言い回し含めどうしてもリアリティを感じない。
    同じ曲を同じように上手い人が演奏しても、こんなにも多様な聴こえ方をするのかと、音楽世界の奥深さを思い知らされたが、いささか大げさな感もあり、人物像の非リアルなところも相まって、現実世界を舞台にしていながらどこかファンタジーのようにも思えてしまった。一つの曲から広がってくる世界を感じることがこの物語の面白いところであり、醍醐味でもあるのだが。
    もう一つは、一ページ2段構成で500ページ超えの長さである。主に4人のコンテスタントを、1次、2次、3次、そして本選と描いているので、どうしてもそれくらいになってしまうのかもしれないが、やはり冗長な感は否めない。ところどころに必要性のない文章や部分もあったように思う。必然性のない長さというのは、私にはどうしても良いとは思えない。

  • 長い。とにかく長い。
    特に音楽にあまり関心がない自分には長かった。
    音楽に関心がなくても引き込まれるピアノの世界観を表現した著者の才能…勤勉さかなには圧巻。
    プロのピアニストではないのに、こんなにも音楽を、ピアノを、ピアニストたちを言語化できるなんて、やはりプロの物書きなのだと脱帽である。

    ストーリーも、キャラクターも、いわゆる文化的な価値も申し分ないと思うのだけど、単に好みと関心の方向性が自分の琴線とはちょっぴりズレていたため、星3つです。

    人によっては星5つの傑作であること間違いなし!

  • クラシックのピアノにこんなにたくさんの表情があるのかと驚くくらいの表現力。曲集聴きながら読んでみたり。
    本選のあっさりした多くは語らないラストが爽快だった。

  • 長かった、、、。音楽を小説で表現するのは難しいけれど素晴らしい音だろうと想像しながら読むのは楽しかった。映画がより楽しみになる。
    でも本当に長かった、、、。

  • 音楽に馴染みのない自分でも圧倒的な表現で感嘆。
    ただ、馴染みのないジャンルだったのでこの評価に。(単純に好みでないだけ)
    ピアノ習ってた人とかならドンピシャな本だと思う。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×