絶対正義

著者 :
  • 幻冬舎
3.64
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本棚登録 : 749
感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030251

感想・レビュー・書評

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  • 正義とは。
    正しさがいつも正義とは限らないってのがヒシヒシと感じる本やった。
    それはそーやねんけど。。って何回も思ってしまった。
    大事にしなきゃいけない正しさってなんなんやろ。人によって違うんだろなと色々考えた。
    しかし…ただただ範子みたいな人とは友達にはなられへんと強く思った。

  • うわー、いい意味でモヤモヤする!笑
    偽善よりは正義のほうが『正しい』気がする。例えば由美子のホームレスの話しかり、スーパーで窃盗をした男の子のことしかり…。その時「可哀想だから」と見逃すことが本当にその人たちや周りの人のためになるのか?ということを考えると。でも当人たち(正しくないことをした人たち)にとったら確かに正義なんてクソくらえだよなぁ…。
    結局は自分が当事者なのかそうじゃないのかなのかも。

    • れにさん
      読了お疲れ様です。自分はどちらかというと融通がきかず白か黒にしか分けられなくてグレーというものが自分の中に存在しないしグレーをつくってしまう...
      読了お疲れ様です。自分はどちらかというと融通がきかず白か黒にしか分けられなくてグレーというものが自分の中に存在しないしグレーをつくってしまうと白と黒の意味とか必要性がわからくなってしまう不器用人間なので(特に仕事となると尚更極端)かなり生きづらかったし周りにも融通きかない人って思われてたと思います。だから主人公の気持ち結構理解できちゃいます(笑)
      2024/05/03
  • 山梨の高校で仲良しだった和樹、由美子、理穂、麗香。そんな4人は、ある日一人でお弁当を食べる範子に声をかけるが、範子は「正義」のためなら手段を選ばない人間で、そんな範子に4人それぞれが追い込まれていく…範子の「正義」は確かに正しいのかもしれない。でも、人の気持ちを考えない「正義」は「不愉快」とも隣り合わせあることを実感する。4人がそれぞれメインになって、それぞれが範子から受けた「正義」に苦しむ様子を描いて、物語は進む。彼女たちがこんなにも苦しんでいるのに、「正義」と言う言葉だけで、周囲の人物の理解を得られない苦しさが痛いほどだった。結局、範子は「正義」を盾にした自己中で私でも4人と同じことをしたと思う。とにかく不快感がすごい作品。

  • ⁡世にいう「イヤミス」というもの。⁡
    ⁡正義感の強さもここまで来ると…恐怖。⁡⁡
    ⁡頑固や融通が利かない、とはまた違う部類に入りそうな。
    ⁡でも、確かに間違ったことはしていないんですよね。⁡
    小説に出てくるこんな人物が近くにいたら⁡
    ⁡あまり関わりたくないのが正直なところ。
    正しさとは何か考えてしまいます。⁡⁡

  • 完全なる正義マンを友に持つ女性4人。
    学生時代はともかく、
    大人になってからは離れようと思えば離れられそうな気がするけれど…。
    範子はこの特技とも言える正義を
    上手くいかせる仕事とかに就けば良かったのになぁ。

  • 高校時代の同級生を協力して殺した4人の女性。
    彼女たちはその同級生の女性ー範子にそれぞれ苦い思いをさせられていて、それは同窓会で出会った今も続いていた。
    範子という女性は正しい事を絶対としていて、少しでもそこから外れると人情も何もなく追及するという人だった。
    その異常な正義感に苦しめられた4人は偶然に条件が整った時に彼女を殺してしまう。
    それから数年。
    もう犯行の発覚はないと安心していた矢先、彼女たちに殺したはずの範子から招待状が届く。

    大体の筋書は予想していた通りだった。
    それに、設定としてどうかな・・・と思う面もあった。
    だけど、「へぇ~。そうなのか」と思うような事も書かれていた。
    脳の機能で正しさを遂行する事を快感とする部分があるとは知らなかった。
    それで言えば、殺された女性は病気だったと言えるかもしれない。

    読んでいてもとにかく、その異常な正義感(?)は頭がおかしくなりそうだった。
    こんな女性がグループの中で一種尊敬される存在としていられた事が不思議。
    まず、グループから外されてクラス全体から仲間はずれにされてもおかしくないと思う。
    変なヤツとされていじめられる存在だと思うし、こんな人がよく結婚できたよな・・・。
    この人の夫や子供ってどんなん?と思ってしまう。
    でもそういう所をかわした設定だからこそ、この話はありえたと思うけど・・・。
    もし、彼女がはじかれる存在ならここまで4人の女性は追い詰められて殺意まで抱かなかった訳だから。

    ここまで異常じゃないにしても、正しさを強要する人はいるし、そういう人のその時の顔は恍惚感を感じているなという顔をしている。
    そういう人の脳は快感に満ちているんだな、そして、また同じことをするんだな・・・と思う。
    それにしても、この女性は生きていて一度も間違った事をしてなかったのかな?
    もし、人にこれだけ厳しい人が自分が間違いをしたと気づいたら自殺したいくらいの気持ちにならないかな?なんて思った。

  • これはさすがに、正義の振り翳しすぎ笑
    と後半は笑いながら読んでしまいました。最後はやっぱり秋吉さんらしい終わり方ですね

  • 母親の影響から『正しいことをすることが正しい』と疑わない範子。正義を愛するが故に、友達、自分の子も法を犯すことをすれば迷わず警察に通報するような人物。
    本当にいたら、確かに感情を知らないサイボーグだなと思った。かなり厄介な人物。

  • −正義こそ、この世で1番大切なもの。
    −100%正しい、ということは、それだけですでに大きな欠点。
    正義、というかモラルとかマナーは必要なことだけれどそれを完璧にこなすのは難しい。正しいことは正しいことであるのだけれど、固執してしまったらそれは自己満足であり周囲は息苦しさや堅苦しさを感じてしまう。こう、なんというか、うまく折り合いを付けられたら、ね。

  • 正しいこと、正なることの暴力性を考えさせられる。

    清濁併せ呑むみたいなことがみんな当たり前と思ってるけどどうなんだろ

    正しいことをするってことで反省的でないのは本当に正しいことなのかを考えさせられる

著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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