あたしたちよくやってる

著者 :
  • 幻冬舎
3.52
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本棚登録 : 952
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344034433

感想・レビュー・書評

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  • 凄く好きな作家さん。が、今作はどうかな?
    エッセイと短編が混ざってるみたい。
    女性ってだけで生きにくいのめちゃわかるが、なぜ改良されないのかとこれだけ声あげてるのに、と残念に思う。

  • 『好きなように生きてるだけで、苦しい。自分らしくあろうとするだけで、なにかと闘うことになる。男とも、女とも』って文に共感しかない。年齢やジェンダーについてモヤる日々に少し勇気と元気をもらえる短編+エッセイ集。ドラえもんのしずかちゃんの話と『超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史』が良かった

  • 短編がつづられているので非常に読みやすかった。
    また、描かれる主人公は少女からお年寄りまで幅広く、「女性」というキーワードで様々なエピソードが盛り込まれている。

    「女性」ってこうだよな、あるあると共感する場面も多々あったが、型にハマった「女性像」のように生きていきたくはないかもしれない、とこの本を読むことで客観視できたように思う。

  • 短編集の合間合間にエッセイが入っている本は初めて読んだ。とっても面白かった。

    いくら長生きしても最初の20年こそ、人生のいちばん長い半分

    ぐっとくるフレーズ。

    10代の頃の自分って本当に一生このまんまなんじゃないかと思ってるのに確実に時間は大人にしていくし。
    毎日会っていた友だちは大人になるほど疎遠になっていく。共感がたくさんあったし
    短編集もタイムリープしたり、過去や未来を描いていて面白かった。

  • こちらも初の作家さん。インスタで見かけた一冊。
    1980年生まれの女性作家。(辻村深月さんと同世代なのね)映画が好きで、作中にときおり名画の描写や言葉を織り混ぜるのが特徴とのこと。

    仕事、結婚、恋愛、ファッション、女友達。多くの女性が向き合うさまざまなテーマを描いた一冊。
    エッセイと短編集が収録。フォントの違いでわかるものの、最初、これが小説なのかエッセイなのか、正直よくわからなかった。
    でも、自分も同じ女性として、わかるわー。と共感できる部分もいくつかあった。

    マンスプレイニングという言葉を初めて知った。男性が、求められてもいない説明を延々と悦に入りながら説明する意、らしい。なるほど、これは大いに同感。いるいる。

    図書館では山内さんのエッセイをもう一冊借りた。まだこちらしか読んでいないけど、小説よりエッセイの方が好きかも。


  • 部屋探しに職探し、それから恋人探し。自分探し。探してばっかりの二十代。でもいつの間にかあたしは、見つけてしまっている。探していたはずのもの、ほとんどすべてを。なにかを探している自分に慣れすぎているせいで、もうそれらを見つけてしまったってことに、まだしっくりきていないけれど。

  • タイトルがすべて。もはやいちジャンルとなった「女の生きづらさ本」の中でも比較的軽やかにさらっと断片的散文的に(実際にいろんな媒体で書かれたエッセイだったり掌編だったりのアンソロジー)オンナの絶望と希望が絶妙なバランスで描かれた一冊。軽やかながらも内容はあちこち刺さり、心になんだかぽっと火が灯るような何度も読み返したくなる本。最後の最後に登場する短編「超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史」が最高!


  • これでも昔は、「変わってるね」って言われることを、喜ぶような女の子だった。みんなと同じなのは我慢できないタチだった。“個性的”という言葉は勲章だった。その先に未来は無限に広がっていると信じていた。

    「あたしは、“こんなはずじゃなかった”って後悔しながら生きたくないの!」

    好きなように生きてるだけで、苦しい。
    自分らしくあろうとするだけで、なにかと闘うことになる。男とも、女とも。
    「勇気あるよね。すごく似合ってる」
    うん、わたしもいまのわたしは好きよ。
    だけど、誰かの期待に応えられていないことに、わたしはなんでこんなに、落ち込んでいるの?

    三人集まればあれこれ夢を熱く語ったものだけど、もううまく思い出せない。
    あたしたちは、なにになりたかったんだっけ?


    オシャレは、日常生活で自分にちゃんと自信を持たせてくれる、頼りになる手段。自分らしさをちょうどよく表現できていれば、それだけで勇気りんりん。

    受ける批判が手厳しいものであれ、誰からもなにも言われない人生なんてつまらない。外国に飛び出した女の子たちの行き着く先がみんな結婚だなんてやるせない。ヨーコやヨーコのようなバッドガールたちは、その身をもって証明しつづけているのだ。この世界に、真の自由が存在することを。十代の少女が夢見たような世界は存在するってことを。夢を追いかけた先に、なにかをつかむことはできるんだってことを。

    「少しでもやりたいって思えることをやらないと、もったいないから。若いんだから、自己中に生きてもいいよ」
    そしてそのツケは、あとで返せばいい。
    若いうちから人のために生きられる人のことが、わたしだってうらやましいです。もしかしたらその方が、生きるのが楽なのかもしれない。きっとそうです。自分の夢や欲望を追い求めようというガッツのある人は、実は少ないのかもしれないと、ようやく気づいてきたわたしです。
    自分のために生きたいと思える、迷える若い女性に幸あれ。

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    誰かの期待に応えてられなくても、無理して笑うのは、もうやめよう。

    さっきまであった自信なんて、いとも簡単に吹き飛んでしまう毎日を果敢に生きる女性へ贈る、「自分とは何か」を思索する短編+エッセイ33編。



    私はまだ19だけど、この本を読みながら、ずっと見ないようにしていた不安や孤独感、自分への失望感が少し和らいでいくのを感じました。
    そして読み終わったあと、一歩を踏み出す勇気をもらいました。私がこの前踏み出した一歩は、確実にこの本からもらった勇気のおかげです。はたから見たら、私がどれほどの勇気を振り絞って出した一歩なのかわからないだろうし、そもそもそれほど勇気のいる一歩だったのか、と思う人もいるかもしれない。でも私にとっては、私の未来を確実に変える、精一杯の一歩だったのです。
    この本とこのタイミングで出会えたことに、感謝します。

  • p.34に寄せて
    ここに私の人生観が詰まっていた。さみしくなったときに私はいつだって駆けつけるわよ。

    あとはサキちゃんのプリン。最高に甘い贅沢は私も手放せない!
    ヒサコも最高。人生こうじゃなきゃね。

  • 女性をテーマに短編とエッセイがミックスされた一冊。
    しずかちゃん、あこがれ、80歳のDJヒサコの話が印象的。

    山内マリコさんは、女性の感情表現が的確。読んでいてハッとさせられたり、心がギュッとなったり、励まされたり。こちらの感情も忙しくなる。応援したいのだろう。LIVEで言うとラストでキラキラテープが会場に落ち切った後の覚めやらぬ興奮が残っている時のような、色々あるけどがんばろうって、明日につながる元気をもらえる。

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山内マリコの作品

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