ヒトコブラクダ層ぜっと(下)

著者 :
  • 幻冬舎
3.77
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本棚登録 : 1114
感想 : 142
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344038004

作品紹介・あらすじ

マジでやって来てしまった、メソポタミア!

梵天、梵地、梵人(三つ子)。
砂漠に埋もれた古代文明のど真ん中で、
生きるか死ぬかの
奇跡の大作戦開始!!

自衛隊PKO活動の一員としてイラクに派遣された三つ子。彼らを待ち構えていたのは砂漠の底に潜む巨大な秘密、そして絶体絶命の大ピンチだった! 展開予測は不可能。唯一無二の物語の紡ぎ手・万城目学、とどまるところを知らず。ページをめくるたびに新たな驚きが待ち受ける超ド級スペクタクル巨編、ここに完結!

ついにここまで来た!
万城目学が描く歴史的大冒険小説!!

感想・レビュー・書評

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  •  面白かった、とても面白かった。下巻のP151で本書のタイトル、”ヒトコブラクダ層ぜっと”がなんなのかはっきりと出てくる。まあ、あんまり本書とは関係ないというか、どうでも良いような気もするんだが、要するにとても良いタイトルだとも思う。ヒトコブラクダ層自体はもうすこし早くでてくるんだが。ともかく、上巻もとてもテンポがよかったが、下巻ではもっとスピードアップされる。そして、最後はジュラシックワールドですな。私的には予想というか想像していた通りになったので、非常に爽快感があった。読了感最高。

  • 久しぶりにこれほど長い小説を読んだ気がします。
    おそらく、『サラバ』以来ですかね。

    文量は多く、かなりの長編となっておりますが、上巻の中盤あたりから、最後まで読みたいという誘惑に駆られ、走り抜けるように、食べることも忘れて読み終えました。

    物語の主人公である梵天、梵地、梵人の三つ子は、それぞれ兄弟にも話していない秘密があり、その秘密を共有するところから、物語は一気に加速します。

    訳ありで泥棒稼業を始めたり、化石発掘したり、そして色々あって、なぜかPKOとしてイラクへ派遣されるという、ドタバタな話の展開。

    どう終わりを迎えるのだろうかと心配するほどに、ばら撒かれた伏線は、見事に回収されました。

    ライオンを連れた女性には、くれぐれも気をつけようと思います。

  • やっと下巻読了。(なかなか届かなかった為、上巻読了からかなり間が空いてしまったヨ(;´д`))

    いやぁ。面白かったー!メソポタミアの幻の古代都市・アガデ。襲い来るシュメール・ゾンビ(なるほど、ここで「Z」と来たか・・)。遺跡・ジッグラトで待つ謎の女性の狙いとは・・・?
    と、上巻に続き、相変わらず予測不能の展開でこんなに奇想天外な話を創作できる万城目さんの凄さを実感し、たっぷり堪能させて頂きました。
    エレシュキガルやイナンナとのやりとりが、冗長かな、と感じてしまう部分もありましたが、伏線回収&諸々の説明の為には、しゃーなしというところでしょうか。
    上巻では“堅物上官”だった銀亀さんも、カッコ良いところを見せてくれて好感度アップでした。
    終盤のイナンナ達シュメール神がどこから来たか(?)のくだりは、一見ぶっ飛んでる設定のようですが、実は結構都市伝説でささやかれている説ですよね(学生時代に読んだ『青のメソポタミア』という漫画を思い出しました)。
    という訳で、私も三兄弟と共に大冒険をしてきたような読後感でした。
    惜しむらくは、上巻と下巻を読む間が空いてしまった為、ブクログの本棚に上下巻を並べられなかった事ですね。(並べるとタイトルが繋がるデザインなので)うーん、残念!

  • すごい旅を終えた後のような爽やかな読後感。長い旅だった。

    奇想天外はお手のもので、毎回異世界に持ってかれるが、今回も半端ない別世界へ。メソポタミア文明に恐竜の世界。博識ゆえかごく自然に、いやとんでもない奇想天外な方法で連れ出された。時々関西特有の吹き出しつき。たまりません。

    梵天、梵地、梵人の愛すべきキャラの三つ子たち。それに銀亀三位の真っ直ぐで誠実なカッコよさ。惚れ惚れする。4人のとんでもない冒険に、ハラハラしながら、気持ちよくお付き合いさせていただきました。久しぶりの万城目ワールド、とても楽しかった。

  • 全く意味不明なのに情報量の多いこのタイトルよ。
    最へっぽこかつ最強、謎の三つ子爆誕!しかも武器はペットボトル!?

    『鴨川ホルモー』で度肝を抜かれ『鹿男あをによし』でのたうち回り、これ以上の大ぼらファンタジはもうこの世に出てこないだろう、なんて思って幾年月。

    いやもうほんとすみません。万城目さんのこと舐めてました。

    上下2巻の超大作なれど怒涛のスリルとサスペンスと謎に歴史と神話が加わり、超絶悶絶驚天動地!
    あぁ、見えるよ見える、どや顔で仁王立ちする万城目さんが。
    全くもって、面白すぎて瞬きするの忘れてましたよ!

    自衛隊は出てくるわPKOはでてくるわイスラエルは出てくるわフ〇〇ンはでてくるわ、〇〇〇はでてくるわ、ってもう伏字ばかりでなにがなんだか。

    あぁ、もうどうやってこの面白さを伝えたらいいのだろう。わかんないからとにかく一言。
    「悶えて読め」

  • いやぁ、万城目ワールド壮大だっあなぁ。メソポタミアからの生還劇もハラハラドキドキの連続だったけれど、その後の伏線回収がすごかった。両親の死に言及するあたりもさすがに考えが及ばず脱帽。みんなそれぞれの人生を極めたと思っていたらイナンナの掌で転がされていたのね。ライオンもびっくり!!!!!!
    ギョロ目の上司がいい味出しすぎ。最高の演出。みんなそれぞれの役割が最高だった。

  • 余りにも突飛過ぎて付いて行くのがやっとのまま、息切れしながら迎えた終章。層とは地層ではなく、こう言う事だったのか。三つ子達に備わった特殊能力はこうして備わったのか。まるでロールプレイニングゲームを楽しむかの様な展開だった。万城目氏らしくホロリとするシーンもあり最後まで読んで良かった。

  • 本棚に並べる装丁のデザイン上、下巻を先に登録。
    すると、上下巻でタイトルが繋がる。

    銀亀三尉の存在がようやく効いてきた後半。
    三蔵法師もどきかと思いきや・・・
    なるほどそういうことか!とやっと腑に落ちる。

    読みだすと止まらず、長編のため体力的にもへとへとで完読。一緒に参加してた気分(笑)

  • 上巻を上回る怒涛の展開が始まる。気づけばページをどんどんめくっている。謎が謎を呼び、なんだか胸の熱くなる人間ドラマもある。これまでにないくらい洗練された物語構造。でありながらも万城目ワールド全開。ワクワク感の消えない読後感、やっぱり読んでよかった。

  • 『とっぴんぱらりの風太郎』の時も思ったけど、とにかく、長い!なんとかしてくれ、と思うほどに長い。それでもどうにか最後まで読めるのは「面白いから」に他ならならず、万城目学だからなのであった。ひとつに、これだけ長いのは、情景描写に文字を取られるからだ。そこはいっそ映画にしてくれた方が早いかもね、と正直思う。難があるとすれば三つ子の設定。三つ子の俳優はいないだろうし、特撮で1人の俳優を3人分使うというのも無理がありそう。となると、アニメかな。ここは妄想だけで。

    私は万城目学ならとりあえずは買う、と決めているけれど、『バベル九朔』では挫折したので、この膨大な上下巻を買うかどうか、かなり迷った。でもブクログのレビューに後押しされて購入。
    今回は、エンターティメント性に長けているので、なんとか前へ進むことができた。時に匍匐前進になったのはシュメール文明について。興味深かったけど、みんなが梵地ほどのマニアではないので、もう少し手短にしても良かったかもしれないと思う。
    自衛隊、アメリカ海兵隊、砂漠、アクション、SF,そして「Z」。等々、物語は盛りだくさん。しかも計算づくめの構成は、どんなに長くなっても破綻することがない。飛び入り参加することになった、ヒロインの銀亀女子は知的で理論的だ。しかもとんでもない技も持っている。筋肉派のキンメリッジといい、相変わらず登場人物のインパクトは素晴らしい。そして魅力的。そして、あのライオンを連れた女性については、ネタバレになるので何も言えない。

    構成にも細かいテクニック。過去と今を行きつ戻りつするという書き方は多々あるが、絶妙なのはちょっと先のことを書いてから、すぐに種明かしするという方法。ただ時系列でひっぱっていくよりも変化はつく。長いので、字面だけを追いそうになるのを防ぐ。これがずっと後だと、簡単に戻ってこられない。
    最後に長〜い謎解きがあって、上巻の伏線を下巻で、というものがほとんどだ。これを読んで改めて物語の緻密な構成が浮き彫りになる・・・と言いたいところだが、いくつかの伏線や謎は、日頃ミステリーに親しまない私などでもわかってしまったので、ミステリーのファンなら物足りないのかもしれない。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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