怖ガラセ屋サン

著者 :
  • 幻冬舎
3.50
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  • (4)
本棚登録 : 1446
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344038554

作品紹介・あらすじ

誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメたヤツらを闇に引きずりこむ!

怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。
こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい! 
気づいたときは、あとの祭り。
”怖がらなかったこと”を、後悔させてあげる――。
一話ごとに「まさか!」の戦慄が走る、連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • そこのあなた!

    自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいませんか

    そう思い込んでいると、「怖ガラセ屋サン」があの手この手で恐怖をナメたあなたを闇に引きずりこみますよ

    ごめんなさい!って思ったときにはもう遅いです…


    本作は七話の短編が収録
    『人間が一番怖い人も』
    『見知らぬ人の』が特に気に入りました

    前に読んだ著者の『一寸先の闇』では、出だしから「どパァん!」にやられましたw

    『見知らぬ人の』では、それに負けないぐらいインパクト!
    「はああああ?」
    「はあああああああ?」
    「はあああああああああああ?」
    「はああああああああああああああああ?」
    ですよ!w
    これだけで怖い怖いw

    あなたも恐ろしい、恐怖の話を読んでみませんか…

  • 今年の最後に来ました!最高傑作!!
    もうブクログ内では今年のベスト3を選んでしまいましたが、すみません、この作品が今年の1番に繰り上がります。
    もともと、澤村伊智の作品は大好きなので、
    本屋さんで新作が並んでたら手に取るのは当たり前なんですが、このタイトル
    「怖がらせ屋さん」
    絶対面白そうですよね!
    この作家を知らなくても絶対ジャケ買いするレベルの秀逸なタイトルだと思います。

    内容も1話目から怖い…精神を深く抉られる様な
    根源的な恐怖という感じで一気に引き込まれました。
    でも、ただの恐怖というだけでなく因果応報というか、悪い事をしたらバチが当たるというような
    復讐劇的な要素もあって、スッキリするのもすごく良いです。
    全部で7話あるのですが、それぞれの話が違った恐怖を感じることができてほんとうに素晴らしかったです。
    ホラー小説を読んだことのない人も、澤村作品を読んだことのない人もこの作品をキッカケにハマってみてはいかがでしょうか?
    今年最後に今年1番皆さんにオススメしたい本でした。

    • naonaonao16gさん
      サブカルクソ野郎同盟解散しないでください笑

      単純に嬉しいのと、楽しく長く続けてきてよかったなって思いました!
      ブクログのコメント欄で話すの...
      サブカルクソ野郎同盟解散しないでください笑

      単純に嬉しいのと、楽しく長く続けてきてよかったなって思いました!
      ブクログのコメント欄で話すのすっごい楽しいし、こちらこそ来年も是非よろしくお願いしますという気持ちでいっぱいです!

      わたしはいつでも近くにいます(爆)
      2021/12/24
    • sinsekaiさん
      メリークリスマスっ!
      メリークリスマスっ!
      2021/12/24
    • naonaonao16gさん
      メリクリ!
      メリクリ!
      2021/12/25
  • 怖ガラセの方法が

    なかなか凝っていて

    因果は巡る

    というのを 

    人力で成しえる

    巧妙な罠になっています




    標的になる人が

    さもやられる理由が

    ある時は

    勧善懲悪ともいえますが

    なぜターゲットに

    と思う人もいて



    余計に

    むずがゆい気持ちになります

    しこりの残る読後感が

    澤村先生らしくって

    いいですね

  • 対象者を怖がらせ、恐怖させ、更には戦慄させて息の根を止める願いまで叶えてくれるという都市伝説「コワガラセ屋サン」の女性が見え隠れするホラー短編集。見え隠れする女性が何か起こす描写はなく少しの関わりがあるだけなのに、そこから因果応報的に人が怪異に取り込まれて堕ちていく嫌な感じが良い。怪異より生きた人間が怖いと思わせておいて、からゾワゾワがやって来る「人間が一番怖い人も」「子供の世界で」「怪談ライブにて」が好み。「見知らぬ人の」は実際に自分にも起こりそうで嫌だ。ただ最後の怖ガラセ屋さんの都市伝説を追う話はちょっと蛇足に思えたかなー。

  • タイトルに惹かれて読んでみました。
    ホラーは苦手なのですが、この作品はあまり怖さは感じる事なくサクサク読めました。面白かったです。
    なんか笑ゥせぇるすまんを思い出しましたw

  • よく「生きてる人間が一番怖い。」と言いますが、その言葉の意味を本当に分かっているのか?と問われる内容でした。

    私は御多分に洩れず幽霊よりも生きてる人間が怖いと思っています。…が、こんな恐怖を想像して生きてはいませんでした笑
    本書では、直接的に命を脅かされる描写は少ないし、超常現象で全てが片付いたりはしません。なのに常に怖い。

    今、目の前にいる人は本当に…?
    この〇〇は安全なもの?
    その〇〇は本当に正しいもの?

    全部疑っていたら生きていけないけれど、確かに日常には不確定なものが沢山あって、それらは時に『得体の知れない恐怖』を呼んでくる。
    そんな身近な恐怖の発露について考えさせられました。

    まだまだ残暑厳しい日々。
    本書を読んでひんやりするのもおすすめです!

  • 最初の話が結構恐ろしくてこんな感じで進むのかと思ったら、勧善懲悪的な話もあり、ちょこっとミステリー風味の話もあり、怖がらせ屋さんを善悪で語れないからこそ、謎多きものだからこそ怖いんだろうな。

  • 毎話ゾクゾクする展開が約束されていて面白すぎた!
    比嘉姉妹シリーズ以外は初めて読んだけど、どれだけ書くの上手いんだこの人…大好きだ…

  • 【収録作品】人間が一番怖い人も/救済と恐怖と/子供の世界で/怪談ライブにて/恐怖とは/見知らぬ人の/怖ガラセ屋サンと
    復讐、懲戒、悪ふざけ、そして真相の究明…… さまざまな依頼を受けた怖ガラセ屋サンが、さまざまな手を使って、対象者を恐怖のどん底に突き落とす。
    どれも対象者にはそれにふさわしい理由があるのだが、復讐が果たされてスッとするということはない。悲惨な末路に仕方がないよね…とつぶやくのみ。
    怖がるのは想像力があるからというのは納得。「自分に起こるかも」「あり得るかも」と思える話ほど怖いから、怖い話は苦手なのに、つい読んでしまうのはなぜか。
    ……耐性をつけたい、というのもあるのかもしれない。

  • すごく好み、面白かった。
    あおりにある通り、1話ごとにおお!と思わせてくれる結末があり、ページをめくる手が止まらない。
    ブクログのあらすじにも連鎖短編集と書かれてしまっていることだし、ここでもそう紹介してしまうが、何の事前情報もなく、タイトルの「怖ガラセ屋サン」?ってなんだろう?とわくわくしながら読み始めるのを個人的にはおすすめしたい。
    ので具体的なあらすじは書かず、各話のタイトルだけ備忘録ついでに残しておく。

    第一話・人間が一番怖い人も/第二話・救済と恐怖と/第三話・子供の世界で/第四話・怪談ライブにて/第五話・恐怖とは/第六話・見知らぬ人の/第七話・怖ガラセ屋サンと

    ちなみに興味深かったのは第五話で、めっちゃ好きと思ったのは第一話と第四話。どれももちろん面白い!

    展開的には辻村深月さんの「噛み合わない会話と、ある過去について」に似ていると感じた。あの作品は人間同士で成り立つ業だけど、本作は怪奇現象…ホラーで成り立つ人間の業、といった感じで。
    ホラーだけど、どちらにせよ業を背負って恐怖するのは人間なので…?もちろん両作はまったく違う個々にオリジナリティのあるお話で(印象が近いというだけで)、どちらもとても面白い。

    作者の著書を読むのは2冊目だけど、この方の描くホラーはとても面白いな。
    本作はとても良きホラーエンタメであると同時に、恐怖という感情に切り込んで、恐怖とはなにか、人は何に恐怖するのか…恐怖というものについてじっくり考えられる点でもとても良い。恐怖という感情についてとても興味があるので、その辺りも面白く読めた。

    印象的な表紙の絵や全体的な装丁もとても雰囲気があっていい。表紙絵を描いたのは八嶋洋平さんというアーティストで、プラスチックドールをモチーフにした作品などをたくさん作っている。
    この表紙の人形もプラスチックぽいなぁなんでだろと思っていたら画家さんの作風のようだ。
    いい表紙だ。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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