- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344410350
作品紹介・あらすじ
オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。ここは十年前、作曲家の加賀螢司が演奏家六人を殺した場所だ。そして半年前、一人の女子メンバーが未逮捕の殺人鬼ジョージに惨殺されている。そんな中での四日間の合宿。ふざけ合う仲間たち。嵐の山荘での第一の殺人は、すぐに起こった。
感想・レビュー・書評
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蛍とはなんなのか… 梅雨の山荘に奏でられる恐怖の調べ、過去の凶悪事件が交錯する本格ミステリー #蛍
オカルト探検サークルの大学生たちが、かつて凄惨な事件が発生したいわくつき山荘を訪れる。怪しい山荘で一晩を過ごすと、過去の事件と同じ殺害状況で死体が発見される。雨は降り続け、街とつながる唯一の橋が崩れてしまい…
この小説は情景描写が美しい!
梅雨のじめっとした感じ、山荘の暗澹たる雰囲気、惨殺事件の狂気、怪しく神秘的な音楽と蛍。あー旅行に行きたい。山荘じゃなく、南の島がいいな。
お話としても有り体な背景ストーリーではありますが、しっかり組み立てられており興味深く読み進められます。登場人物も背景や個性が際立っており、なかなか強烈でGOOD。
ラストなど、いくつかあえてぼやかしている点もあるのですが、本作の特徴にあっていてこれもまた素敵だと思いました。
どうもこの小説は、ある点が分かりづらいというか、あえてそうしているのか?と思ってましたが、やはりそういうことですか。なるほどなるほど。
もう1つのトリックはわかんねーよ。しかし今までに見たことのない仕掛けでした。なお殺人事件の真相はかなり巧妙で、しかも納得性も高い。結局二度三度騙されました。
少し残念な点としては、序盤に説明や背景描写が多くて没頭度が低い点。このミステリーの設定上、仕方ない点もあるんですがもう少しすっきり整理できるのではと思ってしまいました。ただ中終盤からは、怒涛の展開が待っていますのでご安心を。
情景豊かなミステリーを読みふけってみたい人には超おすすめです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリー歴浅い私ですが、こういうトリックに出会ったのは初めてでしっかり騙されました 快感
「何だって!」この本の名台詞だろう
〆はお得意の後味の悪さ
すんなり終わらないのは作者のお得意芸
今後も麻耶作品読んでいこう
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クローズドサークル系ミステリーって感じやな。
何が本格か分かってないし、別にこだわりは無いんやけど…
色んな伏線が仕込んであるけど、気付いてないのが、多数…
語り手も勘違い…
読者は性別分かってるけど…
とか。
そんなのを前提で読んでると、まっ!謎は解けんわな(~_~;)
色々、感心しきりで読んでたけど、まぁ、ありがちな気もするな〜って少しテンション下がったけど、最後で⤴︎⤴︎⤴︎
螢のメロディは人を狂わせ死を誘う、狂気のテーマ -
比較的分かりやすいかなと思った叙述トリックが一つ。序盤で気づき、そこからは、なるほどここでうまくミスリードしてるのね、と初読みなのに再読みたいな読み方をして楽しんでいた。
なので、読みにくくはなかった。
ところが!
全然分からなかったもう一つの叙述トリック。濁して言うと「いつもと逆」。なるほどーやられた〜
ラストはちゃんと知りたかったな… -
これはすごい叙述トリック。
いろんなパターンは考えていたけど、全然違う切り口で騙されていないことに騙されていた。
全体的に視点がフワフワしていたり説明描写が多かったりと、中盤辺りまでは読みにくかった。
その分ラストの畳み掛けは凄まじく、息継ぎする暇が無かった。
ミステリーの引き出しがひとつ増えた。
☆3.6 -
人里離れた山荘で起きる連続殺人事件。
クローズ・ド・サークルもののミステリーだ。
惨劇の舞台は10年前に大量殺人劇が行なわれたファイアフライ館。
精神に異常をきたした有名作曲家が、宿泊していた演奏家たち六名を皆殺しにしたのだ。
密室トリック、あやふやなアリバイ、そしてわからない動機。
世間をにぎわしている連続殺人との関連。
閉ざされた空間で増幅していく恐怖と、疑心暗鬼に陥っていくサークルの仲間たち。
探偵役の島田が中心となって謎を解明していくのだが、島田自身もある事情を隠したまま合宿に参加をしていた。
彼だけではない。合宿に参加した目的を隠している者が他にもいた。
事件は確かに解決される。
犯人も明らかになり、動機もそれなりに説明される。
だが、生き残ったのはいったい誰なのか?
読み取れなかった私が悪いのか、それともあえてわからないような終わり方にしたのか。
麻耶さんの意図が読みきれないまま、もやっとしながら物語を閉じた。 -
蛍が止まらないのセリフがとても気になり、読み進めました。ちゃんと納得のいく理由があってとても満足しました。
ただ、個人的には少し読みにくい作品でした。
クローズドサークルのミステリーでした。
内容(「BOOK」データベースより)
梅雨。大学のオカルトスポット探検サークルの六人は、京都府の山間部に佇む黒いレンガ屋敷「ファイアフライ館」へ、今年も肝試しに向かっていた。そこは十年前、作曲家でヴァイオリニストの加賀蛍司が演奏家六人を惨殺した現場だった。事件発生と同じ七月十五日から始まる四日間のサークル合宿。昨年とちがうのは半年前、女子メンバーの一人が、未逮捕の殺人鬼“ジョニー”に無残にも殺され、その動揺をまだ引きずっていたことだった。ふざけあう悪趣味な仲間たち。嵐の山荘で第一の殺人は呪われたように、すぐに起こった―。大胆にして繊細。驚きに驚く、あざやかなトリック!本格ミステリNo.1の傑作『鴉』から7年。鬼才が放つ新たなる野望。 -
とても読み応えがある作品だった。伏線が張り巡らされて、ひとつずつキレイに回収されて。最後まで犯人がわからず、見事な叙述トリックだった。