聖者は海に還る (幻冬舎文庫 や 15-6)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411227

感想・レビュー・書評

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  • 他人の心を自由に操ることができるとすれば、それは自らの心も他者に操られているという疑心暗鬼を呼ぶ。愛がある比留間は救われ、信じるものを失った別宮は破滅した。

  • これは面白い!
    ドラマテックさで言うと、ちょっと物足りないと思うところがあるが、良く出来ている。
    正常の反対は異常、または狂気かも知れないが、成長によっては、時として静寂となるということか。(特に意味なし)

  • 人の心理を操作することの恐ろしさがよく描かれていて、まぁ面白かった。
    エピローグがよかった。
    山田宗樹は心理描写があまりうまくないらしく、主人公に同調出来る部分をするっと受け流してしまい、物語に入り込むきっかけをたくさん逃したように思う。
    読みやすさは変わりなく。

  • 誰もが惹かれて夢中になってしまうカウンセラーには恐ろしい秘密が、、、という導入。
    これはすごーくよかった!
    ウソくさいカウンセラーだなーなんて斜め視点で見てたらまさに根拠があって納得。
    救いがなさそうに見えてきれいにまとめて終わっているのが
    あぁ、よかった・・・って読んだ後思いました。
    こういうのが気に入るってやはし自分は少女マンガ育ちなのだろうと思う。

  • 2人が幸せになれる日がきますように…!
    20091001

  • ☆3個半

  • 脳や心理が絡む作品にはいつだって弱い。
    ここ数年でダントツに面白かった。

  • 「嫌われ松子の一生」の原作者の人だーと思い手に取ってみる。
    人物のイメージがしやすいので、映像作品になりやすいのかな。

    事件に始まり、疑念、そして静かな終わりを迎える。
    その過程にあるものは心という不確かなもの。
    心って目に見えないから、たくさん迷って、たくさん傷ついて、強くなっていくんだと思う。
    心を強くするのは人生の目的じゃないけど、生きるために必要なこと。
    見えない心を見えるようにしたら、心は固定されて疑問や疑惑をもてなくなる。
    ストレスにさらされても、理解できないからいきなり体にくる。
    そしていつかは心が壊れる。

    自分が何をしているか意識がない。
    別の人格が発動する怖さ、立っている場所がわからなくなる怖さ。

    人の心を操作するのは果たして医療なのか?
    欝や心の病気がはやっているけど、正しい治療ってどれなんだろう。

    罹るは易し、治すは難し。

  • 「嫌われ松子の一生」の山田宗樹の作品。
    私にとっても、これが2作目。だけど、「嫌われ〜」とは全然雰囲気が違っていた。
    「天使のナイフ」とはまた違った内容だけど、少年の頃に受けた精神的治療と最後まで闘うカウンセラーの姿が印象的でした。
    ハッピーエンドでは終わらないけど、決して後味の悪い作品でないのが救いでした。

  • 中高一貫の私立進学校で、男子生徒が教師を射殺して自殺した。
    ショッキングな事態に、学校はスクールカウンセラーとしてセラピストの比留間を招致する。
    養護教諭として同校に勤め、事件に胸を痛ませていた律は、比留間の存在が気になりはじめる。
    律の誠実なスクールライフの合間に不穏なダイアローグが挟みこまれ、不安な気持ちが煽られ、読ませる。
    どんな風に落としどころをつけるのか、と思ったラストはなんとも切ない。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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