天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 572
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (765ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417533

感想・レビュー・書評

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  • 謳い文句に偽りなし!SF青春幻想ミステリ。問題作で違いない、

  • いやあ、やっぱりメフィスト賞って不気味だ。
    この作品をどう説明すればいいのか全くわからない。推理小説だと銘打っているのに推理が終わってから物語が始まるし、青春小説の一面なんて僕にはまったく感じられなかった!とにかく濃い!一ページに普通のミステリー小説の十頁ぶんくらいの情報が詰め込まれていて、それが七百ページ超!読者への挑戦状に「これまでに記述されている情報から犯人は導くことができます」って書かれているけど、とても無理!
    作中随所にみられるガンダムやエヴァのネタは読者がとっつきやすいように仕込んだサービスなのか?逆に不気味さが増しています。
    それにしても最後の推理で明らかになる『この小説』の世界はとってつけた感があるな。むしろ大日本帝國とか出さないで現代日本で同じ事をやって欲しかった。
    でも傑作。怪作。
    変なものを読んだ!とうろたえること間違いなし。

  • 講談社ノベルスで出版されていた「天帝」が、幻冬舎に移り完全改稿の上文庫化、とくれば、買わずにはいられないファンの性。

    文庫版では、一部登場人物の名前から設定まで変更され、大筋こそ変わらないものの、はっきりと違いがわかるものだった。

    その違いは簡単にいえば、余分なものをそぎ落として、よりシンプルにわかりやすくなったということかな。

    けれど、その、そぎ落とされた余分なものこそ、私は好きだった。

    できればカラオケのシーンは違う設定に変えて欲しくなかったし、「RAPPA!」の『めるしびあん、音楽の神様』は削って欲しくなかった。カザリンのタロットも出して欲しかった等々。トリビアルなことなのだけれど。

    結果から言ったら、講談社版の方が表紙も内容も、私の好みだったなぁ。

  • (2011.11)

  • また一冊、何とも言いようのない不思議な本に出会った。
    まず主人公たる古野まほろはじめ、登場人物たちの会話。
    漢字の読み仮名として、英仏独など各国語のカタカナ表記が当てられている。哲学じみた詩的な台詞を口走るかと思えば、彼らの年代ならではの恋愛や性の話で盛り上がる!?
    こんなペースに巻き込まれ、事件が起きるまでの長い序章もあっという間。そして第一の事件、さらに第二の事件、同時進行で彼らの部活動である吹奏楽部のコンテストへ向けての日々があって、それらがバラバラでなく、それぞれのストーリーにしっかり引き込まれて、ラストは…
    説明のしようがないので、とりあえず読んでみてくださいという本だった。

  • 読みやすくはなったけど、癖がなくなってちょっとさびしい感じ
    変更点とかは・・・前のほうが好きだったのが多かったかな
    設定の変更は今後に期待します

  • 普通の推理小説と思って読んでいたら、最後の方でちょっとびっくり。だからSF要素ということだったらしい。言葉が凝ってて読みづらっ、が、これでもリライトで大分読みやすくなったそうで。確かに、この雰囲気は独特。風紋、かっこいいよね。

  • 講談社ノベルス版も持っていますが大幅改稿の「新訳」ということで購入。詩織さんの名前が実香さんになっていたり、奥平と栄子さんが付き合っていたり、まほろの両親が亡くなっていたりとキャラ設定の面でも随分と変更されています。当然のことながらあの殺人的に読み難かった文章も改善されており、ご新規さんとファンの両方が納得できるギリギリのラインまで譲歩された印象です。個人的にはもっとはふうはふう言っていても良かったのですが。公理制の導入で論理展開はより追いやすく、各エピソードの再構成によって時系列がよりわかりやすくなっているのもポイント。大筋のストーリーラインは変わらないものの、ブラッシュアップされたリメイク版として既読者が読んでも楽しめる1冊です。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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