- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344419995
作品紹介・あらすじ
理不尽な犯罪で突然命を奪われ、悔しくて死にきれない人が、ときどき神様の気まぐれで、魔物として生まれ変わる。その一人である「復讐屋」のタケシは、無残に殺され生き返ってしまった女のために、復讐に燃える。犯人は、天使の微笑を持つ、残忍な連続殺人鬼アマノだった。「殺してあげた」というアマノの狂気を、なんとしても止めろ!-。
感想・レビュー・書評
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「木下半太」の『天使と魔物のラストディナー(原題:六本木ヒルズの天使)』を読みました。
『美女と魔物のバッティングセンター』に続き「木下半太」作品です。
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理不尽な犯罪で突然命を奪われ、悔しくて死にきれない人が、ときどき神様の気まぐれで、魔物として生まれ変わる。
その一人である「復讐屋」の「タケシ」は、無残に殺され生き返ってしまった女のために、復讐に燃える。
犯人は、天使の微笑を持つ、残忍な連続殺人鬼「アマノ」だった。
「殺してあげた」という「アマノ」の狂気を、なんとしても止めろ!―。
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魔物シリーズの第二弾作品で、以下の6話が連作短篇として収録されています。
■第一話 東京湾の人魚
■第二話 井の頭線のフランケンシュタイン
■第三話 新宿二丁目の狼男
■第四話 築地卸売市場のゾンビ
■第五話 六本木ヒルズの天使
■第六話 浅草花やしきの河童
■解説 岡本貴也
前作の『美女と魔物のバッティングセンター』とは、ちょっと趣向が変わっていて、、、
吸血鬼の「タケシ」と「土屋」が、理不尽な犯罪で突然命を奪われ、死にきれず魔物として生まれ変わった人(魔物)たちと復讐に燃える展開となっており、人魚やフランケンシュタイン、狼男、ゾンビ、河童が登場します。
ハチャメチャ度は相変わらずですが、男女や親子の愛情等を絡めて切なさや哀しさも感じられる作品に仕上がっており、感情移入できやすい内容でしたね。
『東京湾の人魚』は、両足を鎖で縛られ東京湾に投げ込まれ殺害された「浅利志穂」が人魚となって生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
元バンドの仲間で恋人の「キシダ」が「志穂」のことを思い、プロデューサーの「クサカリ」を脅したことが仇になるとは皮肉なものですね。
『井の頭線のフランケンシュタイン』は、電車のホームから突き落とされ殺害された「山崎英男」がフランケンシュタインとして生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
憧れていた女子高生を守りたいと思う純粋な気持ちは報われなかったですね。
『新宿二丁目の狼男』は、未明の公園で金属バットや石で殴りつけられて殺害された「宮崎和樹」が狼男となって生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
犯人はゲイの仲間かと思われましたが… 「和樹」がゲイだということを知り、家族を守ろうとした最も身近な人物でしたね。
『築地卸売市場のゾンビ』と『六本木ヒルズの天使』は、六本木ヒルズに住む連続殺人鬼「アマノ(天野純平)」に殺められ、ゾンビとして生まれ変わって築地卸売市場で働く人々が「アマノ」に復讐する物語、、、
ソンビ達の復讐は失敗に終わりますが、老富豪「小林芙紗子」の復讐に協力したことを機会に「アマノ」は生きる気力を失い、「タケシ」と「土屋」によって復讐が果たされます… マザコンっぽい性癖は、ちょっと理解できないな。
『浅草花やしきの河童』は、父親によるDVが原因で水死した少年「村田温志」が河童となって生まれ変わり、家族の愛を取り戻そうとする物語、、、
哀しいけど、感動的な物語に仕上がっていましたね。
復讐屋が癒し屋になるエンディングは、心が温かくなる感じがして良かったな、、、
続篇は、もうなさそう… ちょっと残念です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり楽しめました。各章でぐっと胸にくる終わり方をして、文面も笑えて面白いし、ラストは泣ける完璧なストーリーでした。
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斬新な発想で面白いと思います。なかなか考えつかない設定!
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理不尽に命を奪われ人魚やフランケンシュタイン、ゾンビ等に生まれ変わった人たちが、吸血鬼の二人組と出会い復讐を遂げる。脳内でママと会話しながら手助けと称して殺人を繰り返す殺人鬼に依頼人を殺されたり、恨んでいない七歳の河童少年と出会ったり、心境が変化したり、軽快だった。狼男のゲイバーでの変貌も楽しい。
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つまらなかった。
この著者の読んだ作品の中では最低。 -
理不尽な犯罪で突然命を奪われ、悔しくて死にきれない人が、ときどき神様の気まぐれで、魔物として生まれ変わる。その一人である「復讐屋」のタケシは、無残に殺され生き返ってしまった女のために、復讐に燃える。犯人は、天使の微笑を持つ、残忍な連続殺人鬼アマノだった。「殺してあげた」というアマノの狂気を、なんとしても止めろ!-。
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海に沈められた者は人魚に、青木ヶ原の樹海に自殺に見せかけて吊るされた者はゾンビに。理不尽な殺された方をして、怪物に生まれ変わった者断ちの復讐劇――こう書くとおどろおどろしい物語のようだが、そこは木下半太。魔物が人々の日常に紛れ込んで、普通に生活しているのが面白い。本書に登場する中で一番恐ろしいのは、自分を天使と信じ込んだごく普通の人間だった。こういう皮肉も含めて大変面白かった。
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突然命を奪われる理不尽な犯罪がある。悔しくて死にきれない人のために神様がきまぐれを起こし、世にも珍やかな怪物を生み出す。地上に出れば人間の姿に戻るという摩訶不思議な設定。怪物たちは自分たちの存在を実感するため他者の復讐を手伝い続ける。しかるに心は一向に晴れない。人は人を殺し続ける。不幸の連鎖は永遠のドミノ倒し。何のための復讐なのか。自問自答を繰り返しながら、怪物という姿かたちではなく心のありようというものを変えていく。
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まあまあ