望郷の道〈上〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420175

作品紹介・あらすじ

時は明治、日本経済勃興期。小添正太は、己の才覚と度胸を武器に真っ直ぐ生きていた。藤瑠〓(い)は、悲壮な覚悟で家業の賭場を守っていた。二人が出会った時、波瀾万丈な運命の扉が開く。婿養子に入った正太は、商才を発揮し稼業を拡大。だが、その隆盛を妬む者達の陰謀が二人を窮地に陥れる。愛する家族を守るため、正太はある決意を固めるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 北方謙三さんの小説は初めて。ご自身のルーツに基づく小説だそうだが、とても迫力のある読み応え十分の一冊。前半は北九州・佐賀を舞台にした任侠もの。賭場や遊郭、川での荷役、料亭等の縄張り争いに耐え、小さな一家を守り抜く主人公。後半は、対立の結果九州を追われ、台湾で事業を起こす物語。こちらでもヤクザ者や役所と癒着する古参会社との対立、現地の人からの妨害などを乗り越え、会社を成長させる、経済小説のようなストーリー。また、全編を通じて奥さんとの絆が軸になっている家族の物語でもある。さまざまな困難を乗り越え、志ある人々を集め、正しいやり方を全うして生きていく。起業家の物語でもある。上下巻でかなりのボリュームだが、最後の1ページは涙なしには読みきれない素晴らしいエンディングなので、たくさんの方に読んでいただきたい。

  • 何度読んでも良い。
    生きる力が湧いてくる。

  • ニイタカドロップなどで知られた新高製菓創業者・森平太郎の立志伝である。森平太郎は著者の曽祖父。著者は自分のルーツを書いてみたいという事で2007年から日経新聞で連載された作品。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file1/naiyou3101.html

  • 故郷の九州に帰るその時、この瞬間のために全てのストーリーがあったのか。ストレートなストーリーでわかりやすくかつ感動できた俊作。

  • ハードボイルド小説家、北方氏の本。

    熱く熱く熱いひらすらに男臭い歴史小説が多く、
    この本もその1つだと思っていた。(それも大好きです)

    が、この本は熱いけれど、男臭さがなく、
    話も分りやすく読みやすい。非常に面白い。
    つい、睡眠時間を削って、読みきってしまった。

    明治の九州から台湾の話で、
    ちょうど台湾に行って来て、歴史の勉強をしていた自分にとって、
    こんなベストな本は無い。
    あぁ、また台湾に行きたくなってきた・・・。

  • 明治時代に生きる藤正太と妻の瑠瑋の波瀾万丈の人生を綴った大河小説。

    これが、数々の傑作ハードボイルド小説、時代小説を輩出していた北方謙三の作品かと驚くばかりの円熟味を感じる傑作小説である。

    己れの才覚と腕っぷしの強さで、九州で代々続く藤家の賭場を押し上げる正太は同業の博徒に陥れられ、着の身着のまま、単身、台湾へ渡ることに…

    侠客の物語かと思ったのだが、何と、何と!

    非常に面白い。

  • 肝の座りまくった嫁がかっこいい!!
    私はこうなれない( ;´Д`)

  • さすがの北方君。上巻から一気読みだね。読んでいて心揺さぶられる愉しさを久しぶりに味おうたわ。歴史物もええけど、こんなんもっと書いてや。

  • 著者:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)

  • みなさんの評価が非常によい。
    だから、読む気でいた。
    でもなー、裏表紙のあらすじ読んでも響いてこない。
    いったんブックオフに買い取ってもらうしかない

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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