給食のおにいさん 進級 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.66
  • (45)
  • (118)
  • (114)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 1053
感想 : 88
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421769

作品紹介・あらすじ

「味より栄養」という制約だらけの給食作りに反発しながらも、やりがいを感じ始めた元一流シェフの宗。そんな時、学校で生徒の居眠りや優等生の登校拒否が問題に。給食で彼らを助けたい!と奮闘する宗に、なぜか栄養士の毛利は「君は給食のお兄さんに向いてない」と冷たく言うが…。「おかわり」の声に応えて、人気作が待望のシリーズ化!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 個人的には1巻より読みやすかった。

    主人公佐々目の性格がマイルドになってきたというか、協調性や、人の気持ちを考えて行動、発言をするようになってきたのがよかった。
    角のある主人公は、あんまり応援とかできない。話が進むにつれ、佐々目がいい料理人に成長していくのだと思うと、もう少し見ていたくなる。
    大袈裟とかではなく、出てくる子どもたちはどこの学校でもいると思う。色んな境遇の、ドラマみたいな経験をしてきた子もたくさんいる。そんな子どもたちが給食をきっかけに元気になれることを願うばかり。

  • いろいろな給食にまつわる事件解決。子どもって。

  • 黒チワワこと毛利さんのちくわエピソードがエモすぎる

  • 佐々目のように勤務先の学校で給食を作るものを自校方式というらしい。
    ずっとセンター方式の給食だったので、佐々目たちが給食を作る場面は珍しくて新鮮だった。
    自分たちが食べる給食を少しだけでも見ることが出来るなんて、とてもワクワクするだろうな・・・と思う。
    小学校を舞台にしているので、食生活自体が子供たちの生活に直接影響してくる。
    大人と違って自分自身でどうにかなるものではないし。
    給食委員会への嫌がらせにもちゃんと理由がある。
    食事のときの「いただきます」や「ごちそうさま」にまで文句を言う保護者にも、きちんと対応しなくてはならない。
    考えることが多すぎて、佐々目をはじめとして学校側も大変だなと思う。

    実際にもこんなことがあるんだろうか。
    そう思う反面、ここまで酷くはなかったけれど、「嫌いなものは無理矢理食べさせないでくれ」と言っていた保護者がいたと親に聞いたことがあったような気がする。
    好き嫌いがないほうがいいに決まっている。
    だけど、体質によって食べられないものがある子供だっている。
    ちゃんと先生が説明してくれないと、子供たちはひとりだけ好き嫌いが許されていると思ってしまう。
    「給食」っていろんな問題をはらんでいるんだな、とあらためて思う。
    夢を諦めきれずにいる佐々目だけれど、子供たちのために結局はいろんなことを考え、しっかりと給食のおにいさんをしているように感じた。
    でも、給食のときの食事のマナーだけじゃなくて、いろんな生活していくうえでのマナー。
    それを教えるのって、家庭の役目であって、学校にそれを求めるのって違うように思う。
    親にもいろんなタイプがいて、親だからってひとくくりには出来ないのはわかっているけれど、何となく釈然としない。
    ラストでの佐々目の決断と、毛利の素直じゃない応援がちょっと嬉しかった。

  • 相変わらず、面白いー!
    読みやすい文章なのに加えてあまりの面白さに、1日もかけずにサクサク読んでしまった。

    このままユルユルと給食のおにいさんネタが続くのかと思えば、そんなことはないみたい。
    どうも次作で完結しているようなので、それぞれの未来に決着がつくのかな? 勿論、ソッコーで(図書館に)リクエストをかけています。

    本屋パトロールでタイトルに惹かれて読んだ本やけど、これはあたりやったな!

    学校って、大人にとっても子どもにとってもとても狭い世界だよね・・・。
    私は自身が子どものころには、学校という閉鎖的な世界を息苦しく感じることはほぼなかったけれど、大人になってからはどうか、若干の不安はある。
    とにかく「先生に覚えのいい」優等生体質の私なもので、さほど苦労はしないのよー。先生からしたら「やりやすい生徒」やったのね。
    それがそのまま保護者になったので、いうたら、「保護者の優等生」すなわち、「意見を言わない保護者」ちゅう具合。

    (決して「優等生の保護者」ではない)

    それでいいのかなー、とは、幼稚園に入園するときに思った。
    私は、自分では波立てるよりは多少の理不尽は飲み込むほうがいいので優等生でいいけれども、保護者として学校に関わるなら、主役は子どもやからねー。
    私なら飲み込む理不尽も、果たしてこの子たちは飲み込むだろうか? 飲み込ませるべきなのか?
    は、常々悩みます。

    自分のものさしを疑ったりはしない(優等生やから)。
    でも、飲み込むべき理不尽とそうでない理不尽とのものさしには、ほんと、自信がない。

    保護者として学校に関わってまだ日が浅いけれども、幼稚園や小学校で役員を経験しての手ごたえとしては、
    「もう少し(こちらの言い分を)おしてもいいのかな」
    ちゅう具合かな。(^^ゞ

    やっぱり、理不尽を飲み込むタイプなのね。笑


    閑話休題、ちゅうことで、保護者としては身につまされる話も多いです。
    ほんで、同じ保護者として、ある程度は「お互い様」で成り立ちたい関係だけに、「お互い様」で、ない学校側の意見というのは貴重なんだよなあと思う。

    専業主婦、やっぱりほんまに、難しいわ!!
    家庭内では自分をルールにできるもんね・・・。客観的な意見って大事やと思う。

    (私は客観的な意見に左右されすぎのきらいがあるけれど、それは母親の反面教師やろうと思う)
    (でも、娘から見た母親ってどういう人であっても、「人の話を聞かんよなー」ってなるんやろうねえ。同性やからかな)

    まあまあ、晴れて私は9年間の専業主婦に終わりを告げられそうなので、ほんま、助かった!!

    (2016.06.28)

  • 「 食べ物が人を作る 」 の言葉に感動しました。
    この世界のみんなが おいしく食事ができる環境になれますように・・・・。

  • 20240218

  • マナーは、自分を律し、相手を思いやる。子どもに伝えたいけど、大人でも難しいことだなぁ。

  • そもそも家庭で身に付けておくべきマナーを学校で教えなくてはいけない、というのが問題なんだよねぇ。学校とは本来知識や技術を教える場であり、躾の場ではないはず。こうして家庭の責任を学校に押し付けるから現場は疲弊し、教員志望者も減少してるんじゃないのかな。

  • 給食のおにいさん、佐々目、2年目。
    今回は学校内があまりに荒れすぎで、給食どころの問題じゃ済まないんじゃないの?って感じ。
    いじめも食事のマナーもほったらかしで見て見ぬふりの担任たちには呆れるばかり。
    保護者にごまをするためにマナーの注意をしない毛利の方針にも共感できない。
    フォークを持って走る子供って…想像するだけでも恐ろしい。
    佐々目には共感するけれど、学校の対応にはなんかもやもやする一冊でした。

全88件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

遠藤彩見の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×