まさかジープで来るとは (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421820

感想・レビュー・書評

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  • どうやら「自由律俳句」と呼ぶらしいこのジャンルの文芸は、なかなか素敵である。
    「あるある」な情景が思い出されてきたりするちょっとまったりとした雰囲気のフレーズは、才能なしには作れないのだろうなと最初は思ったが、その気になれば雰囲気だけは醸し出せそうなところまではいけたかも。でも、やっぱりもっと極限まで削らないと駄目か。

  • 二名の作品からなる自由律俳句集。

    とにかくじわじわ来る面白さ。
    日常の「あるある」ネタや
    シュールなシチュエーションネタを
    切り取ってきてクスリと笑わせてくる。

    本当に少ない文字数なのに
    自分が見聞きしたシチュエーションと
    オーバーラップして、思わず解説文を
    作りたくなってくる。

  • 初めは距離を感じていたせきしろさんだが、二冊読むにつれて徐々に似たものを共有していることがわかった。自転車のベルのくだり、非常によくわかる。時には自意識過剰と揶揄されるような不安や気遣いに挟まれて生きているんだ。

  • せきしろ、又吉の自由律俳句集第2弾。
    前作ほどのインパクトはなかったが、ニヤニヤできるフレーズは多くあって楽しめた。

    俵万智の解説が秀逸。
    この本のなんかよくわからん楽しさをズバッと言いあてている。

  • 自由律俳句。七五調のリズムがないのに流れがよく油断するとついうっとりしてしまう(笑)
    これぞ呟き。私の目指す句が、Twitterがここにある。
    又吉氏…わずか四文字の句が衝撃。
    また、彼のエッセイもホラーや民話みたいで面白い。
    せきしろ氏…「優しさが怖かった」と言う意味が幼い頃わからなかったとあとがきにあるがなんとなくわかる。
    私も小さい時、「愛人」の意味がわからず父親に聞いたし^^;

  • 好きなので、このシリーズはみな読もうと思っているところ

  • せきしろと又吉直樹のふたりが紡ぐ言葉は多様な感情を内包していて自虐もまた俯瞰して投入する狡猾さも備えている。でもその感情の起伏やポジションの転移は日常の生活に宿っていて、フォーカスの合わせ方にふたりの真意が功を奏しているのではないか。偉ぶらない、ほんの少し卑屈な姿勢は愛嬌さえ感じてしまう。そこに魅入られていく書籍である。


  • サイレンが過ぎたら続きを話す
    食べたくない飴ばかりだ
    富士山が見えたら起こせと言う
    非常口マークの真似をしている
    繰り返された注文がいきなり違う

    普段誰とも共有しないようなできごとが、この本で共有されてて不思議な感覚でした。日常のしょうもないことも、軽く乗り越えられそうな気持ちになります。

  • やっぱり好きだ、自由律俳句。
    やっぱり好きだ、又吉のセンス。そして文章。
    せきあいろと背中合わせで好きだ。

    解説の俵万智の言うことにいちいち納得。
    自由律俳句を普通の俳句の形にしてみると、できちゃうけれど、味わいが違う。全く違う。ほんとだ!自由がなくなってる!

    せきしろのとほほ感と又吉のシュールな感じ。(でも二人ともうっすらほむほむ感もあったりする)

    一行の詩が生まれたシチュエーションを追体験する。または一行の詩から勝手な想像を膨らませる。
    俵家の年末のある日の記憶が浮かんできたように、自分でも400字詰め原稿用紙一枚に収まるようにショートストーリーを書いてみた。出来た。真夜中のラブレターレベルかもしれないけれど、完成した。
    ちょっとこれは面白いかも。

  • これほど分厚い一冊を、ここまで短時間で読み切れたのは、自身の読解力か、もしくはせきしろ、又吉の惹きつける力か。後者であることは確実。400を超えるページ数にも関わらず、一瞬で読み終えていたことに驚愕した。それ以上に、驚いたのがこれほど懸命に読み続け、面白かったと豪語するこの一冊だが、題名以外の内容をほとんど覚えていないことだった。何度も読ませるための戦略なのか(恐らく自身の記憶障害だろう)、読み終わった瞬間から、一句一句が欠落していき、ほぼ記憶に残らない。だが、日常のふとした瞬間に思い出す。これがこの二方の魅力か。当たり前のことをこれほど当たり前に言語化できることに才能を感じる。

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著者プロフィール

作家、俳人。1970年、北海道生まれ。A型。北海道北見北斗高校卒。主な著書に『去年ルノアールで』『海辺の週刊大衆』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』『たとえる技術』『その落とし物は誰かの形見かもしれない』など。また、又吉直樹との共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』などがある。

「2022年 『放哉の本を読まずに孤独』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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